[ライヒアルトの右手首に痣>>1:37、>>1:74、>>1:147が浮かび上がったことも、
それが蒼き花>>2:52の形をしていることも、
ギュンターの遺体の前で彼がそれを見せ>>2:84、役目を明かしたことも、
ユリアンは知らない。
ユリアンの知るライヒアルトは、演奏会後、自分に通り一遍の声をかけただけで、さっさと屋内へ戻っていった>>1:31。
雪の夜という状況を考えれば、彼も寒がっていたのだろうことはわかるけれども、]
実のない声に思えて。
ぼくの返事はどうでもよかったみたいだし……。
本気じゃないというか…声をかけたという自分の言い訳のための行動だったように…。
疑い過ぎかな……でも、怖いんだ……。
[眼をぎゅっと閉じて顔を伏せた。]