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―少し前・墓標前→今、集会所―
[戻ってきて何をしたかといえば、シャツの襟からいつもいい加減に結んでいたタイを外した。
細いそれをローザの墓標に撒きつけて、括る]
頼む、これが片付くまで、見ていてくれ。
[向けた言葉は亡くなった者たちへ。
―きっと、俺もそっちへ行くことになるから。
胸の裡でそう思いながら、手を胸にあてがって祈った。
どれくらいそうしていたのだろう。
急いで集会所へ戻って目にしたのは―力なく横たわったオトフリートとイレーネを盾にするエーリッヒの姿、で。
オトフリートがエーリッヒを責めたのだろうとは予想が出来た。
とにかく、このままではいけない、とポケットの中のナイフを握る]
フォルカー…
[フォルカーがイレーネをエーリッヒから引き剥がし、足を振り下ろすのに顔を顰めながら、なにかあれば手を出すつもりで身構えた]
[そしてゆっくりと音の激しい地を覗けば]
半端で嫌になるな
ぁあ…もういい加減に寝かせてくれ
[諦めたような言葉は小さくか細く]
フォルカーも、選ばれた子。だったんだろう
[ウェンデルの言葉に反応するように言う
選ばれたと聞けばいいものにも聞こえるそれは態のいい生贄だ]
―廊下―
[ローザの声がしていたら。
少しばかり肩の力が抜けてくれたかもしれない。
強いわ、なんて感想と共に]
……。
[そっと階段の方を指差した。
すぐに下ろしてしまったので、自分の身体と猫を見ているオトフリートは気づいたかどうか]
えらばれ、た?
[ユリアンの言葉に、彼を見て。
それからまた、フォルカーへと視線を戻す]
……選ばれた、って、何に、ですか?
あんな風に、なるなんて。
神学生 ウェンデルが「時間を進める」を選択しました。
―集会所・階段―
[声が聞こえて、目を上げた。
倒れた身体の横に、それと同じ形の存在が見えた]
…んの、
[途端に沸き上がる感情は様々あったけれど、その傍まで一足で降りた]
神学生 ウェンデルは、団長の孫 イレーネ を投票先に選びました。
―生前?一階・廊下―
[動こうとするかすかな意識、体はそれについていかず蹲るように、
肩に衝撃が走った気がする、痛みももうほとんど感じない。
それでもかけられた、負の感情の言葉だけははっきりと聞こえた気がした]
………
[言葉にならない、口ももううまく動かない。
こうしていると、小さいときのことを思い出す。
あの時も人のように扱われず、こうして暴力を振るわれ、抵抗もできず…。
違うのは、本当に自分が人じゃない何かだってことくらいか。
思うのはそんなこと。
ウェンデルの声が聞こえていれば、まだ少し思うことも違ったのかもしれないけど]
[――いなければ、と。
唇が紡ぐのは呪詛の如き怨みごと。
それなのに、奥底にある感情は愉悦に似て、神経は昂っていた。
幾度目かに蹴りつけて、荒く息を吐き出して足を引く。
反応が失われていたのは、いつからだったか。
血を大量に流した“人狼”は身動ぎもしない]
……………、 これで、
[終わったんだ、と少年は呟きを漏らす]
それは……
[脳にノイズが走る。顔を苦しげに顰める]
…神…じゃねぇの?
[結局出たのは伝承にもいわれるような事柄]
あんな風になるように魂に刻まれてるんだよ
―廊下―
[ハインリヒの後ろから、その光景を見て思わずつぶやいた後。
倒れているオトフリートとエーリッヒに視線を向け、すぐ傍のハインリヒを見上げて、首を傾げる。
己の胸元を、きゅ…と握り締めて。]
……ハインリヒさんが無事なら、あたしはそれでいいや。
[だから、どうか…傷つかないで。
そう祈るように呟いた。]
─集会場・階段─
[エルザの動きには、気づいていなかった。
意識は一時、入ってきたハインリヒの方に向いていたから。
戻る直前に聞いた、フォルカーとの諍い。
少年の今の様子。
過ぎる思いは複雑で、けれど、こうなっては見ているだけしかできないのもわかっていたから]
……もう少し、話せれば、よかったかな……。
[零れた呟きは小さなもの。
……声が聞こえ、気配をすぐ近くに感じたのは、その、直後か]
―台所―
[早く行けと頭は訴えるものの、足はなかなか先に進もうとはしない。
多分、怖いんだと思った。人狼を、その魂を見る事が。
それはいけないと、頭への痛みは訴える。]
とりあえず水飲んで…。落ち着こう俺。
[痛みに負けず、水をしっかり一杯飲み干してから階段の方へと向かった。]
―→階段付近―
[たどり着いた時には、フォルカーがエーリッヒを踏みつけて、少したった頃だった。]
神……が。
[ぽつり、と呟く。
止められなかった。
ただ見ていただけだった。
うそだ、と、小さく口にして、再びユリアンを見て、]
ユリアンさん?
大丈夫ですか…?
[苦しそうな顔に、心配そうな目を向ける]
……いろいろと、お詳しいんですね
[怖い]
[怖い]
[怖い]
[人狼と言う存在はこんなにも人を変えてしまうものなのか。自分だけでなく、周りの存在をも]
ボクは、どうしたら───。
[あんなフォルカーを見たくはない。自分が居なくなれば場は崩れる。けれど、それは獣の意識が許さない]
/*
ダーヴが。
なごむ。
というか、今回って。
双花と占霊、相方とほとんど接してないのね。
……いや、今回も、か。
[水面もそんな感じだったよなぁ、とかなんとか思ってみた]
―集会所―
――。
[正直、その変わりように驚いていた。
力を持つらしいと聞いていたフォルカーが人狼に対峙した時のそれに]
なんて、顔してやがる…
[自分が襲われたときも、あんな顔をしていただろうか、と。
それとも、それが力を持つもの達の性なのだろうかとも]
くっ。
[血塗れになるまで蹴り続けるフォルカーに、どこか常軌を逸した恐ろしさを見て
背中をひやりとしたものが走る。
ポケットの中で小さなナイフを握る手は、じとりと汗をかいていた]
[神といったが、神学生の彼には辛かったか。
だから声を発することなくこくりとだけ頷いて]
相変わらず半分ぐらいなら大丈夫だが
…あ、ああ。昔ちょっと色々あったのを思い出してな
―集会所・階段―
[周囲の様子は視界の外。
振り返った昔馴染の発する言葉すら聞いていたのか如何か]
…歯ァ、食いしばれッ!
[取り敢えず手近にあった感情を、怒りだということにした。
食いしばれと言っておきながら、間髪入れず拳を振るう。
所謂霊体である今、それが意味の無いことだったとしても]
[手を下ろした後はオトフリートから意識をそらして。
顔を顰めるユリアンが見えると少し眉が寄った。
けれど何もすることは出来ない。ウェンデルが気遣いながら会話するのを、心の中で小さく感謝しながら聞いていた]
[気分は最悪だった、色々と。
でも、それもしかたのないことなんだと諦めていて。
いつしかその思考も途切れていき―――
―――気付いた時には自分が肉体を持たぬものになった時、
ちょうどヘルムートがオトフリートに拳を振るってる姿が見えた]
あ……、
[周囲を探るように見て、まだ自分の身に起きた事を理解できないでいる]
[ヘルミーネの声が聞こえてくれば、瞬いてそちらを向いて。]
やっぱりヘルさんが旦那さんで、オトちゃんが奥さんだよね。
[うんうん、と。
現状を忘れたように一人で頷きながら呟くだろう]
[頷くのに、まぶたを伏せた。
しかし、首を振って、ユリアンをしっかりと見て]
それなら、休まないとダメですよ。
……辛そうです。
むかし。ですか。
[視線が少し泳ぐ。それから、窺うような目になって]
こういうこと、が?
……って、聞いても、良いですか?
─集会場・階段─
……て。
[怒声に続き、間髪いれずに振るわれた拳。
零体同士であれば、接する事は可能であるのか、拳は避ける間もなく綺麗に入る。
物理的な痛みはない、が。
精神的に、イロイロと痛かった]
……ってぇ……。
元、とはいえ、非力な病人に、何て事しやがるかなぁ……。
─ 一階廊下─
[身体がカタカタと震えていた。エーリッヒに捕まったからではない]
……フォ、ル……?
[呟きを漏らすフォルカーの名を呼ぶ。声も震えていた]
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