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……、
そうなるだろうか。
[茫と答え果実を採る様を眺める]
あぁ、 陽光の、か。
[裂かれた実は果実を滴らせる]
[喉の鳴る音すら聞こえる気がした]
…………美味いか。
[あれこれとやっている間に、近しくも遠い気が離れたのに気づき、ふう、と一つ息を吐く。
先ほど、疲れを感じるに至った声も今は聞こえず。
機鋼の仔竜も、落ち着いているのが感じられた]
……そいや、セレスの『同属』の方はどうなってんだっけ……。
さすがに、同じ事はやらん……よなぁ、機竜卿。
[ぶつぶつ呟くのは、二度ある事は三度ある、を警戒しているのか他に理由はあるのか]
ま、今は、目の前のやる事片しちまいますか、と。
[軽く頭を振った後、場にあった材料から、パスタとサラダとサンドイッチを作って行く。
量が特盛りクラスなのは、*言うまでもない*]
[茫とした答えは、己でもよく判ってはいない様子で。
どのように声を掛けるべきか、私は果実を齧りながら考える。
陽光の、と納得した声音に、瞼だけ持ち上げ見やる。
この人も通常の食事を避けてこちらに来たのであろうかと。
故に、問われた言の葉に瞬いた。
以前にも似たよなやりとりが交わされた気がする]
……ええ、とても。
[味がしないと聞いていたから、勧める事はなく食べ終えて。
このまま去るも惜しく、果汁に濡れた唇を指先で拭い問うた]
そなたは…そなたも、食事を避けに此方へ?
[答えを求めず味を問うた青年と同じく、半ば間違っていると知りながらの問い。
気になった故に、このまま去るを選ばずに。
遠慮がちながらも、距離を近づけるべく歩を進めた。]
[特盛りサイズも一瞬で消えると知っているから、時間稼ぎではありませぬ*]
そう、
……それなら、果実も喜ぶのだろう――
とは、“彼”の言だったかな。
[らしくないと思ったか、]
[一拍の間を置いて言い添える]
食事、 あぁ。
そうだね……
[肯定を呟けど異なっているのは明白で]
[去るかと思えば近づく気配に眼を向ける]
…………否、
[薄く開いた口唇は]
[音なく空気をかいて]
[それから、言葉を、紡ぐ。]
少し、 離れたかった、……からかな。
[一拍の間。
添えられた言葉に瞬いた。
遅れて、彼であって彼ではなかった事を思い出す。
分かたれたとは言え元は一つの魂ゆえかと、仄かに口元が綻ぶ。
耳に届くは、肯定でありながら否定の響きを帯びた呟き。
目を向ける青年の側立ち止まり、私は紡がれる言葉を待った]
………少し…、そう…でしたか。
[少しわかったよな気がして、静かに見上げる。
一人になりたかったでなく、離れたかった。そは誰と?]
[聞いてはならぬ事であろうと、目を閉じて。
そのまま、頭を垂れる]
……なれば、お邪魔してはいけまぬの。
私は失礼いたしまする。
[頭を上げて、青年に背を向ける。
このまま此方で時を過ごそうとも、心配される方がいるであれば見かけた事を知らせればよいであろうと]
別に――
[邪魔でもない]
[恐らくはそう続いたであろう言葉は、
音にはならぬまま虚空に消え失せた。]
否、此方こそ、食事の邪魔をした。
[代わりの台詞を口にして、*その背を見送る*]
[泉の水の冷たさ故か、私の心も凪いで。
窓の外、彼の仔達が喜びそうな料理の香りが風に乗って届いた。
無意識に風上に回り、そちら側から室内へと入る。
未だ育ち盛り達の姿はなく、睡眠の欲求を満たしているよであった]
ただいま戻り……ました…
[物思いに耽る姿に、声を潜めて。
私はどうすればいいものかと睫毛を伏せ、瞳を揺らした]
[小さな声にふと我に返り、瞬き一つ]
ああ、お戻りですか、と。
……何やら、沈んでるみたいだけど……どうか、した?
[問いかける声は、気遣うよな響きを帯びて]
[挨拶の声はやはり、物思いを途切れさせてしまったようで。
なれど気遣われる響きに、私は言葉を迷わせた。
機鋼の魔との遣り取りなどが脳裏を過ぎる。
聞いてもいいのか、邪魔となるのか。
踏み込みすぎては、離れたいと思わせるであろうかと]
………、
[薄い唇が、幾度か音なき声を漏らして。
一度目を閉じて、心落ち着かせてもう一度言葉を紡がんと試みる]
………その、
……とは…難しいものだと………
[濁された言葉の意味は、やっぱり捉えどころなく思えて。
異眸をきょとり、とさせつつ、対ならざる対を見やる]
……ええと。
なんに対するそれが難しい……のか。
それがわからんと、俺もなんとも言えないんだけど……ね。
[対成らぬ対の疑問は最もで。
なれど正面きって言うのはなかなか難しく。
かといって、勝手に人様の事を例に出すわけにもゆかず。
困って見上げた異眸はきょとんとしていて、思わず瞳が揺れた]
…………。
[相手を困らせて己も困る悪循環を断ちたくて、私は瞳を揺らし
―――見つめ返せぬまま、無理に勢いをつけて言葉を紡ぐ]
あの、私……
過保護にしてしまったり、心配しすぎてしまったり…
適切な距離をとるのが………上手く出来ませぬ。
[声は段々小さくなり、それにつれて視線も床へと落ちた]
[告げられた言葉に、がじ、と軽く頭を掻いて]
過保護……ってのは、セレスの事か。
でも、それはそれで、あなたの「らしさ」だと思うし。
そんなに気にしなくてもいいんじゃない、かな?
[言葉を選びつつ、返す。
距離の事に触れなかったのは、多分、自分も答えを出せずにいる事だから]
[俯いたまま、時の竜の声をゆっくりと受け止める。
頭を掻く仕草を見たなら、困らせているのであろうと余計に落ち込んだであろうけれど。
今は見えなかったから、ただ言葉とその響きだけを追って]
………はい。
急には変われないのも…私らしさなのやもしれませぬ…の……。
[俯いたまま、小さく頷く。
心司る竜のノイ殿も、いいといっていたから。
時の竜がいいのであれば、少し甘えるも…許されるであろうかと。
髪の間から覗いた人の耳が、*薄く染まった*]
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