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―広間―
[口々に伝えられる事情に、思いっきり顔を顰め、え?と]
…みんなで口裏合わせてからかおう…ってわけじゃなさそうだな。
自衛団長が亡くなっちまった…って…。
[一度、イレーネの方へ視線を向け、その表情を見て]
なんで、人狼の仕業だとわかった?
[事故じゃないとわかるにせよ、だ、と付け加え、
自分はどかっと広間の椅子に腰を下ろす。
どこか最後まで寝惚けたままだった頭の一部が、すっと冷めていく]
……とりあえず、後者の最悪は避けれるよう、釘を刺しては見ましたが。
恐らくは、俺たちで対処しろ、という事になるんでしょうね。
[エーリッヒの言葉に、疲れたようにこう言って。
彼の言葉に、言われてみれば黒髪の修道士を見てはいないな、とふと思う。
向かいの部屋の様子を確かめる余裕など、さすがに先ほどはなかった]
って……。
何か、ご存知なんですか?
[それから、紡がれた短い言葉に。
僅かに首を傾げつつ、問いを投げた]
傷痕からの判断ですよ。
[ハインリヒから投げられた疑問に、思い返すのは白の中の真紅]
俺は、最初の犠牲者の傷は見てはいませんが。
……ギュンターさんの受けた傷。
あれは……普通の獣や、人の手だけでは成しえるとは思えませんでした。
―広間―
[昔馴染はこちらを見ない。
だが常のように問い詰めに行こうとはしなかった]
フリー。
…分かってるよな?
[低い声で釘を刺しはしたけれど、それだけで視線は外れた]
[オトフリートの呟きのような台詞に、頷きは返さなかった]
……力があったら、
[ただ、ごく小さく声を漏らしただけ。
緩く頭を振って思考を振り払い、誤魔化すよう、相変わらず恐る恐るながら黒猫をひと撫でして、暖炉近くの椅子のひとつに腰を下ろす。
嘘の苦手な少年は、口を噤んで、皆の話を*聞いていた*]
む、発動って言うと、人狼と対抗するっていう…
[そこで口をつぐんだ。小声ではあったが漏れ出たのだろうか
気にせずエーリッヒの言葉に反応する]
だね。俺も嫌だな。そんな子供。
どう探すかはわからない。耳とか尻尾とか生えてるとかならそれ探せばいいだけだろうけど。そんな簡単だったらすぐ見つけてるよね
[やる前から諦めるのはどうかと思うがすっぱり諦めた]
対応は…ぁー
[思わず垂れてため息を吐いた]
最悪はか…。
どっちにっせよいい状態ではないな。
[前者が示すことも、あまりいい状態とはいえない。
団長だけじゃない犠牲者が、これから増える可能性も十分にあるのだから。]
んっ?
[不意に聞こえたオトフリートからの疑問の声]
いや、さっき言ったとおり聞いた話についてだ。場って言葉で、思い出したことがある。
人狼とそれに対抗する力、あと月だったっけかな、条件がそろうと殺し合いすることになるとか。
なんかそんな話。
曖昧で悪い、こんなことならしっかりとあの時話聞いとくべきだったな。
[その後は交わされる話を聞くでもなく、広間を見渡す。
隅のソファでうとうとしているローザが目に止まり、微かに笑んだ]
毛布、何処にあったかな。
[誰にともなく言って、廊下側への入口へと向かう]
……ああ。
わかってる、よ。
[低い声の釘刺しに、返したのはため息混じりの言葉。
話す、と言った事。
状況が状況だけに、誰かには話さなくてはならない事。
今の自分の状況を鑑みるに、付随する『厄介事』を隠すのは無理だな、と半ば諦めてはいた]
[フォルカーの反応には、僅かに目を細めるものの、何も言わず。
猫は大人しく撫でられ、なぁう、と、案ずるような声を上げた]
さすがにこんな状態でその冗談は…いや、俺ならいいそうとか思われそうだけど
[ハインリヒに疲れたように説明して垂れるのをやめ、人狼という説明はオトフリートに任せ、更にオトフリートの体調はヘルミーナに任せ…という任せまくりで起き上がり、ふらふらっと広間から出る]
―広間―
あっ。何枚かは持ってきたけれど。
もう少しあった方がいいのかしら。
[ヘルミーネの声にガタンと音を立てて腰を浮かせ、ソファに置いた分を示す]
浴室の隣が倉庫で、まだ置いてありましたけど。
―広間―
―。
[オトフリートの返答に、言葉ではなく深いため息を]
御伽噺…じゃぁなかったって…ことか。
[厳しい表情で呟いたのは、ユリアンが先ほど言ったのと同じ言葉だった。
こう言う場合、余所者が真っ先に疑われるのはわかりきった事。
しかし人狼とやらが本当にいるとなれば、捕まえるかしなければ
状況は悪くなる一方なのも、事実なのだろう]
…せっかく、朗報があるってのに…なんてこった。
[苦々しい表情で呟き、見つけたこの村の可能性を潰さぬためにも、
自分が出来ることは何かを考え込む]
……まったくですね。
本当に、なんでこんな事になるのやら。
[エーリッヒの言葉に、は、と一つため息をついて。
続いた話に、ひとつ、瞬く]
……条件が揃うと殺し合い……ですか。
あんまり、嬉しい話ではないですね。
[もう一つ、やや大げさなため息を吐き出すと、ゆっくりと立ち上がる。
わずかに眩暈は感じるが、立って歩くには十分だった]
……ちょっと、部屋に戻りますよ。
気になる事が、でてきたんで。
─広間─
っ、フォル、ボクは───。
[目元からタオルを外し、囁きに何か言いかけて、それ以上言葉は続かなかった。ゆる、と一度首を横に振ると、代わりの言葉を紡ぐ]
…ありがとう、フォル。
[言ってくれる言葉自体は嬉しかった。返した笑みは、どこかぎこちなかったけれど]
確かに、耳とか尻尾あれば分かりやすいのにな。
[返す返答は棒読みだったかもしれない]
まぁ、でも気持ちはわかるな…。
[ユリアンの様子にそう返す。
実際どう探せばいいのか、そんな方法自分は知らない]
朗報って…?
[ハインリヒの言葉は気になったのでそう聞いた]
嗚呼、そっちにあったか。
[エルザの声に振り返り、気がつかなかったと苦笑した。
示された方に向かう方向を変えて]
まァ、今は大丈夫かな。
必要な奴がいたら取りに行くよ。
[浴室の隣にあるというのは耳に止めておいた。
毛布を広げ、ローザに掛ける]
……本当に、御伽噺ならよかったんですけれど。
[ハインリヒの言葉に、掠めるのは苦笑。
けれど、言葉自体は本心からのもの。
朗報、という言葉には、不思議そうに瞬くものの。
問うている余裕はなかった──主に、体力的に]
……ああ。
ユエは、ここに。
そんなにしないで、戻りますから。
[じぃ、とこちらを見る猫には、笑いながらこう言って。
ふら、と広間を出た]
人狼と…対抗?そんな力があるのか。
[ユリアンの言葉を聞くと、少し驚いた。同時に何か引っかかるものを覚えたのだが、原因はよくわからなかった。
広間から出て行くユリアンを目で見送って。
エーリッヒの言葉、条件がそろうと殺しあう、には眉をひそめた。]
月、月か…。
そういえば昨日の夜は満月だったんだよな…。
人狼と満月か…好条件な組み合わせっていうのかな、こういうの。
―広間―
そうだったほうが、十分ありがたかったんだがな。
[こんな状態で冗談は…というユリアンへはそう返して小さく肩を竦めた]
お前さんならやってくれそうだと思ったんだがな。
[ふっ、と力なく笑って、―冗談だ、と。
それからふらふらと出ていく後ろ姿を見やって首を振る]
[オトフリートがため息を付く様子には、無理もないなと思った。]
聞いた話があっていればだけどな。
[続いた言葉と大げさなため息にそう返し]
俺も御伽噺とか、そんな話の類と思ってきちんとは聞いてなかったからな。
ああ、気をつけてな。
[オトフリートの様子は、あまり体調がよさそうに見えなかった。
なので部屋で休むのだろうと思っていた。]
むしろ最悪の組み合わせなんじゃないのか。
[ダーヴィッドの言葉にそう返してから]
人狼が動いても、うちらになんの得もない。
今こうなってるのも、そのせい?なんだしな。
―広間―
いえ。私も気がつかなくて。
[ヘルミーネに首を振る。
左肩がじわりとして無意識に手を置いた]
ユリアン?
[ふらっと部屋から出てゆくのが見えた。
こんな時でなければいつもの気紛れとも思ったのだけれど。
何となく気になって後を追いかけた]
んあ?ヘル姉も同じ事考えてたんだ
そんで更に毛布はまだそこにあった…と
[廊下のところまでいって、振り返り見て言う。
せっかくだらけて立ち上がったのはなんだったんか。]
ま、俺がやるよりいいよな。真面目なことは似合わないしな。
[ヘルミーナがローザに毛布をかける様子に一つ自分で頷いて納得する]
だってそのほうが楽だしなー。できたらだけども
[棒読みのエーリッヒに答えて]
冗談は今日の朝一時売り切れになってたみたい
[同じような笑みをハインリヒに返して、そのまま台所。
ウェンディがいたら軽く挨拶しつつ勝手口から外へと出た]
―広間―
[毛布を、と探すヘルミーネに、ソファで寝ている様子のローザを見て
一気に疲れがやってきた気がした。
そして、毛布の場所を教えるエルザの声に、全く違うはずの記憶の声が重なって、
片手で顔を覆った]
そうだな…とんだ、とばっちりだ。
[前半の同意は、オトフリートが去り際に言った言葉に返したもの。
後半のぼやきは…誰にともなく、宙へ向かって]
─広間─
[離れて行く幼馴染の温もりが寂しかった。けれど暖炉の傍に座る様子に、少しだけ安堵の息を零す。視線を下に落とすと、再びタオルで目元を冷やし始めた]
[周囲の会話は半分以上聞いていない。途中から耳にして、どれだけ理解出来ただろうか。再び話題に上がる”人狼”と言う言葉には、タオルの下で眉根を寄せた]
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