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[考えているうちに小鍋が沸騰し始めた。
ユリアンがビルケ用の木の容器を取り出すと、敷物の上の犬はもう待ちきれない様子だ。
魚の骨を取るのには時間がかかるので、煮えてくたりとなった野菜の上に、煮汁だけを掬いかけた。
一旦座らせて、]
伏せ。
……よし!
[号令をかけると、ビルケは忠実に反応する。
若いころのような俊敏さはまるでないけれども。
老犬の食事の様子をしばらく眺めていたが、ふと視線を伸ばすと、
窓の外にエーファ>>2:122らしき人影が見えた。
庭園>>0:4のほうへ歩いて行くようだ。
ビルケにここで待つよう指示し、ユリアンは勝手口へ向かう。]*
―庭園―
[庭園はすっかり雪に覆われ>>0:4ていた。
その一角に薔薇の植え込みがあるようで、雪の中でも緑を失わない葉>>0:4の色が、
近づくユリアンにも見て取れた。
冷たい風>>2:122に乗って、エーファの歌声>>2:123が届く。
ユリアンは足を止めた。
彼の孤独をかいま見た気がして。]
(声をかけないほうがいい、かな………)
[エーファにとっては勝手知ったる自宅であり、上着を着込んで>>2:121もいるので、自分のように風邪を引かないだろう。
そう思っても立ち去り難く、ユリアンはエーファの背中を見つめた。
薔薇の枝>>2:122に話しかけているのだろうが、内容は断片的にしか聞き取れない。]
[エーファが振り向けば、その腕の中に黒猫の姿を認め、]
……あのっ……、ごめん、厨房を借りたよ。
今ビルケがいるんだ。
[思わず、そんなことを口走っただろう。]
いや、ええと、言いたいのはそうじゃなくて。
姿が見えたから……心配になって。
ぼくも父を亡くしているので……。
ずいぶん前だけれど。
……だから、全部わかるわけじゃない、にしても……、
少しは、エーファの気持ちがわかると思う。
[精一杯の言葉を伝えると、身を翻した。]*
[つぶやいて考え込む。
熱のせいか寝込んでいたせいか、人物と時系列をとんでもなく勘違いしていたことに気づいて。]
彼は歌い手じゃない…順番がおかしい…。
[月下の演奏会があり、翌日木橋が壊れた。
ユリアンは見ていないが、さらに翌日歌い手の遺体が発見されたという。
ギュンターの話はその後だ。]
……夢とごっちゃになっていた?
[1日じゅう浅い眠りを繰り返し、何度も怖い夢を見た。
満月に照らされた青い雪と、雪の上の黒い血。
そして横たわる無残な死体を何度も。
夢の中の死体の顔は歌い手ではなく、彼だったように思える。]
― 1階廊下→2階廊下 ―
[あれ以降、姿を見ていない彼がどうにも気になった。
部屋がどこかは知らないけれども。
階段へ向かおうとすると、広間から出てきたイヴァン>>2:127とオトフリート>>2:134の姿が見えた。
階段を上がっていく彼らに、かなり遅れてついていく。
振り向かなかければ、ユリアンがいることには気づかれなかったかもしれない。
2階の一室へ声をかけ>>2:134、>>0入っていくのを見て、そこが見知らぬ男の寝泊まりしていた部屋だと知った。
ひとの顔も、時系列も、悪夢と混同してしまうような自分だが、イヴァンもオトフリートも似た考えに行き着いたのだろう。
しかし、大丈夫だろうかと不安になる。
見知らぬ男は人狼かもしれない。
歌い手を殺し、ギュンターを殺した……。
遠目には、誰かが武器らしきものを持っているようには思えなかった。]
[筋肉の痙攣と、男の体重が、裁ちばさみを握るユリアンの手に伝わってくる。
男は何か言っただろうか。
言ったとしても、ユリアンには聞き取れなかった。]
仕立て屋 ユリアンが「時間を進める」を選択しました。
─ 庭園 ─
……あれ……?
[ふと感じた人の気配>>11に振り返る]
ユリさん……。
[どしたの、と。
問うより先に返された言葉>>12に、蒼の瞳が瞬いた]
あ……いいよ、それは。
ごはん、大事だし。
[そう、返すか返さないかという所で綴られた言葉。
蒼がまた、瞬く]
……ユリさん。
[そういえば、と。
思い返すのは、祖父の部屋での事。
呆然とした自分に色々と言葉をかけてくれたっけ、と]
ん……あり、がと。
[抱えている感情は、自分でも上手く表せないものだけれど。
精一杯、という感じで綴られるそれは、ほんの少しだけ、張りつめていたものを溶かしてくれたから。
そっと告げた短い言葉は、届いたか。
ともあれ、少年は小さく息を吐いて黒猫を抱き締める]
……凹んでばっかじゃ、いらんない、かな。
[小さな呟きに猫がにぃ、と鳴く。
内に響いた言葉。
それをくれた者に無意識、力が向かう事には未だに気付けていない少年は小さく息を吐き]
……あれ?
[いつの間にか、広間の人影が減っている事に気づいて惚けた声を上げていた。**]
― 2階・ゼルギウスの部屋 ―
[殴ったわけでも蹴ったわけでもなく、
ただ、
揉み合うふたりの間に割って入った。
――それだけの、つもりだったのに。]
[ユリアンの脳は次々に起きたできごとを処理できない。
傍目にはぼんやりしているように見えただろう。]
…………。
[無言で手元を見つめていた。
男の左胸にしかと突き刺さった裁ちばさみを。]
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