人狼物語 ─幻夢─

84 廻る刻・待宵歌


本屋 クレイグ

─ 山頂 ─

[色について記された手記はいくつかあった。
ただ、その記述には一つとして同じ物はなかった。

あるものは、晴れやかに美しい、と称し。
あるものは、美しくも不吉、と称し。
あるものは、ただ鮮やかな天の色、とだけ記して。

だから、実際の色がどんなものかは、想像もし難かった。
だからこそ、見たい、という気持ちがどこかにあって。
そして、実際に見たその色に抱いたのは、『寂しそう』という思い]

……ああ、そっか。

[寄り添うものがない、というエトの言葉に、何となく、理解が及ぶ]

一本きり、一人きり、だから。寂しいんだろ、な。

[小さく呟いて、それから]

(795) 2013/08/14(Wed) 15:43:34

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