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次の日の朝、占星術師 クローディア が無残な姿で発見された。
そして、消え行くもの。
運命の輪が回りだす。
紡がれるのは、如何なる結末への道筋か……。
現在の生存者は、雷鳴天使 エリカ、傾奇者 ケイジ、闇金の猟犬 ブラウン、銀弾 ラス、仕事人 スティーヴ、手品師 ディーノ、聖騎士 マイルズ、氷華 リディア、風刃 カルロス、御令嬢 ロザリー の 10 名。
─街外れ・一軒家物置─
……くぁ。
よう寝たよう寝た。
[物が雑多に残る物置内で一休みした男が目を覚ます。とは言え仮面のせいで寝ているのかいないのか分からない光景だったのだが。もぞりと身体を動かすと、ずるずると物置の中から這い出て来る。外へ出ると立ち上がり、大きな伸びをした]
むぉ〜。
んむ、きっちり馴染んだようじゃの。
さぁて、他ん連中どぎゃん動きばするじゃろか。
『デュエル』ばならん程度に突っつくんもよかね。
[のぅ?と肩の小猿に同意を求める。小猿は楽しげに「キィ」と鳴き、肩の上をぴょんぴょん飛び跳ねた]
あん嬢ちゃんば揶揄うんも楽しか、アレでちょっかい出すんもよかねぇ。
[笑いながら呟き、男の身体は建物の上へと飛び上がる。しばし周囲の確認をしてから他の者の様子を探りに移動を開始した]
―廃墟・屋上―
んーと。
さて、どっしよっかなぁ。
[廃墟の屋上、その縁にちょこな、と座って独りごちる。
飴色は、手にした『ジャッジメント』と『エンプレス』に向けられて]
動き出さなきゃ始まんない、のはいいんだけど。
……できれば避けたい相手、ってのもいるしなぁ。
[カードが示す情報を見比べつつ、呟く]
色んな意味で興味あるのは、狐のおにーさんだけど。
さすがにいきなり突っ込むのは、ムチャだよねぇ。
そーなる、と。
……興味を優先させるなら。
『聖騎士』さん、か、花のおねーさん、かな?
[小さく呟く。
そこに目が行った理由は、戦い方に対する純粋な興味故の事]
ま、上手く会えるかわかんないし、その前に誰かに吹っ掛けられるかもだけど。
その時は、その時、だね。
[カードをポケットに戻し、空を見上げる。白の翼が、ゆるりと*羽ばたいた*]
さて、虫干し終わったら、ご飯探しに行ってこよーかな。
―廃墟―
[少々場違いな食事を終えて、火の始末をしてその場を離れて。
干した魚は放置して、屋内に潜んで休息をとる。僅かに風を纏わせて。何かが近づけばそれが教えてくれるだろう]
[暫くして目覚めて、伸びをした所で大気の異変に気付く]
……なんか混ざってんなぁ…?まぁいいか。
[それが何か、まで興味は動かず。体の異変までは感じないからそれは頭から追い出して]
さて、どうしたもんかねぇ…様子を見るか、こっちから動くか…
めんどくせぇ。
[こういう戦い方は本来「興味の範疇」ではなく]
まぁ、追々考えていくかねぇ。
[そう言って外に出る]
♪あ、さって
あ、さって
さてはなーんきーんたっますっだれ
[玉簾はありません]
[そんなことを口ずさみながらひょいひょいと建物の上を飛び跳ねていく]
[カードを取り出し情報を読み取りながら考える]
んー、どうにも厄介な相手がいるんだよなぁ。
動きがある程度読める奴ならともかく…『手品』じゃなぁ…
潰しあってくれりゃいいが、残っちまうと余計厄介かねぇ。
手駒が増える前に潰しちまった方がいいかぁ?
[ピン、とカードを弾いて懐に戻し]
ま、こればっかりはな。
俺のカードを欲しがる奴もいるだろうし。
[やれやれ、といった風に肩を竦めて、だけど楽しそうに笑って、またいつもの携帯食を一口齧った]
[行儀悪く携帯食を齧りつつ歩いて。
頭上から聞こえた場違いな歌声に顔を上げる]
…あれは…
[顔を覆う狐面。
情報通りならば、「管理者」を落としたのは]
おい!そこのあんた!
[呼び止めようと声を掛けて、自らも近づいていく]
♪ちょいっとひっねれば ちょいっと……
とぉ?
[続きを唄いかけて、呼び止められる声に反応し。飛び跳ねて居た足を止める]
何ぞ用とね?
[建物の上から見下ろすようにしながら首を傾げた。警戒するでもなく、飄々とした雰囲気を漂わせている]
[立ち止まった狐面の足元からそれを見上げるように立ち止まって。
口元は笑っているが目は挑発するようなそれ]
用、っつーか、挨拶しとこうかと思ってね。
…『月』の…いや『死神』のカードマスターさんに、さ。
[はっきりとそう告げて、すぃ、と手を動かす。漆黒のロッドが手の内に現れるが、そのまま動かずに相手を見つめたまま]
[カードが移ったことは残っている全ての者が知っていること。故に改めて言い直されても動揺することは無い。むしろ嘲笑う気配を漂わせ、仮面は眼下を見下ろす]
じゃからどぎゃんしたっちゅーね。
どんカードが誰に移ろうが大したことやなかろ。
[相手の手に現れた漆黒のロッドに一度視線をやるも、しゃがみ込み見下ろす体勢は崩さない]
そんとも、おまはんはルールば破るん嫌いな真面目はんかいね?
[相手の醸す気配に小さく舌打ち。余裕を見せる相手に気圧されぬように目を細め]
別にカードが誰に渡ろうがかまわねぇさ。
弱いもんは潰される、それが決まりだ。
あんたがルールを破ったのも今更どうでもいいしな。
でも、気にいらねぇ…
[目は睨んだままで口角を上げる]
あの女、「いい声」聞かせてくれそうだったのによぉ。
取っといた「お楽しみ」を持ってかれちゃ、腹も立つってもんさ。なぁ?
そげなこと、ワシにゃ関係なか。
おまはんの都合なんぞワシ知らんけぇ。
[そんなことも分からないのか、と言うような呆れ声。小馬鹿にしているのは明らかだろう]
そげにあん管理者はん気に入っとったんじゃったら、さっさと会いに行きぃ。
こん『デュエル』ば脱落してのぅ。
[言って、かかか、と盛大に笑い声を上げた]
…あんたがなに考えてんだかしらねぇし、興味もねぇけど、よぉ。
[明らかに馬鹿にされているのに気付いて眉を寄せる。
そのあとに続けられた言葉と笑いに何かが切れた]
…その態度が気にいらねぇんだよ!
[叫ぶなりロッドを振り上げ空気の刃を一つ飛ばして]
おまはんに気に入られる気ぃはさらさらなかとよ!
[飛ばされる空気の刃を見、しゃがんだ状態から足場から飛び跳ねる。空気の刃を避けながらカルロスの上空を飛び越えるようにし、空中で一回転してから反対側の建物へと飛び移った。その最中、一回転した位置から地上へと落ちる影が一つ]
今おまはんの相手ばする気はなかよ。
そげにあん管理者はんと戦いたいんじゃったら、それでも相手しちょお。
[空中から落ちた影は優雅に地面へと着地する。顔を上げた影、それは彼の管理者の姿。得物である大鎌を手に、静かにカルロスを見据えた]
[避けられるのは予測していたから、飛び越える動きを外さぬように追って。
着地を狙おうと構えた所で影が分かれ。それが取る姿に小さく舌を鳴らす]
これがあんたの手かい?
[小さく呟いてロッドを振り下ろす。刃が飛んで影を刻んだ]
影の相手をしてもしょうがねぇさ。こいつじゃ意味がねぇ。
[手首を返してロッドを消滅させ、狐面を見据えて]
俺も本気でやりあう気はねぇさ。
今のままじゃあんたに挑むのも無謀ってモンだしな。
[だけど悔しそうな表情は隠せない]
いんや、おまはんが喜ぶか思うて。
[物凄く真面目な声で言った。影とは言え管理者の姿をしたそれはただの人形ではなく。刃に刻まれると同時に大鎌を振りカルロスを横薙ぎに切り払おうとする。けれど刃先が届く寸前、大鎌も管理者の姿も溶けるように容を崩し、宙へ霧散した]
そらまた、随分評価されちょるようじゃの。
褒め言葉として受け取っとくき。
[悔しげな表情を見下ろし、纏うのはやはり嗤う気配]
ほんじゃワシゃこの辺で暇するけぇ。
流石ん囲まれて集中攻撃ばされたくなか。
[そう言って再び建物の上を飛び跳ね始める。最初、カルロスに遭遇した時には男の肩に居たはずの小猿が、いつの間にか居なくなっていた]
[管理者の姿のそれが動くのを僅かに避けようとして、消えるのを見届けた後でまた狐面を見る]
お気遣いどうも。
でもどうせなら生身の方がいいんでね。
[精一杯の虚勢は、だけどやはりどこか感情を隠せない]
さすが「管理者」を落としただけある、って言っておくよ。
どこに居たってあんたは狙われる。
解っててやったんだから覚悟はしときなよなぁ。
[今度やり合う時は、と言う思いを秘めて、屋根を飛んでいく背中に言葉を投げてそれを見送る]
……ったく、マジで食えねぇ奴だな、あれ。
[悔しさを隠さずに吐き捨てて]
[背へ投げられる言葉はしっかりと男に届いていて]
何ばために管理者落とした思うとるんじゃ。
そげなこと、百も承知じゃ。
ルールば破った代償背負うんは、当然じゃき。
[今は離れてしまったためにカルロスには届かないだろうが、そんなことを口にして。愉しげな笑いを漏らした]
[しばらく建物の上を飛び跳ねていると、どこからともなく肩にぴょいと小猿が現れた]
おぅ、エイキチごくろーさん。
さぁて、次ぁ誰ん姿ば使こてやろかねぇ。
[降り立った建物の上で足を止め、天を仰ぎ。次に行う『悪戯』について考え始めた]
あれに挑むならよっぽど考えねぇと、な。
ったく、面倒だったらありゃしねぇ。
[がりがりと髪をかき回す。よほど悔しかったらしい]
……ちっと頭冷さねぇと拙いな。
冷静さを欠いちゃいけねぇ、ってのに。
上手い具合に乗せられた、か…まだまだだねぇ、俺も。
[そう言ってその場を後にする。
頭を冷やすためにまた川にでも行くのだろう**]
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