[朗々と歌い上げられたその声が夜空に溶けて消える。
耳に痛いほどの静寂が戻る前に拍手の音>>160で夢幻から現へ引き上げられた]
見事ですね……
『幻燈歌』をこのように歌い上げるのを聴いたのは初めてです。
[演奏家としてまだ未熟だからこそ、その歌声の素晴らしさが身に沁みた。
自然の美しさと音の調和。同じように感嘆の声を零す青年の呟き>>176に小さく頷いた。
もしも時間があるのならぜひ音楽について語ってみたいものだ、なんて思いながら、惜しみない賛辞を口にする。
そうして、演奏会が終わったなら、ギュンターにどの部屋を使えばいいかと尋ね、返事を得たなら礼を言い、広間に置いた荷物を持って指定された部屋へと向かった]