─ 回想・2階客室 ─
[「……あれは、人の手じゃつけられねーわ」>>115
ぽつ、と低い音で呟かれたイヴァンの言葉が気になり、]
なに、が…?
[おっとりした口調ではあるけれども、確認したくて問い返す。
イヴァンの説明があれば、]
熱のせいか、何度も夢を……、
青い雪の上に血が飛び散っていたよ。
黒い血…夜なのに、血だとわかって怖かった…。
血しぶきの真ん中に月からやってきた生き物の死体があって…コウモリみたいな羽のある…。
でも、近づくとあの歌い手で。
[非現実的な夢のできごとを、整理できぬまま話した。]