―廊下―
とりあえず、情報収集、しなきゃね。
[諏訪と歩きながら考える。不可抗力とはいえ、少し睡眠をとることができたのがよかったらしく、それなりに頭を動かせているつもりになれた。
あるいは、逆上しすぎて冷静になっているのだろうか。]
そういえば、吊りは、どうなったんだろ。
[そこまで言って、はっとなる。]
(どうして俺、学長が狼にやられた、って思ったんだ?)
[一瞬表情をこわばせるが、頭を振ってその妄想―自分が狼である―を捨てた。
高峰のときは、自分は露島と宮町とともにいたじゃないか。
もう惑うのはやめよう。自分は占い師だ、そう信じよう。
狼だったら、赤ログに相当するはずの通信手段が与えられるはずだと思えば、携帯電話すら動かない自分が狼とは思えない。]