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ま、そうだよねえ。
でないと、隠し玉にならないしー?
[爪が突きつけられても、ペースは崩れる事はなく。
言葉を紡ぐ声は、平時と変わらぬもの。
治癒に関しては、かなりきついハンデを帯びる体質故に。
それに関わる弱みは、可能な限り見せまい、とする虚勢ではあるのだが]
氷華ちゃん、少し、力抜いた方がいいよぉ?
張り詰めすぎると、逆に崩され易いからねー。
[冗談めかした口調で言いつつ、六枚のカードをポケットから出して差し出す。
最後の一枚──『ジャッジメント』には、もう一度、名残を惜しむよに口付けてから、同じように渡した]
[狐の言葉に思わず、くすくす笑い]
えぇ、分かりましたわ、ケイジ先生?
[揶揄うように囁いた]
どちらにしても可能性は低いんですか?
困りましたね…。
[言う程に困った様子は*見当たらない*]
先生ば言われんのも吝かやなかね。
ま、教えることばなーんもなかが。
[おどけるような声。続く言葉には]
こうして会うたのかて、確率ば低いことじゃと思うがのぅ?
[元より関わる頻度が少なかったのなら尚更、と。会えぬだろう理由は誤魔化しを入れた]
『The Judgement』、確かに。
[6枚目までを受け取り懐に仕舞い。
崩れるよにその場に座り込んだ]
力抜いても勝てるなら、そうしてますー!
でもでも、異形殺しとか、までいた、しー。
おねーさんには、手の内、知られ、てるしー!
[氷の微笑が溶けた後には泣き出しそうな空色が。
相手にも虚勢があると気づけないほどに、戦闘状態の反動に飲み込まれていた]
でも、あきらめられない、もん。
他の手段、なんて。分からない、もん……。
[ぐいぐいと袖口で顔を擦る]
……。
[ブラウンがいなくなった後、がらがらと崩れだしてくるのは、先程のバトルの影響か、はたまた、計り知れない他の何者かの影響か。
ゆっくり、空を見上げると、その場に落ちてくるのは、仕掛けておいて、「落ちるはずが無い」手榴弾の束]
……は。
[動じる様子も無く、男は煙を吐き出しながら、小さく笑った]
───So as I pray "unlimited weapons works."
───(その体は、きっと破壊するもので出来ていた)
[自分のことを悲しむでもなく、卑下するでもなく、現状のままを言い表した、最後の第8節を呟き、その姿はやがて生まれる爆発により姿が見えなくなっていく。
さて、爆発の影響が先か。魂の牢獄に囚われたのが先か。
先程負けたばかりの賭けの*結果は如何に*]
[崩れだした様子に、思わず笑い出す。虚勢ではない、素の笑い方]
あっはは……。
氷華ちゃんは、ほんとっ……。
かわいいなぁ。
[笑いを帯びた声で、言って。
それから、もう一戦、という言葉に、あー、と短く声を上げる]
そーか、確か……『猟犬』のオジサンが勝ったんだっけ。
[手渡す直前に確かめた情報を思い返しつつ呟く]
ま、頑張るんだよー?
というか、負けたら、承知しないからねー。
[にっこり笑ってなんか気楽に言った後。
飴色が、ふ、と上を向く]
さて、それじゃ、ボクは……狐のおにーさん、殴りに行こうか、な?
[冗談めかした口調で言った直後、訪れるのは限界。
自分の存在が、どこかへ呼び込まれるのを感じつつ。
意識は途絶え、飴色は、閉じた。
後に残るは、真白の羽根、*一片*]
さぁて、もうちっと寝るけぇね。
もう一眠りばしちょお、粗方の傷ば治るじゃろうし。
[そう言って、男は出していた顔を球体の中へと引っ込める。ゆらり揺れる球体は、やはり揺り籠の*よう*]
うー。
[楽しげに笑われて恥ずかしくなり、拗ねて顔を背けた]
そうなったみたいですね。
犬のオジサンかー。
[札に触れて確認すると溜息をついた]
て、そんな気楽にっ。
…まー、全力で頑張ります。
[それが勝った者の礼儀。
そっぽ向いていた顔を戻して、こくりと頷いた]
……そちらもファイトです?
[殴る理由は知らない。
引き込まれてゆくエリカを見送って深呼吸すると、最後の舞台に備えて身体を休めに*移動した*]
いい歳したオッサンを追いたいなんて物好き、そうそうおらんさ。
――不慮の事故、か。
[ようやく、落ちていた煙草を拾い上げ口へと運んだ。
煙と共に言霊を吐こうとした矢先。
空からの異変に男も気付いた]
ちっ…!
そんじゃあな。
次会うときも仕事以外だと良いンだが。
[踵を返し、その場を駆け抜ける。
男に余裕などはない。
だから、後ろを振り返る事は出来ない。
落ちる瓦礫に興味を移すことなく、男は開けた場所へと出た]
俺は裏で生まれて、裏で腕を落とした。
そして、裏で新しい腕を付けて、裏で仕事した。
ずっと日陰者だ。
闇に染まるなら、とうに染まってるさ。
…ほっぽっちまったなぁ。
流石に上から瓦礫が降ってくりゃあ。
個々人で逃げた方が生きてる可能性は高いだろう。
――死ぬ気がなきゃあ。ね。
今よりも、比べ物にならない力、ねぇ。
[そう、頭を掻けば]
…俺は、この個々の力の方が面白かったがねぇ。
ま。
そんなモンが手に入っちまったら、『猟犬』にも『狩人』が群がっちまうのかねぇ。
[大きく息をつけば、白い煙が口から漏れた。
先ほど、左腕から湯気を吐き出したように]
――やれやれ。
[小さく呟けば、カードを手に取った]
成る程。
お嬢ちゃんは…負けたのか。
氷華。ねぇ。
[頭を掻きつつ、小さく呟く。
ぽぅ。
カードは光を放ち、力を流転させる。
――『隠者』は眠り、『星』は輝く]
ま。やるだけやってみるかねぇ。
『ジ・タワー』のマスターとして、最後の障害となろう。
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