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―ギュンターの屋敷・広間―
[黒猫との接触を試みていると、なにやら驚いたような、そして知っている声が聞こえて顔を上げ。そうして、姿を確認すると、その懐かしい姿に笑みが零れた。>>25]
イヴァンか?
そうそう、俺だよ。
いやぁ、本当に懐かしいっていうか、久しぶり。
ギュンターさんはご自分の部屋かもしれないな。
[仕事柄身についた丁寧な物言いも、旧知の相手であればすぐに崩れて昔の口調に戻る。
何よりこの村の人間の前で「私」というのは少し気恥ずかしい。
そうして、黒猫に声をかけるのにもう一度イヴァンを見て]
大工仕事の音が聞こえてたの、イヴァンだったのかい?
おじさんは一緒に来ていないの?
[なんて尋ねてみる。
相変わらず手は黒猫に向かって伸びたままだったけれど。**]
─ ギュンターの屋敷・広間 ─
うわ、マジでオトフリートだ、久し振りだなー!
今まで何してたんだよお前。
今日帰って来たのか?
[笑みと共に返された肯定>>26に破顔しながら、扉から顔を覗かせた状態から身体を部屋の中へと滑り込ませ、オトフリートへと近付いて行く。
矢継ぎ早に質問が飛ぶのは致し方ないこと]
あー、じっちゃん部屋か。
んじゃあ報告は後にするかな。
ん?
あぁ、俺がやってた。
親父は別んとこの修理に行ってるよ。
この時期は冬支度のために引く手数多でなー。
[作業音について問われると、自慢げににかっと笑ってみせる。
大工になって早10年。
父親にはまだまだだと言われることが多いが、仕事は丁寧に行っている心算だ]
いやーホント懐かしい。
出てってからどうしてんだろう、ってずっと心配してたんだぜ。
元気な姿見れて安心したよ。
[ホッとするように短く息を吐いてイヴァンは笑みを浮かべる。
楽団へ入った話などの途中経過を、彼の養い親から聞いたことなど一度もなかった**]
[呼ばれた猫は、差し伸べられた手>>22をじぃ、と見てしばし、思案するよに尾を揺らす。
その内、こちらは見知った者がやって来て、親し気に話しかける様子>>25に警戒を緩めたのか、とてとて、そちらに近づきにぃ、と一鳴き。
撫でる手はそのまま受け入れた]
─ 厨房 ─
……ってーと。
焼けるまでの間にお茶も沸かさないと、っと。
来てるお客さんのお茶も新しくした方がいいだろうし……。
[言いながら、食器棚を開けて使われているポットを確かめる]
あー、やっぱ少人数用か。
じっちゃんがやるとこうだからなぁ……大きいのに替えとこっと。
[なんて呑気に言いながら、てきぱきと動いて行く]
……っかし、さっむいなぁ。
[その最中。ぼやきが落ちるのは隙間風のせい。*]
―ギュンターの屋敷・広間―
あの時は何も言わないで出て行ってごめんな。
音楽の仕事目指して町に行ったけど、失敗した時が怖いから黙ってたんだ。
ちょうどさっき帰ってきたところ。
と言っても、仕事があるから数日だけだけど。
[ぽんぽんと投げられる質問>>27は予想していたから、返す言葉は苦笑混じり。
心配させていたかと思えば、やっぱりどこか申し訳ないと思ってしまうけれど、不用意に深く突っ込んでこないところに、彼らしいなと思うのもやはりどこか懐かしかった。
そうして、先ほどの仕事を一人でしていたと聞いて、素直に驚きを顔に出す。]
イヴァンが一人で?
そうかぁ、昔から仕事に関しては特に真面目だったもんな。
おじさんに会えなかったのは残念だけど、確かに冬支度で忙しい時期か。
村にいる間に挨拶に行くって、帰ったら伝えておいてくれる?
[仕事が終わったなら一休みの後で家に帰るだろうと、伝言を一つ頼んでみる。
親と上手く行っていない男にとって、彼ら親子はどこか憧れのような物でもあったから。]
一度も連絡しなかったもんなぁ。ほんとごめん。
今は、町の楽団に混ぜてもらって、あちこち演奏して回ってるんだ。
病気とかはしてないから大丈夫だよ。
[簡単に今何をしているかを伝えて、傍らにおいた楽器ケースを見せて、ほっとした様子>>28のイヴァンに笑みを返す。
あの人たちのことだから、男の事などそうそう話題にすることはないだろうということはわかっていたし、昔世話になった人には報告にいくつもりでいた。
こうしてイヴァンに話したことで、彼から他の村人にも話しは伝わっていく事を少し期待して。
話している間に警戒が薄くなったのか、近寄ってきた黒猫>>29を撫でて毛並みなどを密かに堪能する。
もふもふは正義、と心の中で思っていたとかいないとか。*]
─ 厨房 ─
[あれこれと動き回りつつ、ふと、外を見る。
窓の向こうに見えるのは氷の堤。
わざわざこれを見にやって来る者もいるという、自然の造詣]
そーいや、あの歌い手さんもこれ見に来たって言ってたっけ。
[数日前から滞在している旅の歌い手。
噂に聞く光景を見たい、とはしゃいでいたが、物心ついた時から見続けてきた身にはあまり新鮮さはなくて]
そーいや、また寒い、ってこもってんのかなあ?
薪、足りてるか聞いてこないと。
[なんて、あれやこれやとやる事を積み上げて行くうちに、オーブンの中では綺麗な焼き色が生み出されて行く。
その焼き加減を確かめつつ、大き目のポットに紅茶、多目のカップを用意して。
焼き上がったパイと一緒にワゴンに乗せて、広間へと移動開始]
─ ギュンターの屋敷・広間 ─
よいしょっと、お邪魔しまーす。
[広間の扉を押し開け、軽く呼びかけながら中へと入る。
大人しく撫でられていた黒猫が、声に反応するようににぃ、と一声鳴いた]
あー、ここにいたのかモリオン。
っと、イヴァンにーさんも。
お茶とお菓子、用意できたよー。
[軽い口調で呼びかける。
10年前は今とは比べ物にならないくらい大人しかった少年と、今の姿は容易に結びつかないかも知れない。*]
―ギュンターの屋敷・広間―
[イヴァンと話しながら黒猫の毛並みを堪能していると、ワゴンと共に現れた姿>>34に顔を上げる。
掛けられた言葉と黒猫がそちらを伺って鳴く様子に飼い主なのだろうとすぐに気付いて。]
お茶ですか、ありがとうございま…
あ、れ?
[見知った顔のようではあるけれどどこか雰囲気が違った気がした。
十年と言えば子供が大人になる頃だ、だから外見が変わっているのはわかるけれど、名前が一致するまで少しの間が空いた。]
え、っと
もしかして、君……
[誰、とは訊かない。ただ、覚えている姿とはやっぱり雰囲気が違っていたから。
確認に見せかけた問い掛けを一つ。**]
─ ギュンターの屋敷・広間 ─
[呼びかけに、こちらを向いた客人は、どうやら自分を知っているようで。
あれ? と思いながら首を傾げた]
えーと……俺、エーファですけど。
あれ、前にも来た事ありましたっけ?
[年の差はあるし、昔は進んで人と関わる事もなかったから、すぐに誰とは出てこない。
だから、前にも来た人かな、なんて思いながら名を告げる。
ちゃんと挨拶を、と言われた事は、見事に記憶から飛んでいた。**]
―ギュンターの屋敷・広間―
[村を出た理由に納得の言葉>>37が返ったならやはり笑って]
うちの親は反対してたからね。
家にいたんじゃ本当に触れることさえ出来なかったからさ。
[唯一の味方だった祖父が亡くなったこともきっかけではあるけれど、それは言う必要はないと胸の内にしまう。
仕事について感心を向けたなら、それはとても良い笑顔が返ってきた。]
十年、って事は、俺が出て行ってすぐなんだな。
おじさんも仕事には厳しかったと思うけど、そのおじさんが仕事を任せるんだからやっぱり凄いと思うよ。
ありがとう、よろしく頼むね。
[快く伝言を引き受けてくれたことに礼を言って、笑う。]
誰にも理由言わなかったから、上手く行かなかったら帰って来辛かっただろうな。
それなりに夢が叶ってきたからこうしていられるしね。
[音楽で収入を得る事が出来ている、それを聞いたら両親はどんな顔をするだろう]
ん、いいよ、俺の音でよかったらいくらでも。
毎日少しでも弾いた方がいいし、聴いてもらえたら嬉しいから。
[演奏を、と言われたなら>>38二つ返事で引き受ける。
そうして、ワゴンを運んできた姿に声を掛け、頼まれているらしい勝手口へと向かうのを見送る。]
本当に、一人前の大工になったんだな、イヴァン。
[十年と言う月日はやっぱり長いと、昔馴染みを見て思う。
その長さは、ワゴンを運んできた彼>>34にも言えることだったか、こちらが声をかけるのに不思議そうに首を傾げて自分の名を告げた。>>36
その名前にやはり覚えがあって、少し考えて]
エーファ、って、フィクスシュテルンさんの所の……?
確か、ギュンターさんのお孫さん、だっけ?
[ぽつぽつと思い当たる事を口にして見るけれど自信が無かった。
向こうがこちらを覚えていないのは、男がすぐに思い出せなかったことを考えれば自然な事と受け止めた。
彼との歳の差もあるけれど、男自身もそう付き合いが広いほうではなかったから。]
前にも、って言うか、十年前までこの村に住んでたんだ。
俺も大人しい方だったから覚えて無くても仕方がないかな。
ん、と……雑貨屋のベッカーのところの、オトフリートだよ。
[そんな風に自分の身元を明かしてエーファを見る。
実家のことはあまり触れたく無いけれど、今回ばかりは仕方がない。*]
/*
うむ……プロでの隔離イベントはこの状況だと厳しいかなぁ
オトちゃんの実家は雑貨屋になりました(考えてなかった模様)
雑貨屋の店主はギルバートじゃない……多分。(世界が違います)
─ ギュンターの屋敷・広間 ─
あ、はーい、行ってらっしゃーい。
[すぐ戻る、というイヴァン>>38は元気にお見送りして。
それから、自分の名を聞いて、考える素振りを見せる人>>40をじぃ、と見た]
あ、うん、そうだよ。
今は、いろいろあってじっちゃんと暮らしてるけど。
[確かめるような問いかけ>>41に、こくん、と一つ頷き。
続けられた名乗りに二、三度瞬いた]
あー……十年前。
その頃は俺、特に籠ってたからなあ……。
[色々あって引きこもりになっていたのが丁度その頃で。
だから、彼の旅立ちの事も知らないままでいた、けれど]
んでも、名前は覚えてる……か、な。
と、なると、挨拶は初めましてじゃなくて、お帰りなさいの方がいいのかな?
[彼と実家の関係などは知らぬから、呑気な口調でう言った。*]
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