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中/今日、今日ベアトリーチェ吊りの、ゼルギウス襲撃なら、
明日はナターリエ襲撃になるだろうから表にでるのも申し分ないかとな。
問題は吊がゼルギウスになる可能性か…?
…マテウス。平気、だ。
[途切れぎみの声で、それだけ呟くが、右手が左腕を離すことはせず。
ぎ、ぎ、と軋む音はやや強くなる。
鈍い音を立てるまで、そう時間はかからないだろう。]
[子供の部屋は覚えていた。
勝手に入り、寝台に子供を下ろす。
それから再び一階に降りれど、広間で為される会話に加わりはしなかった。
今は、まだ。
水を汲み取ったグラスと、ゲルダの用意してくれたスープと林檎をトレイに乗せて階上へ。傷を負った子供の手を洗い、包帯代わりにハンカチを巻く。
流石に、自身の腕に巻いていたものは使う気にはならなかった。
処置を終え、毛布をかける。
熱を抱いた身体は、布団など不要そうだったけれど]
……、何、してるんだか。
[冷えた室内。暖炉に火を入れる。
卓上に置いたスープからは、あたたかな湯気が立つ。
子供が目を覚ます頃には、冷めてしまうかもしれないけれど]
[可愛らしく象られた林檎の兎が、ぽつんと*佇んでいた*]
[ゼルギウスの手が動くのに合わせ、上着の中へと右手を]
っつ。
[ゲルダの声。
取り出そうとした刃が、引き抜けない]
だけど。
このままでは、終わらないんだ。
これ以上殺されるわけにはいかない…!
[震える声。上着の下、冷たい柄を握って]
/中/
いや、ゼルさんには後から来てもらおうか。
「わたしの後を追って」とかなんとか言って。さて、考えどころ。
ゲルダ……、
[自分の唯一の家族と言っていた彼女は今の状況をどう思っているのだろうか?]
とめられなかった…、すまない。
[脳裏によぎるのは昨日のアーベルのこと]
エーリッヒ…、
[続けて姿を表した姿と、ベトリーチェ達を刺激する様子に]
やめろ、もういいだろう。
何で皆してそんな争いたがるんだ?
[エーリッヒが懐に手を入れる。]
[金属臭。わたしは緊張し、わたしを自分の後ろに隠そうとするゼルギウスさんの手に抗う。]
[ナターリエの右手首を少し強めに握り、
左手を握る力を緩めさせて首を静かに振る]
ナタリー、それくらいにしておけ。
ゲルダが…悲しむぞ…?
[ナターリエにとっての親友の名前、
ゲルダの方に視線を向ければナターリエもつられるようにそちらに視線が向くであろうか?]
俺が人間である証拠?
[ベアトリーチェに戻した視線。再び凍る表情]
残念ながら無いな。
俺は花を持ってはいない。
[それは誰まで知っていただろう。
今はそうしたことに気を払う余裕もなくて]
そうだな、君を確かめてからなら。
確かめられてもいいさ…!
[何かが一線を越えた。
引き抜いた右手、光る銀の刃。
マテウスの声も聞こえず。
ただその狂気にも近い感情に支配されたまま。
足元を蹴って少女へと向かう]
でも。
[エーリッヒに言い募るにも、この状況が分からないでは、何も紡げず。
眼差しばかりが労りと悲しみを表す]
ううん、マテウス兄さんが謝ることなんて、無い。
しかたない。
[諦めに眼差しを伏せる。
そうする事でしか受容できないとばかりに]
……っ!!
[しばらく、イヴァンの死体を見つめていたが、背後からエーリッヒが刃を取り出して、ベアトリーチェやゼルギウスを刺そうとする姿を、老婆が目にした]
……やめなさい……!!
[そこから先の行動はすでに無意識の領域だったのだろう。
気付けば、老婆はエーリッヒと二人の間に挟まるように立ちふさがって、エーリッヒの刃をその体深くに受け入れた]
……ごほっ!!
[口の端から血を飛び散らせたまま、老婆はエーリッヒの手を優しく包み込むようにつかみ、そして、穏やかな笑みを浮かべた]
みん……な……大丈夫です、よ……。
不安なこと……怖いことは全て……このばばが引き受けてあげますから……。
ほら……もう……怖くないでしょう……?
だから……落ち着いて……最初から……もう一度考えてみて……ね……。
…ゲルダ。
[ぽつりと呟く。マテウスから聞いた親友の名を。
つられ視線をあげるともう一つの大切な姿が。
瞬時、泣きそうな顔でゲルダを見上げた後、それを見せまいと視線を戻し、大人しく手を緩めた。
すぐ傍で、エーリッヒの声が聞こえる。
脳は冷静だ。
それは血のなせる業か。
エーリッヒの叫びの中の、不可思議な言葉を耳に入れながらも、緩く首を振った。]
…イヴァンを、ここに置いておけない。
[心臓を貫かれたイヴァンから、流れたちの量は夥しく。
服の半分は赤黒く染まっていた。]
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