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[>>*9こちらの答えに、合ってると笑うコエ。
落ち着いてくれば、それは確かに自分の知るイヴァンのものだと解った。
わからない現状ではあるけれど、子供の頃から肝が据わっているイヴァンとならば大丈夫に思えてきて。
けれど、続き問いかけた答えは、大丈夫とは言い難いものだった]
…そんな。
じゃあ、暫く橋は渡れない、のね。
[橋自体の架け替えは滞りなく済むだろう、とはこちらも分かっている。
見知らぬ人も居るが、此処には知己が居るのだから不安に思うことも無いはずだ。
なのに、どうしてか分からないけれど──閉じ込められた、という意識が不安を感じずにいられなくて。
実際に氷の堤に壊された橋を見にいったのは、矢も楯もたまらなかったから**]
/*
業務連絡ありがとうございますー
正直ノープランなので、動いていただけるなら助かります。
こちらも今夜はこれでお休みなさいしますねノシ**
―翌朝―
[顔を点き合わせてみたところで橋が壊れたと言う事実はやはり変わらず。
昔馴染みを「さん」付けで呼んだのは、困惑半分と寝起き半分だが当人はそれと気付かぬまま]
この村に腕のいい大工さんがいたことに感謝するよ。
きっとおじさんならすぐに何とかしてくれるよね。
[多少落ち着いたか口調は普段の物へと戻り、イヴァンの信念の籠もった言葉>>15に頷く]
みんなにも言っておくよ。
焦ってもいいことはないしね。
[冬の湖に落ちる事がどれほど危険かもいつもの皆なら承知のはずだけれど、念を押して置くに越した事はないから、その件についても承知して]
[やっぱり、と声を零し首を傾げるエーファ>>17には]
あぁ、ほら、大きな声が聞こえたからさ。
こんな時間に起きて外の様子を見に行くのは君だろうと思ったから。
[そんな風に声をかける。
決まり悪そうな声を上げ、朝食の準備をと屋内に戻るのに]
こんな時こそいつもどおりの温かい食事が大事だね。
おいしいの期待してるよ。
[と見送って、残ったイヴァンもあの声で起きたんだなと呟きから察する>>18
薪の用意をすると言う彼に]
力仕事は任せた!
俺でも出来る事があったらいつでも言って。
[と作業を任せやはり見送ると、もう一度橋を見て一つ息を吐いた]
[さて、戻ろうかと思った矢先、背後から声>>22が聞こえて振り返る]
あ……カルメン、おはよう。
そう、橋。壊れたってさ。
でも大丈夫、すぐに向こうも気付いて直してくれる。
だから、今は落ち着いて?
[呆然とした様子のカルメンに声をかけ、簡単に状況を説明する。]
そうだね、皆にも知らせないと。
それに、いつまでもここじゃ冷えてしまう。
エーファが朝ご飯を作ってくれるっていうから中に入ろう?
[皆に、と呟くカルメンに頷き、中に入ろうと促す。
焦っていても仕方がない。
橋は落ちて、ここは孤立してしまったのだから。**]
─ 回想・広間にて ─
[楽譜を脇に置いた>>0:20男から声をかけられ、
「覚えてないかもしれないけど、雑貨屋の息子のオトフリートだよ」>>0:165
と自己紹介されると、
思いがけない再会にユリアンは目を丸くする。]
え……と、確か……村を出て行った?
[顔にはさっぱり見覚えがないけれども、
雑貨屋を営む家に、兄より少し年上の子どもがいたという話は聞いたことがある。
なさぬ仲の両親>>0:21に反発し、村を出ていってしまったと。]
ご無沙汰しています、が……。
戻ってこられたんですか?
[狭い村のこととて、家庭内の事情も大概筒抜けだ。
兄の口調は世代の近いオトフリートに同情的だった。]
[黒猫のモリオンに小さく手を振っていた>>0:166オトフリートは、ユリアンの顔つきに気づいたらしく、
「何か気になることでもあるのかい?」>>0:166
と問いかけてきた。]
ああ、いえ……。
[気になることはある。
けれども、初対面に近い相手に伝えてどうするとも思え、ユリアンは曖昧に微笑んで俯く。]
氷の堤を見に来る町のひとも多いですからね……。
[「ご家族は元気なのかな?」>>0:166
続けられた問いには頷いて。]
兄も母も町へ移りましたが、おかげさまで元気ですよ。
[その後、会話が途切れれば、カルメンに声をかける彼>>0:167を見送るだろう。]**
─ 回想・広間にて ─
[華やかな雰囲気の女性が広間へ入ってくる>>8と、合わせたわけでもないのに、皆の視線はそちらへ向いただろう。
「カルメンって……あの?」>>0:167
と声をかけるオトフリートとは年齢も近いし、子どものころ親しかったのかもしれないと、ユリアンは勝手に解釈して。
村では数少ない若い女性。
しかも、着飾らなくとも目立つ容姿だ。
ユリアンとしては、第一の顧客になって欲しかった、のだけれども。
エーファに話しかける>>9カルメンから視線を外し、傍らの愛犬へ手を伸ばす。
その黒い毛を撫でながら、誰にも聞こえない声でつぶやいた、]
残念……。
[仕立て屋を仕事としてやっていけるかどうかわからず、意気込んでいた時期だった。
婚約の噂を雑貨屋の客のおしゃべりで聞き込むと、確かめもせずに彼女の屋敷へ向かったのだ。]
[資産家夫妻の迷惑そうな表情も、まだ公にしたくないだけだろうと軽く受け取ってしまい。
たぶん、あの時点で夫妻は娘の婚約を快く思っていなかったのだ。
カルメンの両親をこの村から離れ>>12させた原因が、自分の売り込みにあったことは知らない。
しかし、その後の相手の対応から、何か気まずい事情があったのだろうとは察している。]
ほんとう、残念だよ……。
[頭の中で思い描いたウェディングドレスのデザインを、この手で形にしてみたかった。
そして、彼女に着てほしかった。
窓の外に視線を向け>>11、何か考えているらしいカルメンをちらちらと意識しながら、ユリアンはため息をこぼす。]**
─ 翌日 ─
[ときおり咳き込みながら寝台で震えていたが、断続的には眠っていたようだ。
朝、騒ぎになっている声>>0:175、>>0:179、>>1はなんとなく聞こえていた。
寒気と寝不足と咳でぼんやりする頭では、それが何を意味するかまで考えられず。
休んでいれば少しは回復するだろうとの淡い期待から、そのまま寝具を被って横になっていた。
うとうとしていたのは、数十分か数時間か。
ふと気が付くと、鎧戸とカーテンを閉めたままの窓は暗いままで。
廊下の足音を聞きつけたビルケが、短く鳴いて知らせたのはノック>>21とほぼ同時。]
あ……、朝…だよね…。
[ユリアンはのろのろと起き上がり、馬布のコートを寝間着の上に羽織って扉を開ける。]
[イヴァンと顔を合わせれば、]
風邪を、引いた、みたいで……。
[掠れた声でそう伝えた。
エーファに薬をもらっても、その日は客室にこもって安静にしておくだろう。
誰かが様子を見に来れば、扉を開けて少し対応するかもしれない。]**
仕立て屋 ユリアンが「時間を進める」を選択しました。
─ 橋が壊れた日の夜更け ─
[心配事など何一つないはずなのに、イヴァンはその日の夜、寝付けずにベッドの上で寝返りを続けていた]
……ぅ……
[借りた客室の中だけで零れる声。
魘されているかに思えるそれは、けれどイヴァンの意識はきちんとそこにあって。
やがてゆらりと上半身を起こし、右手で額を押さえた]
…なん、だ……?
[身体や心がざわざわと落ち着かない。
冬だというのに汗が噴き出て、部屋が随分と暑く感じた。
ベッドを下りると、空気を入れ替えるために窓へと近付き、カーテンを開け片方の窓だけを開く。
ひんやりとした空気が通るのを感じ、一つ息を吐いたところでそれは起きた]
ぐっ…!?
[ぐるん、と視界が回転するような感覚を受け、身体がミシミシと変化して行くのを感じる。
何が起きているのか、と思うよりも早く、変化の起きたイヴァンの身体は窓縁を蹴り、外へと飛び出していた]
[空には真っ赤な月。
湖に作られた白い堤が月明かりで赤く染まっている。
紅い光が降り注ぐ中、真白の雪に降り立ったのは漆黒の獣だった。
その中で、金色の目だけが爛々と輝いている]
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