それ、寝込むほどのもんかい。
いや、俺もそーゆーのとの手合わせはゴメンだけどっ!
[妙に真面目な口調でこう返する。
伝わる手応え。狙った効果が得られなかった、と覚るや、素早く刀をひいて下がろう、とするものの]
……ちっ!
[それに僅かに先んずるよに、下から迫る刃。
避け方を誤ればどこにどう当たるかもわかったものではなく。
刀を引き、身を屈めながらのサイドステップで直撃は避けよう、と試みるものの、僅かに及ばず左の上腕を刃が掠める]
……ってぇ……。
あー、あぶなあぶな。
まともに食らったら、もってかれるとこだった。
[紅の尾を引きつつ距離を開け、小さく呟く。
それから、は、と一つ息を吐き、改めて距離と間合いを計りなおした]