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…とんだ奇術師だなぁ。
[メンドクサイにも程があるだろう。
そう、小さく呟くが]
しかしなぁ。風も不可視の刃と考えるなら…
んー、どっちもどっちか。
[聞こえていないだろう、と言う事で、好き放題言っている]
そう言う点じゃあ、やり合ってくれて助かるのかねぇ。
じゃけぇ楽しかもん。
[あっけらかんと言った]
知っちょるけぇ、知っちょるんじゃあ。
そうじゃのぅ、会うたんはどんくらい前じゃろか。
忘れたけぇ。
[答える声も惚けたまま]
なかなか律儀なおかたですねぇ〜。ま、嫌いじゃないですがね
[中空より横凪ぎに振るわれる杖より生まれし放射状に放たれた刃を見て取り。四枚のトランプを投げつけ、破裂させて相殺させ]
おや、私は接近戦は苦手なのでお断りしたいですねぇ〜
[いいながら左方から来るのを構え手には鈍く輝くトランプ。それで盾のように身を守り]
くっ……ふふ
[静かにうめき声と笑みを浮かべ衝撃を流す意味もあるが、単純に力不足で反動のまま飛ばされそのまま地面へと落下した。置き土産とばかりに、重ね合わせ持っていた鈍く輝き、旋回してその身を切り裂かんとする剣と変わったトランプを置いていって]
それがエリカの強みでもあり、弱点でもある、かな。
真直ぐすぎて、絡め手に恐らく弱い。
けれど半端なものなら弾き飛ばすような力がある。
[項垂れたそのままで言葉を落としていく。
実際に戦うところを目にしたわけではないのだけれど]
[謝罪は完全に消されてしまった。
ちゃんと謝らなければなと思うが、何処か淡々とした口調が怖い]
…まあ、何とかしますよ。
ここで死ぬ気はないから、その程度には。
ボクは、楽しくないっ!
[楽しかったら問題だが]
それ、説明なってないよ!
少なくとも、えと、四十年?くらいはたってるはずなのに。
狐のおにーさん、一体幾つなのさ。
─湖畔─
[湖の岸辺へとたどり着くとそこには昨日会った少女。
だが、その眼は怯えていた昨日とは違い、氷のように冷たく固い。]
ひはっ。
士、三日会わねば括目して相対せよ、とか言うけどよぉ
女の心変わりの方が括目モンだよなぁ
[右手の爪を突きつけ、カチンとひと打ち。]
心拍・脳波ともに正常
ひはっ、お招き感謝しとくぜ
そらおまはんが楽しい思たら可笑しかろうて。
[返る言葉にげらげらと笑った]
知っとるっちゅー事実ば言うたんがのぅ。
ワシん歳かぁ…。
[たーーーっぷり考え込んだ後に]
三つ?
[指を三本立てて首を傾げた。嘘は言っていないのだが大嘘である]
…………。
[ジト目になった。
思いっきりジト目になった]
三の後に、〇が幾つつくわけ?
[その聞き方も、大概どうなのか]
……結局、『昔に会った』、ってだけか。
[それから、小さく呟いて。
右手を開き、ロザリオを見る。
古びた銀、その裏に刻まれていたらしき言葉はかすれ、既に読めなくなっていた]
[項垂れるその様相に、膝を折って、視線の高さを合わせていく。
決して多くの言葉を語ることはしない]
…マイルズは、自由ではないの?
[ただ、端的に問うだけだ]
私がそう思えるのは。
そうだね…奇跡にも近いんだろう。
こうも、護りたいと思える相手が最初から傍にいるなんて。
[幸福をかみしめるように口にする。
どこまでも凛とした響きの言葉は常と異なって]
けれどだからこそ、甘んじてはいられないんだ。
…遠距離戦じゃどうにもあんたに分がありすぎっからな。
ちょうどいいんじゃねぇ?
[着地がほんの少しぶれて顔を顰める。先程脚に負った火傷は思った以上に酷いらしい。
旋回する剣を弾こうとして、だが旋回しているが故に不自然に跳ねて先程鉄球が掠めた左肩を切り裂く]
あんたの有利に進める気はないね。
[地を蹴る。周りの風の気配を読んで左右に大きめな風刃を真っ直ぐに放ち、自身はそのまま手品師にロッドでの突きを与えようと踏み込んで、真っ直ぐ正面にそれを突き出す]
……。
[手当てになりそうなものを適当に物色。
そういうのがありそうな場所は大体予想は出来る。
だが、それのどれもこれもが、壊れ、腐れ、もしくは最初から存在していないせいで、気づけば戦闘の音がした場所からは段々と遠ざかっていく]
……。
[細く長い煙を吐き出して、また次のビルへと。
無造作とも言える歩みだが、最初に半分減り、更に一人減り、次に二人減った。そして、現在最低でも二人が戦闘中。
そこから、自分を除けば、残りは5人。
そうそう、他の相手に出会うなどは有り得ない。
もし出会うのだとしても、明らかな殺気。もしくは、分かりやすい気配を出す連中だ。
まず、おかしなことにはなるまいと踏んでの行動である]
いんや、付かんし。
[結構真面目な声。だがさっきのこともあって本当かどうかは怪しいところ]
そうじゃのぅ、今は会うとらん。
まぁ『新種』の『始祖』じゃけぇ、まぁだマークされとる可能性ばあるが。
[腕を組み、エリカの言葉に肯定の頷きを返す。大騒ぎした最中に、小猿がいつの間にか肩へと戻って来ていた]
[手の中のロザリオを見る様子に、ひょいとエリカの頭の上から覗き込もうとしたり]
[雷鳴天使との戦いの時。
搦め手に、尻尾の事を尋ねてみようかとも思ったのだけれど。
それこそ動揺するばかりでなく、暴走されたら、吹っ飛ぶ位じゃ済まないかもしれないなど、思ったのを何となく思い出した。
よく見えているとは思いつつ、そこで口を開きはせず]
――…。
[ただただ低く溜息を]
―湖畔―
殿方とは気合の入れ方が違いますので。
[爪を突きつけられても変わらない氷の微笑]
特にあなたが相手なら。
[少しずつ周囲の水分が露結し鋭利な氷片が生まれてくる]
――Eisturm.
[ラストを指差せば、貫かんとする勢いで飛んでゆく]
[項垂れる姿はそのままに、朽葉色も今は上がらずに]
…自由じゃないですよ。
[返す言葉も端的に]
[けれど、続いて届いた言葉に。その口調に。
驚いた色を浮かべた顔がゆっくりと上がる]
[驚愕はやがて、笑みに崩れる。
酷く柔らかくて、酷く優しくて、酷く眩しげな]
……羨ましいな。
だから、ロザリーは強く在れるんだ。
そしてこれからも、きっと強くなる。
……どーだか。
[真面目な否定に、低い声でぼそ、と突っ込んだ。
しっかり、疑っているらしい]
……だろう、ね。
三代目のボクが、あれだけ追い回されてるんだし。
とーさんたちも、結構大変な目に遭ったみたいだし。
生きてても、死んでても、目はつけられてる……か。
だから……。
[生きてたとしても、姿を見せないのかな、と。
呟きは、ごくごく小さなもの]
[ロザリオを覗き込んだなら、名前に当たる部分に複数の書き足しがあるのが辛うじてわかるやも。
読み取れるのは、現在の所有者の名だけだが]
……。
[早々出会うはずも無いのだが、次に向かったビルの中を移動中のときに聞こえてくるのは、話し声。
声だけ聞き取れば、一瞬だけ聞いたことのあるケイジとエリカだと言う事が分かった。
会話の内容までは聞き取れなかったが、別に興味も無い。
そのまま無視して、なんだかなあという感じで頭をぽりぽりとかいて、その場を立ち去っていく。
二人同時に挑まれたときの危険性を考えてではあるが、それ以上にどうでもよかったから]
……。
[そこに残るのは、ただ煙の後だけ]
いつつつつ…
[落下の反動のまま態勢を整えつつも強打した肩をさすって己へと真っ直ぐ踏み込んでくるカルロスを見据え]
それは私も同じですよ〜。というわけでお断りします
[トランプを数枚地面に突き立てれば、足場が塔の如く隆起して間合いを一気に離し、一枚のカード…『愚者』を取り出す]
愚かなる者はその愚かさゆえに…世の理も際限も知らず限界もなし
[朗々と口にしながら、『愚者』のカードを上へと跳ね上げ、帽子を取ってその中に入れる]
天も照覧あれ。私の派手な手品をね。
[片手にもちし帽子より突如出でるは、八本の長大な蜘蛛の足。
それは左右の風を切り裂きながらカルロスめがけて振り降ろされる]
ひはっ。おお、こわいこわい
[リディアの氷の微笑に、余裕の笑みを返す。]
特別扱いとは嬉しい限りだねぇ
てことは、やっぱ俺と会ったことあるんだ
よく生きていられたねぇ
[現出する鋭利な氷片にも動じた様子もなかったが、]
ご褒美に、今倒してやるよ、ひはっ!!
[リディアの宣言と同時、腰から抜き放たれた拳銃の弾丸が飛来する氷片を撃ち砕く。]
かっかっかっ、信用なかねぇ。
[自分の言動のせいだろうに。言いながらも楽しげであることからわざとだと言うのが伝わるだろう]
んむ。
戻ったば調べてみんかねぇ。
ワシもひっさびさ懐かしゅう思いばしたけぇ。
おまはんらば傍から消えたんも、そん追撃ば巻き込まんように、なんじゃろうかのぅ。
ワシみとぉ自分のことしか考えん奴やなかし。
[そこで自分を引き合いに出すのはどうなのかと。かなりの納得はされそうだが]
んー、読めん。
そんロザリオも見たことばあるんじゃがの。
おんなじモンなんじゃったら、あん文章ば書かれとったんじゃろか。
[ロザリオを覗き込みながら、エリカの頭の上でそんなことを呟いた]
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