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─広間─
……何か煩いな。
[バタバタ言う二階の音に一度視線を向けるも、直ぐに止んだようで、僅か首を傾げる。視線を広間に戻すと、こちらを見て首を傾げ、頷くハインリヒに気付いた]
ハインさん、何かした?
[きょとりとした様子で首を傾げる。さっきまでのことなど全く覚えていない]
[どうした、とかの答えはなかった。
ぱらぱらと何か砕けたような気分を味わう。
よくわからないが。
多分、これが不純異性交遊なのだと、少年は理解した。
つまり 危険はもう 起きていたのだと!
この場合危険なのは誰か、というのをまったく理解はしていない]
――っ…!
[思いっきり逃げようとして、後ろに向かった。しかしそこにはユリアンがいる!]
……あー。
[固まった、ウェンデルの様子にため息一つ。
逆に冷静さが戻ってきて。
考えたのは、後が怖いなこれ、とかそんな事]
というか、ミーネ。
純真な青少年が惑うから。
いつまでも、遊んでるんじゃないって。
[突っ込み入れつつ、手を離させようと]
いや、どうしたもこうしたも、俺はお届けもの?
[ユエと、ついでに封筒を見せてみたところで、もしもウェンデルが駆け抜けようとでもしたなら慌ててのけぞり道を譲るだろう]
しかしまぁ、オト兄が〜
[別に何も起きてないだろう事はこちらはしっかりと思いつつの冗談であるが、ウェンデルにどう聞こえるかは知らない]
―一階:広間―
[目覚めたイレーネにおはようと声をかけ、飲み物を持って来てくれたエルザには少女の代わりに感謝を紡ぐ]
……暖炉の傍で寝るから、喉が渇くんだよ。
[窘めるような言を吐いた。
不思議そうなハインリヒには、イレーネと同じく疑問の表情]
―広間―
どうして俺が何かした事になる。
[イレーネが首を傾げるのに仏頂面になって]
そもそもなにかって、なんだ。
さんざ寝惚けていやがって…
[しょうのないやつだ、と腕を組んだ]
―二階・個室―
なんだ、つまらないな。
[聞きようによってはまた誤解を招くような事を言いながら、けれど手は素直に離す]
…あー、大丈夫大丈夫。
ちょっとからかってただけだから。
[肝心のウェンデルがきちんと理解してないとも知らず、ひらひらと手を振った]
―広間―
いや、そこのお嬢がそんなに寝起きが悪いのは意外だなと思ってさ。
[フォルカーの視線に肩をすくめ、仏頂面を解いて答えた]
[ちょっと涙目になったりしてる。
ユリアンが避けたので、猛ダッシュで部屋まで逃げようかと思ったが、
気になる一言を しっかり 誤解した]
――っ!
ふけつです……!!
[振り返って、オトフリートをギッと睨む。
とんだとばっちりだ]
─二階・個室─
[届け物、といわれた猫は、何やってんの、と言いたげな目を同居人に向けていたとか]
……そういう問題か、まったく……。
[手が離されると、は、と一つ息を吐いて、机に片手をつき]
……ユリくん。
君も君で、状況をややこしくしない。
[ぼそっと突っ込んだ]
いがい……
[小さく繰り返して、イレーネとハインリヒを交互に見た]
ん。
レーネ、しっかりしてる、もん……ね。
[確かに意外かもしれない、と納得の頷き]
…………寝起きのとき、近付くと、ときどき、こわい。
─広間─
……いつの間にか寝ちゃったんだから、不可抗力だよ。
[窘めるよなフォルカーの言葉には口を尖らせる。ハインリヒが仏頂面になる様子にはまたきょとり]
こっち見て首傾げてたのはハインさんじゃないか。
[それについて訊ねたのだと、訝しげな表情をした。自分が聞きたかった返答はフォルカーに対し返されたようで、それを聞いてまた縹色を瞬く]
……………。
[何か押し黙りました]
やっぱりオト兄が婿になるのはまだはやかったか
[とんだとばっちりを披露するウェンデルを思わず見送りつつ、からかっただけというヘルミーナに肩を竦め
ユエを解放する]
いやいや、でもなんだかあのままほうっておいたらどうなってたかわからないシーンにも見えたからね
[オトフリートの突っ込みに、悪びれもなく笑いながら答える]
……うん。よく寝てた、よね。
目、へいき?
[拗ねたような幼なじみに、へなり、と力の抜けた笑みを浮かべ、自らの目元を指差してみせる。泣いていたから、とは口にしなかったが。
押し黙る少女を横目に、食べかけのシュークリームに手を伸ばす。
ちらちらと視線を向ける様子は、動向を気にするためだけではなさそうだった]
[解放された猫はとことこ、悠然と。
足元に座り、なぁう、と鳴く様子は、ちょっと物言いたげかも知れない]
どうなっても何も、ようはじゃれてただけなんだから。
[主観と客観は違うもの、とはわかっていても、その辺りは主張せずにはおれなかった]
……まったく、こいつらは。
[心の奥、零れ落ちるのは嘆息]
人の気も知らんで、好き勝手いいやがって……っとに、もう。
―広間―
そうなのか…
なんだ、お嬢もかわいいとこ…いや、それはかわいくないな
[フォルカーが寝起きに近づくと時々怖いというのを聞き、軽く笑った。
押し黙ったイレーネを見て]
……ん?どうした?
別に寝惚けてフォルカーの事が好きだとか言ってないから安心しろ。
[そう言って涼しい顔でカップのお茶を口へ]
まあそうなんだろうけども、だからいつまでたっても嫁…ってのは聞き飽きたか
[言おうとした言葉は毎度同じすぎて芸がないので途中でやめて]
そういや、ウェンデルにも届け物あったんだった
…ウェンデルの部屋どこだぁぁ
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