[ある日のこと。
どこをどう流れたのか、露店で何か見覚えのある手鏡を見つけた。
思わず手に取って、姉へと送ったりもした。
住所を書かないで送ったはずなのに、結婚するから帰ってきなさいという手紙を受け取った。
勿論、村に戻った。こっぴどく怒られたけれど、手鏡の礼と、祝い品の礼をもらった。
ハグしてキスして、幸せを祝った。
雪の日のこと。
楽譜を買いにきた人がいたけれど、売らなかった。それでもあまりに望むので、写しを売った。新しい写しを作っていると、視界が歪んだ。
時間がたっても、たまにこういう時があった。そういう日は何もできないとわかっている。
旅を続けるに、商売を始めた。物を運ぶ仕事。郵便屋と商人の間くらいで、細々とやっている。
答えがほしいんです、と幾人かには告げたろう。その答えは、まだ、*見つからない*]