そーでもないぜ?
護ってくれる奴が居りゃあ自分で護る必要はねーよ。
けどま、男として護られっぱなしはヤなんでね。
[自分とて護りたいものがある。
その為にわざわざ力を磨く旅になんぞ出ているのだから]
幻想でも真実にしたいね、俺は。
[笑みの形を作るサファイヤブルー。澄んだ光は真っ直ぐに見据えて]
[ざ、と地を剣の先が裂き、軌跡を覆うかに土埃が舞い上がる。
留めるのは右手に任せ、向かう刃に翳すは左]
『留まることを知らぬ風よ。
今一時我が手に宿りて愚かなる者を薙ぎ払え』
[ひゅる、と音を立てて風が左手へと収束する。
横薙ぎに払えば其れは鞭のように撓って、けれど狙うのは刃ではない。向かい来る刃は無視して、狙うは相手へ直接、肩口辺りを引き裂こうと]