―回想―
[力を失い、床に崩れる体を、ただ、見るだけだった。
といっても、口元に浮かぶ笑みからは、愉しそうな様子しか伝わらないのだが。
強く服を掴む指。]
さて、どうするか。
[そのままにして、開いたままの翼を見やる。
ここに放置したとして、起きても大して驚くまい。
重力に逆らわない手に引かれるように、身を屈め、そのまま担ぐようにして持ち上げた。
たいして重くもないように、長いソファにつれていき、その背を倒して翼をつぶさないように体を置いた。
しかし手は離れない。]
仕方ない
[掴んでいるシャツのボタンを外し、脱いで、そのまま残しておく。
笑んでいるのを見る人はいないが――その後の反応をとても愉しみにしているようだった。]