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―西殿個室―
[優しき夢の揺り籠。
だが現実はそう待ってくれはしない]
……。
[覚醒の瞬間はあどけなく、それこそ心竜の知る幼き頃のまま。
けれど起き上がり降り立てば、己の「失態」が降りかかる]
……私、は。
[恐怖に囚われて震える。
暫くそうしていた後、唐突に駆け出した。
対となる剣のことも心竜は気付いているようだとの話だった。ならばそちらはどうなったのだろうかと。
奪われた今、それを確かめられるのは水鏡のみ]
― →西殿中庭・噴水傍―
任せた、ってぇぇぇ!!??
[なんかいっぱい引き連れてるし!引き連れてるし!!
とりあえずヒュウと息を整えて、両の指先は銃の形に構える。]
Feuer!!
[解き放たれる、無数の焔の弾丸。]
もろいですか?
[不思議そうにダーヴィッドを見て]
もろいも何も、……普通の欠片では?
[首を傾げると、首飾りが軽く音をたてる。]
―現在・東殿個室―
[さまざまな考え事をしていたり、外の天気を気にしていたりしていると、
いつの間にか眠りの海へ浸ってしまっていたらしい。
ふるり、首を振るって起き上がると、何やら騒がしい気がした]
……今度は一体なんですか。
[渋い顔をしながらも、軽く身なりを整えて。
部屋を出ると、少し遠くに。翠樹の仔を抱えた命竜の姿が見えただろうか]
< 返答はないかと動き出そうとしたその時、寄る気配。
黒布を手繰り寄せる >
……アーベル殿。
< 呼ばれる名に応じて、呟くように返す >
御無事でしたか。
欠片が暴れているようですね。
それも、影に似て影に在らぬものとなって。
よっしゃあ!
[返事はとかく、勢いよく。
文字通りの疾風怒濤、吹き荒れ、駆けた。
……進路上のカケラがどうなるかは、まあ。
推して知るべし、ってことで]
機鋼竜 エーリッヒは、翠樹竜 ベアトリーチェ を投票先に選びました。
[バリバリと音を立て、紅い髪が逆立つ。
思い切り手に集めた力を、風へと乗せて解き放った。]
…お任せ、します。
[前に誰か居ないか、目を細めて確認をする。]
わーりぃわーりぃ。
俺のせいじゃないよ!
[一応 心話で 謝った!
事実なんだけどきっと聞いてはもらえない。嗚呼。]
[ホーミングする焔弾が砂のような欠片を焼き払って。
月闇の声に振り向く。]
…そうかな?案外楽に…って、俺つえーってな訳でもなさそうだが。
[はたと気づく。]
…月闇の。
その首飾り、何さ?
[昨日見たものに、似ている気がして。]
─東殿・回廊─
[エーリッヒと共に移動しながら、強まる風の気配を感じ取る]
…こりゃあ…。
ティルも暴れとるようじゃな。
と。
[右手を額に当ててやや顰めっ面。対たる属が東殿内で集まる気配を感じ取る。やれやれと溜息をついたところでにゅるりと目の前に垂れる蔓状の黒。うねりこちらに向かってくるそれを左手を振って弾き飛ばした。エーリッヒの目の前を横切ったかも]
あまり悠長にもしていられんな。
また囲まれる可能性があるぞい。
[そうエーリッヒに告げながら、感じ取れる対の気配を追うように足を速めた]
焔竜 ダーヴィッドは、月闇竜 オトフリート を能力(占う)の対象に選びました。
。
[一拍黙るのは、そもそもの原因を知らないというのと。
『ベアトリーチェを助けようとしたら追いかけてきた』とまさにその通り正解100%の事実を言うと、おいさんさらに悪人になりそうでこいつぁうっかりと思っている為。]
あー。
ナギ?
[疑問系とかよりうそ臭いのが。]
[風と雷と水の合体技による嵐が、東殿通路の中を荒れ狂う。
途中に、混沌のカケラは幾つも浮遊していたが、今の勢いを止めることは誰も出来ないだろう]
風の。
予想が確かならば、影のは、この混沌のカケラが一番密集しているところにいるはずですわぁ。
そこまで、連れて行ってくださいなぁ。
[風に巻かれ、空中をくるくると吹っ飛びながら、ナターリエがティルへと笑いながら言った]
雷のは、周りの注意を怠らないでくださいねぃ。
カケラはともかく、誰かに当たったらただでは済みませんからねぃ。
[言いながらもくるくる回る]
[ぷすぷすと煙を上げたり、ぐっしょり濡れた壁の中。
たっぷり力を解き放ち、どこか爽やかにすっきりした顔をして雷竜は風の残滓に髪を揺らしていた。]
…さて。
ザムエル殿を探しましょうか、ノーラ殿を探しましょうか。
あぁ、そういえば、ナターリエ殿は白だって昨日食堂でダーヴィット殿がおっしゃってました。
[ふと思い出し、本人の目の前で告げてみた。]
―東殿/回廊―
[黒布を手繰る指に視線を向けながら、呼ばれた名に頷く]
えぇ、随分と騒ぎになっているようです。
混沌の欠片も雷雨が怖いとも思えませんが。
[室内に多く現れた欠片を揶揄してから、影輝竜の髪に隠れた右頬に視線を流した]
影に似て影に在らぬもの。
あなたのようですね。
[口元に浮かぶ笑みは穏やかなもの]
―― 東殿・回廊 ――
[ぼうっと、外を見ながら歩いていると、目の前を、黒い欠片がびゅんっとすっ飛んでいった]
わわ!
[目をぱちくり]
わ、わかりました。
[言われた言葉に頷いて、足を早めた]
…注意はしますけれど、これだけ伝わる物が多いと、制御しきれるとは言い切れませんねぇ。
[どこかのんびりとした声を、ナターリエに返す。
これだけ密集した霧が立ち込めれば、勝手に走って少々何かを破壊してしまう雷もきっと。]
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