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― 回想 ―
[ 部屋に辿り着けば、羽根の色は闇に紛れた。]
………エリカ殿が、やはり厄介そうですね。
[ 声を上げていたアヤメ。
仲間からの声では紫星の力によって弾き返されたと。]
エリカ殿と顔見知りとなると…。
嗚呼、アヤメ殿か鷹の目殿ですか。
さて…、素直に考えるとアヤメ殿ですが…どうでしょうね。
[ 左目を抑えながら暫し呟く。]
まぁ、どちらもコワセバ―――――いいですか。
[ 首を傾けながら、口元が気持ち悪く持ち上がった。]
[ 左目から手を放す。
瞳は、背中の物と同じ闇色をしていた。]
どうも…いい予感は致しませんね。
グレイ殿の姿も広場では見かけませんでしたし。
それから、ケイジ様のアノ闇。
ケイジ様の憎しみではない以上、油断はできませんか。
相変らず不思議な方です。
[ 愚痴るように言った後、ベッドに倒れこんだ。]
[ 翌朝、目が覚めていつものように羽根を広げる。
その時、声が聞こえた。]
―――――――…。
[ 仲間の声――――。
自分とは違うところで生きる彼の叫び。
それを聞いて、生まれた感情は同情ではなく。
背中の虚が疼く、一種の快感であった。]
くすくす…御可哀想に。
[ 彼には聞こえぬよう、伝わらぬよう。
自分と闇たちとだけで嘲笑った。]
― 回想終了 ―
[額に汗を浮かべつつ、体を仰向けへともぞと動かす。
自分の鼓動を確認するかのように右手を胸に当てながら顔をゆっくり巡らせると、そこにあった顔に少しだけ驚いた表情をした後、]
…カルロス?
寝込みを襲うなよ…
[細く開いた目で、うわごとのように口の中だけで呟いて、口の端を上げてにまりと笑う。
だがその笑みは力無く、息はまだ荒い。]
/*
ただいまですー(ぎゅぅ
と言っても、表で絡むのは無理そうですね。
うむむー、グレイ殿独占タイムだったのにぃー(笑)
と言っても表で絡むにはPtが大変そうです。
/*
マジすかー(笑)!!
愛を感じたwww
じゃあ、私も表に出ますねー…。
あれ、アッシーくん、カルロス殿は放置ですか??
Ptは私ではなくグレイ殿のPtが。
一応、飴は持ってます。
[汗を拭い終え、籠に入った服を広げる。
着せようと、ラスの方を向けば]
…起きたか?…意識はしっかりしてるか?
[静かに声をかける。けれど、あまりにあまりな返答に]
お前の寝込みなんぞ襲っても、何も楽しくない。
…んな軽口叩く前に、果物でも食って水分補給しとけ。
今、スティーヴが医者呼びに行ってる。
[溜息を吐いた後、食えるか訊ねる様に林檎を指差す]
……異端でも、
想ってくれる、ひとはいる。
[ふるりと、ほとんど震えるように首を振る。
けれど否定は、言葉とは裏腹に、肯定するような響きがあった]
…ん。
[半身を起こし、指差された林檎に手を伸ばす。
――が、その手が林檎にたどり着く前に、布団から起き上がると]
ああ、親父をみてこないと。
あとお袋と…
[ふらと、覚束ない足取りで部屋を出ようと扉へと向かった。]
/*
も暫くしたら出ますので!
今日で多分表最後なので、そちらがやりたい伏線とかちゃんと拾わないと!
愛ですとも!!
ごめんねカルロス…!!
[ 疲労が溜まっていたのか、部屋を出る気になれず。
いつものようにベランダで読書を嗜む。]
――――――…。
[ また、聞こえた声。]
……グレイ殿?
[ 相手の名を呼び返す。
明らかに様子がおかしかった。]
……成程、昨日のですか…。
無理せず…また虚の力で回復するはずですよ。
[ 語りかける声は、届くのだろうか?]
[こんな時にまで、他者の存在を気遣うラスに眼を円く。
けれど、立ち上がる様には流石に慌て、布団に引きずり戻そうと、腕を伸ばす]
…っ、ふざけんな、バカ。
お前…、少しは頼ることを覚えておけよ。
お前が頼ると一言言えば、俺はきちんとそっちだって見に行ってやる。なんで、そんなことにも気付かない?
[荒げかけた声は、押し殺した分だけ必死さが滲む]
あァ、そうだな
[くすり、と、狐はわらった。
頭を、髪を、撫でて、頬へとすべらせる。
指を離して、後ろにさがった。]
そうだろうな
[笑みをえがく、くちびるは見えない。]
…頼る?
何言ってんだ。
俺の親を俺が見ずにどうするんだよ。
[カルロスの言葉には、不思議そうにきょとりと目を丸くして見て、苦笑交じりに返しながら腕を取られても強くは引っ張らないが部屋を出ようと、扉に手をかけた。]
…そういえば、シャコンヌ。
結界樹の中から「虚」の力が感じられる、って言ってた、け。
行けば…マシに、なるかな。
[荒い息の下、呟く声。]
そう言うこと、当然そうに言うなよ…。
[家に帰れず、親に会う事すら出来ぬ身には酷く響いて。
傷ついた顔で、取った腕を離した]
ホント…なんでこの村には、自分の健康を顧みない奴が多いんだかね?
ラスも、動き回るならせめて…もうちょっとマシな体調になってからしろ。……向こうで倒れでもしたら、更に不安にさせるだろ。
[滑る指の感触。
ぎゅと硬く目を瞑るも、離れてゆくのを知れば、
すぐさま眼は開かれて手が動きかけた]
―――……なに、が
[唇を引き結ぶ。
揺らめく眼は、面の奥を捉えない。
行きどころを失くした手が、宙を彷徨った]
気を…つけろ…ですか…。
[ 返ってきた反応に瞬く。]
嗚呼、まぁ気をつけはしますが。
[ その後の返答には溜め息を。]
まぁ…あるでしょうね…。
どんな物も表裏一体。
どんなに聖なる木と言われていようと探せば。
といっても、気配に聡い私が微かに感じる程しか。
均衡を崩すことができるなら…そこから結界樹を汚せます。
[ 呆れたように。]
マシ…って…。
それは一体、どういう意味でしょうか?
さァ、なにがか。
[くすり、喉で嗤うおと。]
――エリカ。
おまえは、何を望む?
[名を囁いて、狐は、金の目で、揺れるひとみをとらえた。]
[いつもなら、傷ついたカルロスの顔を見れば申し訳無さそうに眉を下げるだろうに、振り返ったその目はがらんどうで。
それが糸のように細められる事は無く。]
いや、ああ、そうだ、施療院に払ってない金も、払わないと。
[カルロスの言葉は全く届いていないかのように、うわごとのように焦点の合わない目で呟いて。
半身に服も身につけないまま立ち上がり、すたすたと父親の部屋と母親の部屋を覗いて無事を確認し、ゆらりと夢遊病のように外に出ると、小屋から飛び出てきた疾風が激しく吠え立てた。]
いや、マジでちょっと…つらい、んで。
表を繕う事すらまともに、出来てないから…「虚」の力の近くに行けば、マシになるかと。
[返るは、搾り出すような掠れた声。]
私は……っ、
ただ――
[朱唇が動くも、音は紡がれず。
拳を握り、己の胸元に引き寄せる。
頑是なく、かぶりを振った。
不安定な足場、逃げ道はない]
望まない、何も……。
[ 目を閉じて気配を探る。]
―――――――…。
1度、あの木を汚すことができたなら。
強い浄化の反動で強力な虚を作ることは可能だと。
けれど…貴方にはそれ程の力はないようです。
この島で虚の一番、濃いところは堕天尸の近くです。
つまり…貴方の居るところと、私の居るところ。
最も、今は私の所が一番濃いようですが。
[ まるで他人事のように話を続ける。]
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