─墓標前─
そうかも知れない、けれど。
『真視の血』の束縛があった以上、動かずにはいられなかったし。
大体……大切と思ってたもの理不尽に奪われて、それで落ち着いてられるわけ、ないだろうが。
[目を逸らしたまま、告げられる言葉。
躊躇いなく返せるのは、あらゆる意味で束縛を逃れたが故か。
続く呟きには、僅かに苦笑して]
……やりたい、こと、か。
[投げられた問い。しばし、翠を伏せる]
俺がここに戻ってきたのは……ここで。
大事なもののたくさんある場所で、星を見ながら、最期を待つため……だった。
だから、こうなると、やりたい事って思いつかないんだよな。
……ミーネの方には、何か、あるのか?
もし、あるなら……それで、それを俺に手伝えるようなら……付き合うけど。