人狼物語 ─幻夢─

64 滄に揺らめく銀鏡


修道士 ライヒアルト

―承前―

[視界の先で、ウィルムリエルの身体が崩れ落ちてゆく。
呼んだ名前はやはりコエとして届くことも無かったけれど。
ゲルダへと伸ばされた手。そこにずっと感じられなかった真実を見た気がした。
だから悲しくとも場が開放されることを喜ぶべきはずなのに]

俺は。俺達は。
何のために。

[これらも全て、仕組まれた茶番のようなものにすぎないのかと]

「ラーイ……っ!」

[自分を見失いそうになった所に届く声。
ああダメだ。ナータまでこの虚無に触れさせたら。
そう思って振り払おうとしたのに]

(723) 2011/01/18(Tue) 02:30:19

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