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[ぼんやりと思い更ける合間、現れた白の舞手に蜜色をかすかにゆらす。
伸ばされた手には貸すかな戸惑いも見せたけれど、かといってその手を払い除けるわけでもなく、ただその指先が髪を調える様子をまるで猫のように機嫌良さげにされるにまかせよう]
[礼を音にしようとした唇はわずかに揺れるのみ。
音にはならずただ幽かに空気を揺らし、そして行く背を見送るのみ]
[小さな音に振り向けば、童子が茶請けを運びしところ。
傍に置こうとするを琥珀が見つめれば、首を傾げて見返す瞳。]
ああ、すまぬ…否、ありがとの。
[迷いながらも手を伸べて、ようようぎこちなく頭撫でてやる。
童子にこりと笑み返し、ささめきながら何処へか。]
[再び川霧に黄昏ておればくう、と鳴いたのは知らぬ獣か己の腹か。
するりと薄い腹に手を添えれば音はもうひとつ聞こえたから漸く川辺りを下がり館へと。
童子に案内されるままに縁側へと姿見せればえいかと雅詠に幽かに頭もさげようことだろう]
[童子と共に現れるその足音と衣擦れに、振り返れば色あであやな海藍が目に入ろうか。]
…ああ、どうもじゃ。
[頭下げられれば瞬いて、魅入られし琥珀をついと逸らす。
白き袖持ち上げる陰にて、口元ついた餡をこそりと拭おうか。]
[さららと整えられた髪を揺らして薄い礼をすれば遠くもなく、といって近すぎもせぬ間合いを持って腰を下ろす。
それを見計らったかのよに童子が茶粥の膳を持ち現れたなら礼をのべるか]
…先ほどは失礼致した。
呆けておったゆえ…十分な礼も申せず…。
[袂から梔子の布を取り出せばゆるく首の裏で髪をまとめ。
口元の案をそろりとぬぐう様子にはほんの少しだけ笑みもこぼれようが、見なかったとばかりに膳に手を合わせ木の匙で茶粥をすくい、よく冷ましてから口へと運んだ]
[海藍ふわり翻り、座すは遠くも近くもなく。
月白ゆるく引寄せて、礼述べる姿へ琥珀を向ける。]
否、こちらこそ…失礼いたした。
どうも我は不躾でいかん。
[袖を下ろして首を振る。指先に髪の柔らかさが蘇ろうか。
ほんの少し零されし笑みには、見咎められたと朱が差して。
琥珀は逃げ場を探すよに、揺れて梔子へと移りゆく。]
[そろりと甘くゆれる蜜色はくすんだ空色の髪とともに。
粥の匙を加えたまま、琥珀のさま様子をしばしほほえましいとばかりに眺めてはいたけれど不意の問いに蜜色はわずかに瞬きながら最後の一口を飲み込んで]
…星?
[膳が運ばれ、薄荷茶の椀と干果の盆が変わりにおかれれば童子たちの手際のよさに少し肩もすくめよう。
微かにすうとする茶を一口飲んでから、やや少しためらいつつ]
…定かではないが。
我の記憶はこの地に招聘される前で途切れておる。
……我は、星に捧ぐために舞っておった。
[ぽつりとつぶやいて、もう一口]
そう、星じゃ。
我は呼べぬが、そなたは呼べるかと…そう思うての。
[甘くゆれる蜜色を、空色の髪を視界の端に。
琥珀は半ば伏せるよに、ぽつりぽつりと言の葉紡ぐ。]
この地には星がない。
星を呼べば…あるいはと、そう思うたのじゃ。
…そうか、途切れたままであったか。
[申し訳なさ気に琥珀をあげて、蜜色を見つめ。]
そなたは…「ほしまつり」の舞い手であったのやもしれぬな。
[記憶のよすがになるであろうかと、小さく呟いた。]
[森の樹のうえ]
[起き上がる]
[つるつると濡れて滑る樹に]
[器用にのぼったのだろう]
[行きと同じく帰りも楽に]
[するするする]
……おなかすいたけ、館に戻ろ
[ふわり]
[最後にちょっと宙にういて]
[膝を曲げていきおいを殺す]
[意識は今ははっきりと]
[正しきことを理解して]
[望む望まぬは変わらなく]
[正しいもので塗り潰された]
[だからこその恐怖もあったのだけれど]
[なってしまえば]
[もう無き事か]
どうであろうの、そちに呼べぬものを我が呼べるとは思えぬ。
それに…星があろうとなかろうと、我らには成す術等ないようにも思うが。
………ただ…ただ、我は。
我は…「その舞」を舞えば聖と同じ定めと知っておったから──それゆえに舞ったことを覚えておったのかも知らぬ。
[ふ、と小さく苦笑をこぼしながら髪の結わきを解いて、そして瞬きひとつしようか]
…ほしまつり。ああ、そのような名であったかもしらぬ。
名などどうでもよいと思っていたのも、覚えておるよ。
[梔子のきれを指先に絡めてほつりとつぶやき長い瞑目をひとつ。
ゆるりゆるりと吐き出されるその息は自らを鎮める韻を微かに含んだだろうか]
ひとりはさみし
ふたりはこいし
[歌うというより語るような呟きを零しつつ]
みえぬこころに
よるもおわらず――
[伏せし眼開けば臙脂の色が見えようか]
[つんつんと花をつついては]
[やがてちいさな声きこえ]
[そちらを見やると、にこりと笑う]
あやめねえさま!
どこか行くん?
[立ち上がって]
[ぬかるむ地も軽々と]
[ねえさまのそばへ]
それは買いかぶりというものよ。
我は「ほしまつり」に招かれたわけではないゆえの。
…じゃが、そなたの言うように。
何をなそうと、天狗の手の内には変わりないのやもしれぬ。
[俯くように吐息零すも、続く言葉に瞬いて。]
聖と同じ…そは……?
[零れる苦笑見れば、問うは小さかろう。
解かれた髪が揺れるに合わせ、琥珀も揺れる。]
[布切れ絡めるその仕草を、息吐く様子をただただ見つめて。]
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