─ 司書の部屋 ─
[>>692まだ夢現を彷徨っている様だった司書の瞳が、こちらの問いかけに緩く伏せられる。
彼の言葉があるまでどれだけでも待つつもりだったけれど、>>693途切れながらの言葉の先を急かせることはしなかった。
身体が辛いだけでなく、いまだ心も耐え難い事を紡いでもいるからだろうと察せたから。
彼が見出すものだと知らなかったから驚きはしたけれど、同時にだから一人で行ったのかと納得も出来た。
アーベルも、蒼花を持っているからこそ、カルメンを殺す責を自身に課したのだろう。
望んで得た訳ではない力に、それでも務めを果たす為に。
>>694ひとつ、>>695更にもう一つ司書が息を落とした後部屋に戻った静寂を破ったのは、こちらのため息]
……本当に。
厄介なもの、ね。
力があるって。