―二階・客室―
[用意された部屋へと向かい荷物を下ろす。楽器の扱いは特に慎重に。
流石にこの時間では練習をするには少し遅いと、ケースを軽く撫でて]
あの人たちに聴いてもらえたなら、少しは認めてもらえるんですかね?
[などと一人ごちる。
会わずに離れる、と言うわけには行かないだろう。今更引き止められるとも思わないけれど]
明日は、イヴァンが帰るなら一緒にご挨拶にでも行きましょうか。
[と、とりあえずは前向きな予定を立て、寝巻きに着替えてベッドへと入る]
……今日は特に冷えますね……
[呟きながら目を閉じる。
演奏会中に感じていた胸騒ぎにも似た何かを抱えたまま……――*]