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次の日の朝、占星術師 クローディア が無残な姿で発見された。
噂は現実だった。血塗られた定めに従う魔物“人狼”は、確かにこの中にいるのだ。
非力な人間が人狼に対抗するため、村人たちは一つのルールを定めた。投票により怪しい者を処刑していこうと。罪のない者を処刑してしまう事もあるだろうが、それも村のためにはやむを得ないと……。
現在の生存者は、学生 エリカ、手品師 ディーノ、画家の弟子 リディア、旅人 シャロン、情報屋 ノブ、傭兵 カルロス、職人 ランディ、迷犬 パトラッシュ、雑貨屋 フラン、学生 レッグ の 10 名。
[マスターから食事を、エリカから薬を、フランからお菓子を頂き、、少しだけ足音も軽く、クローディアの部屋へと。
トントンと、ノックの音2回]
食事を持ってきたわ。入るわよ、クローディア?
[扉を開けると、ベッドの上で横たわっているクローディアの姿]
・・・寝ちゃった?
せっかく、食事持ってきたんですから、それ食べてから寝なさい、クローディア。
[ゆっくりと、食事を片手に持ちながら、クローディアに近づく
―――そして、近づくたびに、何故だろう。先ほど終わったはずの不安がまたシャロンの胸中に湧き出した]
そう?
[じゃ、入るよ、と声をかけて中へ。
起き上がる様子を見れば、ほんの少し表情を険しくして]
……身体、痛む?
[やや心配そうに、問いを投げて]
クロー・・・ディア・・・?
[弱々しく、呼びかけてみる。返事は無い]
ねえ。クローディア。ねえ。
[急ぎ足でクローディアの元へ。返事は無い]
クローディア。食事を持ってきたのよ。
貴女が喜ぶ、お菓子だって、ほら、ここに。
[クローディアを強く揺さぶる。返事は無い]
クローディ―――!
[そして、気づく。
彼女の体から少しずつぬくもりが失われて行っているのが。
熱い血が、ベッドを赤く染め上げていくのが]
・・・あ・・・あ・・・ああ・・・あ・・・。
[一番近くて、一番遠かった。
一番遠くて、一番近かった。
絶望を知って、希望の光を見た。
希望を知って、絶望に堕とされた
信じれば叶うのだと知った。
信じていても、叶わないものもあるのだと知った。
全ては・・・奈落の底に落とすための演出でしかなかった。
そして、シャロンはクローディアが死んだことに気づかされてしまった]
クロー・・・ディー・・・アー・・・
[力なく、ただ、細々とした声しか出なかった。
そこに横たわっている姿は、先ほどと同じように眠っているようにしか見えなくて。
体は、どこまでもどこまでもキレイなままだった]
クローディア・・・キレイ・・・キレイ・・・。
[クローディアの白い指を、手に取り、そして、何かに取り付かれたように舐める]
[ふと、口元に真っ赤なトマトが差し出され。
見上げれば微笑むリディアの姿。
さっき感じた匂いとその色から連想されるもの。
一瞬、固まって。
いや、気のせいだ。と内心で緩く首を振った。
リディアの手から直接トマトを口にし、ぺろぺろと彼女の手をなめる。]
[否定するパトラッシュにどこか違和感を感じ、視線は2階へと。丁度シャロンが上っていくのが見えたが、それ以外は何も感じられず。近くの席に座ったランディに気付くと、こんばんは、と挨拶して]
アンジュのこと?
うん、今日はちゃんと披露してあげたよ。
占いの方だけどね。
[ふわりと柔らかい笑みを浮かべ答える。ディーノ自身もあの小さな常連のことは気に入っているようだ]
[気づけば、シャロンはクローディアに覆いかぶさって泣いていた。
もはや、自分でも自分の意識がどこまであるのか分からない。
気づけば、クローディアの体はグチャグチャで。
シャロンの顔や体は血でベットリ濡れていた。
クローディアの体は・・・何者かに食われたかのように、無残な死体だった]
あ・・・はは・・・はあ・・・は・・・
[フラフラと幽鬼のようにシャロンは、クローディアの部屋の扉を開け、そして、フラついたままの足取りで階段を下りようとして、転げ落ちた]
〔リディアがパトラッシュにトマトを勧めているのを見て〕
犬は酸っぱいもの食わねぇんじゃないかなー。
まぁ、上手そうなトマトだがな。
親父さんとお袋さんのお手製かい?
〔最後の一文はリディアに向かって放つ〕
[シャロンを見送り]
[入れなおしてもらったエールを口に運んで]
[ディーノの話に昼間の風景を思い出していると]
えっ。
どうしたの、シャロン!
[階段を転がり落ちてきた音に驚いて立ち上がり]
[シャロンの傍に駆け寄った]
…占い?
お前さん、占いも出来るのかよ。
ずいぶん器用だなー。
〔と、感心と関心がないまぜになった表情でディーノを見た〕
〔足元で咀嚼の音がして目線を下げる〕
おわ、パトラッシュ、お前トマト食えるのかよ。
犬ってトマト食えるんだっけ?
それとも、アッカーソンの畑のトマトは甘いのかね?
〔とかなんとか言ってるうちに、目の前にジョッキが置かれ、それを旨そうに、ちびり、と飲んだ〕
[パトラッシュの舌の感覚がくすぐったくてくすくすと笑う]
[ランディの声が聞こえて]
あ、はい。うちで採れたものですよ。
後でランディさんも召し上がってくださいな。
って……あれ、まずかったのかな……?
[もうあげちゃいました、と少し困った顔で]
[パトラッシュには大丈夫?とも]
[フランの言葉も今のシャロンの耳には入らない。
ただ、うわ言のように]
クローディア・・・私の大好きなクローディア・・・
[とだけ繰り返し続けた]
んー、まぁ…多少痛ぇけど、平気平気。
[にっこり笑って見せて、自分の胸を軽く叩き、]
大分楽になったしな。薬…効いたみた…
[突然、階段から聞こえた物音に、ビクッと立ち上がる。]
…どうした!?大丈夫か!!??
うん、タロット占いを少し。
簡単なのしか出来ないけどね。
…母さんがやってたのを聞きかじりで。
[母のことを口に出すと、その表情は少しだけ翳り。しかしその表情もフランの叫びにすぐに消える]
え、何、どうしたの?
[視線を階段へと向けると血だらけのシャロンが目に入った]
…っ!
なに、が。
どうなっって。
[声が喉に張り付く]
クローディア…?
クローディアさんがどうかしたの!?
[その血に怯えたように]
[触れることが出来ず]
[うわごとのように繰り返すシャロンに聞き返した]
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