─ 司書の部屋 ─
まもりたいって思う気持ちは、尊いものだわ。
でもね。
その気持ちは、貴方だけが持ってるものじゃ、ないのよ。
アタシ達だってまもりたいものはある。
…だから。
頼って、欲しかったわ。
[カルメンからも救けを求める声があったのだろうか。
気付かなかっただけで、見逃していただけで。
命を失った彼ら、彼女らが望んでいた事は何だったのか。
あの旅人も、もっと話を聞いていたら何か違ったのだろうか。
そうしたところで自分が殺されるだけだったかもしれないけれど、年若い子の命が奪われる所は見ずに済んだだろう]