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[オトフリートがいくのを軽く手を振って見送り]
その数歩が俺にとっては星ほども遠いわけさ
…そうだな。今度滑車とかを工夫して自ら移動させる暖炉でも作ってみるか。
[怖いというフォルカーを余所に怠惰な決意を固めた]
うん。駄目。
でなきゃならないから出るけど出ずにすむならそれで済ませたいとこだ。
今度雪だるまみたいに着込んだ俺を見せてやろう
[呼ばれた猫は、イレーネに礼を言うようになぁ、と一鳴き。
それから、ととと、とこちらに駆けてくる。
相変わらず物言いたげな様子にほんの僅か、苦笑しながら広間を出る。
……廊下で、何やら取り込み中のように見えるのは、色々な意味でスルーする事にして、すたすたと階段の方へ。
こういう時だけは、早い]
─ →玄関付近─
……と。
相変わらずというか、精が出ますねぇ。
[階段へと向かう道すがら、エーリッヒの様子に気づいたなら、感心したような呆れたような口調でこんな事を呟いたり]
色々は色々。外に出るんだろ?
ならそのときまでのお楽しみ。ま、水と人間に注意してればどうにかなるって
[イレーネのジト目にもめげません。
やはりか曖昧な助言をするのであった]
―広間―
それでもここが貴女の故郷。
[それは母の口癖だった]
外にも素敵なものはあるけれど、この村にだって沢山ある。
嫌いと言われてしまうと哀しいわ。
ねえ?
[抱き壊されるかと不安げなフォルカーの様子に、勘違いも含めて同意を求めるよう微笑んで言った]
[一瞬某レスラーが頭を過ぎったのは気の所為だったに違いない]
…必勝祈願?
なんだ、試験でも受けるのかい。
[ダーヴィッド本人からの返答に片眉を上げた。
ところで同僚のツッコミが入る]
ハァ、なるほどね。
…流石の阿呆の子にも堪えたワケか。
[さり気なく酷い言葉を交えつつ、それでもいい気分はしないのか、女の声のトーンは落ちる]
[仕事を続けるエーリッヒにひらと手を振って、階段を上ろうとして。
下に新たに見えたのは、天文学者を名乗る男の姿]
……。
[彼も上にくるのだろうかとかそんな事を考えながら、とりあえず無言で階段を上る]
んー…イレーネも可愛いけど。
フォルカーはなんていうか…癒し系?
[いや、モフるとかむしろ小動物扱いだろう]
あはは、抱き壊すほど力はないでーっす。
ワインの大樽担いで運べる程度の腕力ならあるけど。
[エリザベートに言われれば、楽しそうに笑顔でそんな事を言う。
酒場で働いていて、かつ他に力仕事の出来る人がいないので、必然的に腕力もつくだろう]
……外、かぁ。
興味はあるけど、父さん一人残しても行けないしねえ。
お嫁に行くとかならともかく、それでも父さんが持参品になりそうな気がするー。
―広間―
ああ、いえ。ごめんなさい。
外からいらした方だわと思って。
[頬を擦るハインリヒに、不躾だったかと小さく謝り]
お話したことはまだありませんでしたね。
エリザベートと言います。
皆はエルザと呼びますから、よろしければそちらで。
[相手の名前も知らなかった。
会釈をすると軽く首を傾げてみる]
見た目の割りに、は余計だっつーの。
[ユリアンの声にエルザへ向けていた視線を上げてつっこむ。
もちろん、笑いながら]
ったく…おっちゃんじゃなくてお兄さんと呼べって、言ってるだろ?
[あからさまに眉間に皺を寄せ、口にしたのは明らかな冗談]
[ハインリヒの声に言い訳をする余裕はないけれど、イレーネとの話題にあがった彼にちらと向けた視線は、なんとなく申し訳なくて逸れてしまった]
お祖父さまは好きにすればいいって言うし、……母さまの生まれた場所、見てみたい……村の外には、たくさんのものがある………土の中に眠る石も、遠い空で見る星も………あるのも、わかる…けど……
………僕……は、…父さまの息子だから。
[葛藤の滲む声音も、最後は、たったひとつの理由に落ち込んだ]
レーネ……、
でも、レーネ、ギュン爺さま嫌いじゃない、
[よね、と。
終わりはいつものように、殆ど消えてしまう]
―集会場・玄関前―
[売り上げの確認が終り、荷物の整理をしていたところで声がかかる]
オトフか、俺の商売楽しみにしてくれれる人もいるしな。
こんなところまで、わざわざ足運んできてくれるような人のためにもな。
[事実ここでの商売はさほどの儲けにはなっていなかった。]
ああ、そうだ、これやるよ。
売れ残ったからな。
[万年筆を差し出して]
俺持ってても使わないし、学者さんなら色々と使う機会もあるだろう?
─広間・暖炉傍─
……ユリさん助言したいのかしたくないのかどっちかにして。
[この程度ではめげないのは分かっていたけれど。ユリアンに向けられるのはやはり、ジト目。諦めた様子で視線はユリアンから外れる]
故郷でも、それだけだ。
[エリザベートに返すのは、淡々としたもの。人生経験が浅いが故に、見えるものでしか判断出来ず。故郷の大切さが分からない]
とにかく、ボクはこの村から出たいんだ。
こんな閉ざされたような場所で一生を過ごすなんて嫌だよ。
―二階―
[適当に廊下を歩きながら、時にドアを開けたり閉めたりして部屋を物色している]
階段に近い所は駄目、と……。
やっぱり奥かねえ。声が響いたりすると迷惑だろうし。
[一応聖職者をやっていた者の意地として、夜の祈りは欠かしたことはなかった。
声はそこまで大きな方ではないとは思っているが――万が一の事もある。なるべく奥の部屋をとるべきだろうかと、足はやがて廊下の奥へと]
……星ほど。
[あんまりと言えばあんまりなユリアンの喩え>>365に、少年の口があんぐり開いた。広間を出て行く面々の見送りすら忘れている]
ユリにい……その労力、他に使うべきだと………思う。
[ふるふると小刻みに首を振りながらの台詞は、窘める目的より、怖いから嫌、が大きい]
あんまり着込みすぎると、転んで、ほんとうに雪だるまになる、よ。
…………ぇえと、ぁの、僕、ちょっと用事、が。
[半ば逃れる口実ではあれど、用があるのは本当。
ユリアンの腕を弱い力で掴んで、離してくれるようお願いした]
[ったくしょうのねえ奴だな、と笑ったまま呟いてエルザの方へと視線を戻す]
ああ、いや。そういう視線には慣れてるさ、気にしなくていい。
[僅かに苦笑交じりに謝る言葉を受け止めて]
エリザベート、か。
[名前を聞いて一瞬表情を曇らせたが]
じゃぁ、エルザさんって呼ばせてもらうよ。
俺はハインリヒ。
廃坑の調査に来たしがない学者のはしくれさ。
[首を傾げたエルザに簡潔に名乗った]
……はい。
[エルザの言>>368には、しっかりと頷いた]
冬の雪景色も、春に咲く花畑も、夏にそよぐ風も、秋に実る作物も……
この村にいるからこそ、感じられるものも、たくさん、あるから。
[そうまで言ってから、はた、と思い出したように瞬いて]
……………そうだ。
母が、また、エリザベートさんに織物お願いしたい、って言っていました。町のものも良いけれど、エリザベートさんの織るものが一番だ、って。
―広間―
十分に力持ちだと思うわ。
ユリアンと違ってそう壊さないと思うけれど。
[ローザには悪戯ぽく笑いながら言う]
別に、出るのを反対してるわけじゃないのよ。
[淡々と返してくるイレーネに再び苦笑した。
外を知っているわけではない。長い経験を積んだわけでもない。ただ、深く刷り込まれた意識。
けれど母譲りのそれは、外に憧れる少年少女には鬱陶しいものだったかもしれない]
─玄関前─
[階段を登るライヒアルトは、軽く視線を向けて一礼して見送った。
それから、返された言葉に微かに笑む]
なるほどね。
確かに、家の祖父母も昔は楽しみにしてたようですし。
[今は亡い二人の事を思い出し、ほんの一瞬細められる、翠]
……って。いいんですか、もらって。
それ、わりといい品じゃ?
[万年筆は愛用する日用品。自宅にも複数が眠っているほど。
増える事というか、増やす事もある意味では楽しみの一つなのだが。
さすがに、ぽん、と差し出されると、躊躇いもある]
そうだな。それぞれに長所がある。
だからそのときどきで適したほうを選んだほうがいいな
[なんていつのまにかローザとともにイレーネ、フォルカーむぎゅり論を述べたりして]
いやいや、だってどっちかっていうと攫いそうな感じだしー。
ハイン兄さんはそう思わせといていい人ぶって印象よくするっていう手腕だとしたら凄いものだ
[にははとこちら笑いながら明らかに冗談を口にする]
[いやしけい>>371。
やっぱりピンと来ないらしく、少年は首を傾げるばかりだった]
……大樽担げるって、じゅうぶん、凄いと思います。
[自分の腕に目を落とす。
ワインの詰まった樽なんて、小さなものでも運べない気がした]
―廊下―
[手加減を誤って同僚は、何かごきりと鈍い音を立てながら廊下に沈んでいった。他の団員が慌てて引っ張って救護室まで運んでいく。てめぇダーヴィッドいいかげんにしとけよと怒声が届いたが、このへんも何時ものこと。]
あ、め、面と向かって阿呆はないでしょう阿呆はー!
せめて陰口でお願いします。
[気にするココロがあるんだか無いんだか。
真顔で言うも、ヘルムートの沈んだトーンにむぅといったように口を尖らせた。]
俺だってその……前もって心の準備があったら多少違ってただろうけど。
ドアを開けたら爺さんが真っ赤でした、って状況は予想外もいいところだって…。見回りのついでの様子見のはずだったのに…。
[ただでさえ苦手なものを突然目に入れた時の事を――またうっかり思い出しかけてぶるぶるぶると顔を振った。]
[やがて最奥の部屋の扉を開くと、満足そうに頷き。
持っていた荷物をぽいと部屋に放り込んだ。
それから、もう此処には用は無いとして――すたすたと廊下を戻り。
再び階段の下に顔を出し、一階へと戻るのだった]
― →一階―
―広間―
ハインリヒさん。
坑道は閉鎖されて長いと思うけれど、何かありまして。
[一瞬曇った表情の意味は分からない。気付くか気付かないかのうちに消えてしまったのもあり、深く意識できなかった]
美しいものが沢山あるわよね。
あら。ええ喜んで。
今頼まれているのはゲルダの分だけだから、ここから帰ったらすぐにお伺いするわ。
[フォルカーの言葉に深く頷いて。
続いた話にも嬉しそうに頷いた]
─広間・暖炉傍─
[フォルカーの言わんとすることは直ぐに判った。それを振り切って外に出ることが出来ないと言うのも理解していた。理解していても、情けないと思ってしまうのは、自分が村を出る決意をしているためだろうか]
─── 一歩踏み出す勇気も無いの?
[眉根を寄せたまま、厳しめな表情でフォルカーを見詰める]
息子だから、何?
村長は代々家系で継いでいくものだって誰が決めた?
外では村の人の総意で村長を決めるところもあるって聞いた。
村長の息子だから外に出ちゃいけない?
そんなの、おかしいよ。
[最後はどこか寂しげな表情。直ぐに顔を伏せて、周りから表情を見えなくする]
………ボクを認めてくれないジジイは、嫌いだよ。
フォル、この鉱石ハインさんに返しても良いよね?
[ぽつりと零してから、掌で包んだままの布に包まれた石について訊ねた]
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