─ 二階・客室 ─[屋敷の中へと運び込むのにかかった労力と時間はどれほどだったか。一先ずそちらが落ち着くと、手に残っていたあかを洗い落として。それから向かったのは二階の、ライヒアルトの部屋]……さっき、声……『ありがとう』、って聞こえたような気がしたけど。気のせいじゃない……って、思ってもいいと思うか、モリオン?[ぽつり、と落ちた呟きに、黒猫は同意するようににぃ、と鳴く。それに、ほんの少し、眉を下げた後。先ほどは近づけなかった亡骸に近づいた]