な ん て こ と を す る ん で す か !
嗚呼、僕の神になんて酷い仕打ちを![勝手に自分のにしました]
あんなに素晴らしい曲を作る方が、まさか人を殺したとでも?
そんなわけはないでしょう! 少し考えなさい、愚かしい者どもよ!
[ぎゃんぎゃん、文句を言ったが、勿論聞き入れられるはずもない。
自衛団員の青年は、ちょっと可哀相なくらい憔悴していた]
ちっ、仕方ないですね。
これだから神を信じぬ愚民は嫌なのです。わかりました、書けばいいんでしょう。
――嗚呼、でも。
ヘルムートさんにお会いするとか、どうしよう……憧れの僕の神……
[うっとりした。
一人の世界に入り込んでいる。が、無粋な(わけはない)自衛団員が溜息と共に差し出すと、身上書に綺麗に文字を書き連ねていった。
学生の性分らしく、しっかり下敷きはバッグの中に入っている。見れば着替えもあるが聖書やら分厚い本がどっさり入っているのもわかるだろう]