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[食いちぎられたようなあとが見える。
左手の、手首から甲に掛けてに、血とは少し違う色を微か感じ、
白き手袋をした手でそっと血を拭う。]
――…、 痣 ?
[朱色のそれが元はどのような形であったかは分からないけれど
己とは反対の手の、同じ場所にある痣にみえるそれを、
旅人の呟いた朱き花と認識してしまうのは対なる者であるからか。]
蒼と朱、ふた色の花。『双花聖痕』。
月の牙を引き寄せ、
[同じ未来が待つのかもしれない。
歌い手のうたったそれを詩としてなぞり、
カルメンの声>>72とイヴァンの反応>>75に
視線を二人へと向けてから、これ、と示すは微かに残る朱き痣。]
…双花聖痕が居るってことは。
見出すものも、居るってことよね。
[>>*13イヴァンからの提案に答える代わり、幻燈歌が真実ならば忌避すべき存在をあげる。
とはいえ、今夜はギュンターを襲えたことで目的は果たせたし、と。
戻ろうと促されるのに頷きを返し、窓から部屋へと戻っていった**]
―三階・ギュンターの私室―
[掛けられた言葉に力なく零れるエーファの声>>65
こちらが掛けた言葉には、何かを言いかけて、だけどそれは言葉になることはなく。
肉親をなくしたのだから無理はないと無理に促す事はなく部屋を出るのを見送る。
入れ違うようにやってきたライヒアルトを見たとき、エーファの表情が変わったのは見えないが、少し力が抜けたような気がして目を細めた]
多少、疑心暗鬼になっているのかもしれないな。
無理もないけど。
[この中に犯人が居るかもしれない、とは流石に口には出来なくて、溜め息と共に目を伏せた]
……エーファは、何か気付いたんでしょうか、ライヒアルトの何かに。
聖痕に気付いた……或いは
人と見極めた……?まさか
─ 三階廊下→自室 ─
[部屋の中から離す声は聞こえてくるけれど、内容に理解が追い付かない。
どこかぼうっと佇んでいると、黒猫がにぃ、と鳴いた]
……ん。
[それが、休めと促しているように思えて、ふらり、と自室へ向けて歩き出す。
部屋に戻り、室内を見回すと、机の上の薔薇の花が目に入った]
……あ。
[そういや、聞けなくなった、と。
祖父の部屋を訪れた理由を思い出したけれど。
そこからどうするか、がどうしても浮かばなくて。ベッドに倒れ込み、猫を抱えたままぎゅ、と目を閉じた。**]
[男がエーファに気を向けていると、亡き人に祈りをとライヒアルトが申し出る>>63
それを受けて、新しいシーツを取りに行くと言うイヴァン>>67に]
言ってくれれば取りに行ったのに。
[などと言いながら見送り、そこに現れたカルメンの姿>>70を捉えた]
カルメン、駄目だ、君は見ちゃいけない!
[そう言って歩み寄ろうとする>>72のを引き止めようと手を伸ばす。
だけど、包まれていても彼女にもわかるのだろう。
ぽつりと落ちた呟きに、溜め息と共に頷いて]
どうやら、そうらしいね……朱き花、甘美なる……
[そこまで言って、傍、と言葉を止め考える仕草をする]
[エーファのことをイヴァンから聞く>>74。
廊下で小さく呟きを落とした彼>>73の姿が過る。
吹っ切れていないなら、大丈夫の言葉は裏返しに思えた。
イヴァンとギュンターの亡骸を移動させて、
弔うための一連の所作は、手を組ませるところで一度止まった。]
[イヴァンが問う>>75のを聞いて口を開く]
あの旅人は知っていた、ギュンターさんが「朱花」だと言う事を……
俺たちが知らなかったことを知っていた
[どこか虚ろな、だけど何かを知っているような旅人の気配は、どこか普通とは違う気がして。
だけど、確信には至らず、だから迂闊に決め付ける事も出来ず]
話を聞いてみた方がいいのかもしれないな、あの人にも。
[落とすのは疑念の種。人々の心に波紋を落とすように。
そうして]
ライヒアルトさん……?
[『幻燈歌』の一説を口にする姿に、朱花を示すような仕草に目を止めて]
貴方は……
[まさか、と言うように彼を見ていた。**]
/*
そーいや、じじまご縁故も三度目だなぁ。
毎回発見して(一回目は喰ってからだけど)、その度に感情暴走させとるなぁ。
さて、立ち直れるだろうか。
[おとすだけおとしてからそれかい]
─ ギュンターの私室 ─
[近付いていったその姿は、たとえシーツで包まれていても凄惨さと冷たさを感じさせる。
>>79見ちゃいけないと伸ばされた手に止められて、間近にまで辿り着くことはできなかったものの、生を失くしたその顔ははっきりと見えて]
…昨日、小父様の後から、入ってきた人。
あの人が、言ってたの。
朱き花、って。
[>>76ライヒアルトが示す痣に視線を落としたまま、>>75イヴァンからの問に先の呟きと同じ声で答え。
昨日広間に一緒にいたオトフリート達なら覚えているだろうと、視線を向けた*]
─ 翌朝 ─
[目覚めは叫びによって、けれど覚醒は>>*14そのコエに促された]
…見つかった、みたいね。
[あの歌い手と同じように、誰かが──誰が見つけたのだろう。
そんな思いに一度強く目を瞑った後]
……私も、行かなくちゃ。
[日の光の下でも、ちゃんと自分のしたことに向き合わなければ、と。
部屋を出て、昨夜訪れたあの部屋へと向かっていった]
[ギュンターの腕を見ていたライヒアルトの口から『幻燈歌』の一節が紡がれる>>76。
示されたギュンターの左手にはほんの僅か、紅と異なる色があった]
これが、朱花…
[欠片過ぎて見てもいまいちピンと来ないけれど、そうだと言うのなら襲われた理由も理解出来るというもの。
その答えはライヒアルトが紡いだ一節にあった]
へぇ……旅人さんが。
何で知ってたんだろ。
[それは誰しもが抱いた疑問だろう。
オトフリート>>81やカルメン>>82に教えられ首を傾ぐ]
そーだな、考えたって分かんねぇ。
聞いちまった方が早い。
[これらのことは十分疑う理由になる。
とは言え、先ずは目の前を、と作業を続けることにした**]
[白い手袋は遺体に触れたことで赤が移っていた。
オトフリートの眼差しに、一度目を伏せる。
悩むというよりも覚悟を決めるように息を吐き、
ゆっくりと深緑の双眸を自身の手許へと向けた。
右手の手袋をはぎ取り、袖を軽く捲ってみせるは、蒼き痣。]
――…蒼花。
[どちらにせよ弔いは素手でしようと思っていたから、
色付く手袋は懐にしまい込み、
ギュンターの手を胸元で組ませてから、祈りを捧げる。
歌い手の時よりも、少しだけ時間が掛かったかもしれない。
イヴァンに視線を向けて、
シーツで包みなおすのを手伝って貰い、
ギュンターの遺体を安置する。]
……寒いせいもあるんだろうけれど。
随分、冷たくなっちゃったわね。
[>>*15不味そう、とイヴァンのコエを聞いた時にはそうなのかと思ったけれど。
目の当たりにすると、成程これは食指が動かないと納得した。
もしかしたら、太陽の下では獣の性が抑えられているのかもしれないけれど]
………小父様、あんなに美味しかったのに。
[もう少し綺麗に食べておけば良かった、なんて思う自分は、きっと獣の性に染まっているのだろう]
─ ギュンターの私室 ─
何で知っていたかは、わからない、けど。
……あの人、何だか…こわい。
[話を聞いてみた方がという>>81オトフリートと>>83イヴァンの会話に零すのは、昨日広間で呟いたのと同じもの。
それは子供の頃を知る彼らが近く在るからもあり、何があってもと言ってくれたオトフリートが居るからでもあり。
女の瞳は一度、現実を受け止めるように下りた瞼に隠れた後]
…ライヒアルトさん?
[>>84蒼花という言葉に瞳を開くと、示された痣が目に入り]
はやく、かくして。
だれが人狼か、わからないのに、みせたら、ダメよ。
[泣きだしてしまいそうに顔を歪めながら、力無く頭を振った**]
[旅人がギュンターを朱花と知っていたのは何故か。
ギュンターに聞けぬ今、旅人に問うしかあるまい。
聞こえくる言葉に同意を示すように頷き]
話を聞いて、考えよう。
[旅人は部屋にいるのだろうか。
考えるうち、イヴァンの紡ぎ>>85が聞こえ]
……そうだと思っている。
[丁寧だった言葉遣いが素に近い端的なものになる。]
食材は新鮮なのが一番、ってか。
[カルメンの聲>>*22にそんな聲を返すイヴァンもだいぶ割り切っていると言える]
……これ、日中は変化出来ない可能性もあるかな。
こんな風に血肉を見ても食べたいと思わないってことはさ。
気をつけねーとなんねーかも。
[人狼と見破られて日中に仕掛けられたら。
元々体格の良いイヴァンはともかく、カルメンは不利に陥る可能性もある]
……美味しい餌が目の前にあるのに、襲い掛からずに済んでるし、さ。
[これは花の片割れを食した後であるために衝動が抑えられているだけかもしれないが]
注意しねーとな。
[大勢の前で襲い掛かってしまう可能性と、日中は力を発揮出来ない可能性。
その両方に対して呟いた**]
[カルメンがこわいと言うのを聞き>>87
感情の読めぬ旅人の眸に似たことを感じたのを思い出す。
あらわにした痣を目にした彼女>>87の表情は
今にも泣きだしてしまいそうに見えて、
思わずその肩に手を伸ばすけれど、
その手には遺体を弔うときについた赤があり、
触れる前に、静かに下ろして]
――…ああ、ありがとう。
[案じてくれているのだと受け取り、礼を返す。]
人狼にとってこれが甘美なるものなら、
見出す者の盾となり時間を稼げるかもしれない。
[小さく呟き、隠す心算はないことを示す。]
…本当に。
蒼花が自分から教えてくれるとは、思っていなかったけど。
[>>*23イヴァンに同意を返しながら、唇を噛む。
既にギュンターは襲ってしまったのだし、後戻りは出来ないとわかっているけれど。
こうして示されて、昨夜のように理性を失うのかという恐怖は、思いもよらぬものだったから]
気を付けなくちゃ、ね。
[皆の前で理性を飛ばして正体がばれたら。
自分だけならまだ良い、イヴァンまで知られてしまったらと思えばそれだけで震えが走る。
だってきっと、イヴァンは皆にとっても現状の支えだろうから。
真実を知れば、反動は如何程かわからない]
[部屋の主に一礼してから、廊下へと出て]
湯を借りてくる。
[と、行先を告げてからその場を離れる。
血のにおいに酔いそうだった。
拭いきれぬ恐怖懐くのを知られぬように
心落ち着けようと聖句を心の中で綴る。
一階に下りて浴場に辿りつけば
湯あみをしてから、広間へと行く。**]
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