[ 暖かい光とともに巫女の声が降ってきた。
ふいに襲ったのは脱力感。
自分の中の何かが、一気に昇っていく感覚。
酷く―――――、寂しい――――――。]
―――――…。
[ 結界樹の上を見つめる。
虚が自分の中から去ったことに気付いた。
悲しかった。
寂しかった。
だって、彼らがいれば1人じゃないって思えたから。
巫女の声が脱出の手段を告げる。
けれど、自分は何も変わっていない気がする。
変わったのは、破壊を強く望まなくなったことぐらい。
自身が自身であることに、何の変化もない。]