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[唄が聞こえる。少女は髪を揺らして、くるり回る。
足はふらつくことなく、優美な弧を描いて裾が花開く]
……きれいぃ…
[魅せられたものに近しい唄に、少女は華やかに笑んで踊る]
−庭園−
お見事でした。
[何時から其処にいたのか、今やって来たばかりか。
そして歌に対する賛辞か、形式的な拍手をしながら、
闇より姿を現すのは黒の燕尾服を身に包んだ執事]
……え?
[唐突にかけられた声に、一つ瞬く。
はっと振り返れば、闇より浮かぶ、黒き影]
……いつから、そこに……。
[全く気づいていなかったためか、挨拶よりも先に惚けた声が出た]
―離れの工房―
[熱する。熱する。固めるために特には水にいれ冷まし、曲げ、捻り、型を造り、鍛え
それを繰り返す。
猛々しく盛る炎の揺らめきに映える姿は、一心で。それこそ狂っているかのよう
それほどの熱中…否、静かに熱狂している]
―回想/客間―
[珍しく早朝……ブリジットが魂を食われて発見されるよりももっともっと前。
目が覚めて、ぼんやりと。
あ、部屋にちゃんと戻ったのか。と、昨日の記憶を反芻しながら思う。
あの後のホールで起きた出来事。ヘルガの末路。
あれが魔というものだったとなれば。それまで接していたのは、建前か本音かまではわからぬまでもヘルガだったのだろう。と思えば魔といえども複雑で、呆然としたまま他のことも気にかけずホールを後にしたのだが、それ以上は曖昧だった。
知恵の輪は今日は弄らない。思考も覚めている。
あの後、オルゴールがどうなったかまでは知らないが、魔は去ったのだから、後は使用人達が探して見つけることだろう。そしてエーリッヒが魂を戻す方法の一つも見つけて戻して解決するだろうと思うと]
終わったのかね。
[と呟く。一種の脱力感を持って]
職人見習い ユリアンが「時間を進める」を選択しました
お邪魔してはいけないかと思いまして。
[にこやかな微笑を湛えて言うも、問いには答えず。
長い黒橡が風に靡くのを片手で押さえ、目を細めた]
私一人で捜すにも限度がありますゆえに、
そちらでも動いて頂けるのはありがたく存じます。
[全て知っているのか、或いは探りを入れているのか。
普段通りの口調からは、それを読み取る事は難しい。
モノクロームの世界に鮮やかに咲く紅の薔薇を、
その周囲の様相を認め、口許には艶やかな笑みが浮かぶ]
[静か…それは早朝ということもあるが。
終わったからかもとも思っている。
オルゴールは見つかっていないならば、まだ魂を食われた人間は元には戻らないだろうが、探して見つけて。
後は任せれば勝手に解決の道を辿るだろう…といってもはじめっから任せっぱなしで逗留していただけだがな。と思う。
解決といっても元の鞘に収まるわけではないのだけれども
ただ……]
イレーネ……あの瞳は……??
[結局ヘルガに聞くこともできず、この胸の中にただわだかまる。
あれはなんだ。と。]
……まあ、集中切れると厄介だから、終わってからで助かったけど。
[問いへの答えに代わるように投げられた言葉に、ぶつぶつと呟き。
それから、続いた言葉に僅かに目を伏せて]
……やらない限り、最悪が避けられないんと思うんだから、やるしかないんじゃないかと。
[ため息混じりに言った後。
翠の瞳は静かな光を湛えて、艶やかに笑む執事を見やる]
……何も聞かないのは、気づいているから……と、解釈しても?
/中/
そーいや、誰もそこに深く突っ込んでないんだよね。
……単純に、突っ込み損ねた、とも言うけどな||orz
今回女性キャラとは、時間の都合もあったが、絡みが薄いわほんとに……。
[...は魔だのなんだの。人伝に聞くことはあっても、それを体験するような人生など送ってきたわけではない。
だから不可解なものはどこか現実から霞がかかって感じてしまう。
でもあったのは圧倒的に現実で……]
そっか……オルゴール見つけないと、まだ終われないのか……
何せ…わかんないってことは、終わったのかどうかもわからないんだからな
[別に、まるっきり違うのかもしれない…が、それはただの現実逃避だったのだろうか。と認めざるを得ない。
でも、仕方ないだろ?
と、誰にともなく語りかける。
なんにせよ。疲れた……いい加減に精神も疲弊してくれば感情も昂ぶってくる。]
お好きなように。
……と、はぐらかしてばかりでも、仕方ありませんか。
[笑んだままの表情は変わらずとも、
細められた緑の瞳に、僅か鋭い光が過る]
一つ申し上げるのならば、
魔が紛れ込んでいる事は元より察しておりました。
主の客人であるからと、深く探る事はしませんでしたが。
オルゴールを奪われたのは私の不徳の致すところですね。
[ゆらりふわり
意識の彷徨
それが捉える異変にふいと顔を向けて]
………また…?
どういうことかの?オルゴールが一人で、とは行かぬとはあの青年が言っておったが…。
まだ、魔の者が居ると……
[それを見つけた執事がなにやら力を操るのを不思議に思いながら]
あれと、これとではどう違うのかの。
ワシには解らぬが……
[その執事が何か思うように庭へと移動するのに気付き、後を追う。
何か、得る物があるだろうか、と]
[予感を覚えながらもわざと見逃したのは、
執事自身、退屈に飽いていたゆえ――
そして、音色を聴きたいと願ったからでもあるのだが]
[感情は、沈殿させることなく吐き出さねば。
そして自分の感情の吐露する方法は、決まっている。
やる気もそこそこ溜まっているし、今なら何かいいものが造れるだろう。
と、なんとも厄介で皮肉な状態でわいた勤労意欲に自身で呆れながら、使用人に尋ねる。
工房とかないか?と。
そして聞いてみて気づく。んなもん普通ないだろ。と。
だから難しい顔をして首を横に振ると思っていたが、予想に反しあったらしい。
なんでもあるな。と感心して、聞いた場所に向かう。
形はそうだな……ここ最近で言えば、薔薇か、オルゴールか]
―客室―
[窓枠へと腰掛け、その指は薄い頁を捲る。
背面から差し込む月明りが、並ぶ活字を浮び上げて]
―――……、
[ふわりと、室内へと吹き込む風に視線を上げる。
それは、白い煌きを伴いながら青の髪を攫って。
ふと、紅い瞳が其れを捕らえれば、僅か口端に笑みが浮んだ。]
[どうやら、あの女を焚付けたのは正解だったようだ。
結果的に役目を果してくれるならば誰だって良かったのだが
――これは、想像以上に]
…愉しくなりそうだ。
[青年よりも微かに低い声は、室内に響き渡って。
紅く光る瞳が、僅かに細む。窓の外に広がる庭園に浮ぶ人影を見据え。
青年の姿を借りた其れは、手に収めた本をパタリと*閉じた*]
……そう、か。
[元より察して、と言われれば、ほんの一瞬、目は伏せられて]
……ま、お察しの通り、だけれどね。
もっとも、俺は純粋な魔ではなく、かといって、既に人とも言い切れない……狭間の存在だが。
[さらりと告げる口調はどこか、自嘲めいたものを帯びようか]
……気づいていて放置していた、というのは、『こいつ』も同じだがね。
[言いつつ、傷痕のある辺りに手を当てる。
昨日までの押さえつけるような動作ではなく、ただ、軽く触れるように]
[庭園に向かえば金髪の青年
歌を紡ぎながら、またその手に力を紡いで]
……ほぅ……
[踊る白。すい、と風に溶けて。しかし魂のみの今、見えぬ筈のそれも僅か目に映り]
捜す、と言うたかの。
あの歌…あれは、あのオルゴールの……?
[同じではない。しかしそれは近しい響きを伴い。
その前に彼が口にした言葉とを照らし合わせ]
いったい…どういう事なのかの。
[そのままその場に佇み、二人の言葉を聞いて]
/中/
あべめも>
…………。
授業中に寝るのはどうかと。
[仕事中にぼーっと考えてて台車こかしたヤツが言うなというのはするーの方向]
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