[実家に帰った時に待っていたのは、年甲斐もなく泣きそうになった母の抱擁。
それに、同行者たちがどんな顔をしていたかはさておき。
『インフィニティ・ピース』を巡る一件と、それに絡んだ狐面との経緯を、両親に話して。
その後、氷華の事情と彼女が庇護する子の事を頼むと、両親はあっさりとそれを受け入れた。
その際の、人の良さ全開の父の態度は、その二つ名のみを知る者には拍子抜けするもの。だったかも知れない。
それから、傷が癒えるまでの間は家で大人しくしていたものの。
動けるようになってすぐ、再び、家を飛び出した]
「無理せず、きつくなったらちゃんと帰って来るんだよ?」
[飛び出す背に向け、父が向けたのはこんな言葉だったとか]