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職人見習い ユリアンが「時間を進める」を選択しました
−果樹園−
[眉を顰めた表情のまま]
[拳を握る]
[片側の青の眼差しを][雷撃の精へと投げて]
……、…………どうする?
[それは如何様な意味を持つ問いだったか。]
…お前っ!!
[まだ、データリンク用のコードを数本残したまま、
欲しい侭に手を伸ばす幼子の渇望を聞く。
…その向こうにうっすらと、誰かの意志の混ざる様も。]
欲しいからって取って良いってもんじゃn…
[詰め寄ろうとして、ゆがむ視界。
伝わる意志は、不快、拒絶、排除。]
[どうして邪魔をするのか]
[どうして欲してはいけないのか]
[己が本能のままに動く竜にはわからず]
[己とは、誰だ?]
[塵のように霧散し、気が付くとまたさっきの場所。]
…あんのガキっ!!
[身を起こすと、見覚えのある簡易結界。]
─廃棄エリア・第二集積所─
…………昨日、ハインリヒが言ったこと。
「お前が探していたものを、機鋼竜が与えてくれるとでも言うのか」
……うん。まさしく、それ。
ずっと探してたアイツ。私の故郷を消したアイツ。そして、私の右腕を持っていったアイツ。その居場所を機鋼竜が教えてくれるって言うんだ。
みんなを送ってるのは、機鋼竜が欲するから。ギブアンドテイクの関係。だからこれはビジネス。ちゃんとした契約の元でのね。
[一気に説明。なお肝心なところ数点を暈しているのは、これもまた契約という考えの下。]
―果樹園―
[目前で消えた、大切な(そう大切だった)生命の娘…最後まで他者を気遣った翼持つ猫…目眩がするのは、傷のせいではないだろう]
どうする、だって?
[青の眼差しを、鋼の瞳が受け止める。]
[けれど、浮かんだのは怒りではなく]
何故だ?
[哀しみに似た色を浮かべて、問う]
何のために、こんな方法を使う?
機鋼竜の為の力が欲しいなら、最初から、俺を連れていけば良かっただろう?
[奇しくも時空竜が言い当てた通り、機鋼竜にとって、尤も効率的なエネルギーとなるのは、純粋な雷撃の精である自分の力の筈で…そして、アーベルにはいくらでも、その機会があったというのに]
消えた。また。
[ポツリとハインリヒに答える。指の力をゆっくりと抜く]
ミリィさんには分かっているのかな。
今の気配はリディさん。
…ミリィさんのこと庇ってたけど、リディさんはそういう契約のようなものはしてなかったのかな。
いつもと変わらない。あの不思議な精霊のような気配だけだった。
もう一つのは私では掴みきれなかったけれど。
すぐそばで動いたよね。
[どこか淡々と確認する]
契約って何。
機鋼の竜は何を求めているの。
「……時空竜……また」
[短い、声。それに、そうか、と返しつつ、碧をぽふりと撫でて]
とにかく、戻ろう……ここ、護法天陣の外だし、色々と危険だ。
彼女も、ちゃんと休ませないとだし……な。
[そのためにどうするか、と考えて。
ふと目に入ったのは、白金の腕輪]
確か、これ……。
[機鋼王の託したそれは、刻を刻みし物。
……つまりは、彼にとって最も直接的に力を得られる、糧]
ちょっと、借りますよ、と。
[小さく呟いて、そう、と手を取り。
腕輪に軽く、唇を触れて]
消えてしまいました。
転送装置はこの中でも有効なのですね。
送るほうは実験中だったんだけどまだ結果が出ていないし・・・。
やっぱり一度戻りましょうか。
[首をかしげ、息をついている2人へと提案する]
[昨日の己の言葉は的を射ていたようで。ミリィが紡ぐ言葉を注意深く聞く]
やはり、か…。
じゃなきゃ、お前が協力するとは思えなかった。
…こんなの当たっても、嬉しか無いが。
機鋼竜が欲するは、俺らの力、か?
[外での騒ぎ。今は収束したようだが、その後になされていた会話の一部を思い出す。それは自分の恩人が紡いだ言葉だったか]
[そう言えば、その恩人の気配が無いような──]
フーッ フーッ…ふーっ…
[息を整える。
移動したほうが、とのユーディットの言葉に頷いた時、突然ダーヴィットが消え。]
……何故?
[浮かぶ色が、理解出来ず]
[拒絶ならば][否定ならば]
[まだ、わかっただろうに。]
邪魔者を消した、 それだけ。
[――本当に?]
それだけ?
[視界が狭まる…人の身を模した身体は、流れ出る赤に、確実に力を削られ、精霊たる力も、生命の娘との争いに消耗したままで]
……ん。何とか、いけるか。
[小さく呟き。受け止めた姿勢から、きちんと抱えなおす体勢に直しつつ、立ち上がる]
さて……それじゃ、一気に戻るとしますか。
だいぶ、騒がしいようだしな。
[残してきた白梟の伝える、広間の様子に低く呟いて。
肩に碧の獣を止まらせ、空間を渡る]
ちょ、ダーヴ…っ
どこやった!?
[竜から伸びるコードを引っ張って、眠る竜につめよる。
ブチブチ、と音がしてコードがいくつか切れた。]
[リディが、消えた]
[しかし恩人には普通の気配しかしなかったと、傍らの少女は言う]
…完全なる協力者ではない、のか…?
[ミリィを庇ったと言うことは、恩人もミリィが機鋼竜に協力していたことは知っていたはず。しかし、恩人は違う、らしい。ブリジットが言うように、契約をしていないということなのだろうか]
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