─ カルメンの部屋 ─[楽器を構えるオトフリートの姿>>185>>186はこれまで見ることのなかったもの。洗練された佇まいは演奏家のそれ。緩やかに音が紡がれ始めると、イヴァンはそれを耳にしながら目を閉じた][柔らかな弦の音が部屋全体を包むかのように響く。染み入るように響く音は緩やかで、闇夜に浮かぶ月から降り注ぐ光が煌く様を表現しているよう。脳裏に浮かんだのは月の光を受けて銀色に輝く雪原]─────っ、[思わず息を飲む様子は悟られたか。歪む表情を隠すように俯いた]