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─台所→広間─
……え?
あ、ああ。冷めないうちに、どうぞ。
[ふ、と思索に沈んでいた所にかけられた、声。
はっと我に返り、こう返した頃にはイレーネは既に広間に戻っていた]
……悩んでいても、始まらん、な。
[ため息とともにこんな呟きを落として。
沸いた湯で茶の準備を整えると、それを広間へ運び。
もう一度戻って、猫の食事を手に取った。
当の猫はユリアンが着込んでいる間は、しっかりボール扱いで遊んでいたりする訳だが]
心配かけて悪いな。
ちょっと団員ともめただけだ。
[ちょっとどころの騒ぎじゃなかったけど。
目撃していたイレーネはどう思っただろうか?]
今は大丈夫、落ち着いた。
大人しくするようには…、努める。
いきなり閉じ込められて、人狼だ、だもんなあ。
気持ちはわかる。
……だが、早まった事はしない方が……って、俺が言える事でもねえな。
[淡々と食事を口に運びながら、淡々と、――少し、苦笑交じりに。
イレーネからエーリッヒに向けられる視線が気にならないと言ったら、ウソになるが。
オトフリートが広間にその姿を現わせば、ひらりと手を挙げた]
先に頂いてるぜ。
ありがとよ、天文のセンセイ。
―二階・廊下―
上手に使ったのね。
[騒動の事は知らなかったが、サラリと言うヘルミーネに愉しそうに笑った]
ありがとう。
お湯に余裕があったら、私も身体まで拭いてしまおうかしら。
[快諾を貰うと一緒に歩き出した]
[イレーネのジト目には視線をそらしつつ]
んっ、うまいなこれ。
オトフはどこ行ってもやってけそうだな。
料理の才能あるやつは、それで食っていけそうだしな。
[話を逸らすようにそんな話題。
視界の端では、ユリアンが猫に遊ばれていたかもしれない]
―少し前―
うんまぁ。忘れてくれると有難いんだけどなぁ。
[イレーネにも指摘され、遠く明後日の方を向いた。
昔っから血は駄目だった。人は当然だが、動物やら肉から落ちる血も駄目だった。
なんでこんなに血が駄目なんだろうと、自分でも不思議に思って両親に聞いたが、二人とも首を傾げるばかり。唯一答えをくれたのは、もう亡くなった祖母だった。]
『お前が男だから。女だったら血に強かったのにねぇ―――』
[そんなことを最初に心底残念そうに言われたので、母親の服を着たらものすごい勢いで母に怒られた。
生涯最初で最後の女装目撃者が母でよかったとは後になって思った次第。
そんな昔の記憶の断片を、ちらっと思い出しながら歩き、一緒だったイレーネを見送ってから、自分は手伝い禁止なので広間の方へと行きかけて。]
…とと、鍬だしっぱなしだったな。
[一旦入り口の方に戻ってから外に出て使った物をしまった。大回りしたのは料理の邪魔をしない為。]
水汲みもしないとなぁ。…まぁ後でいいか。
[そうして鍬を納屋にしまってからまた入り口から回って中に戻ると、広間へと入っていった。]
─広間・暖炉側─
[呼ばれた猫は、遊び飽きたか食事を優先したのか。
なぁ、と鳴いてこちらへと]
ああ、いえ。
現状で、俺にできるのはこれくらいですから。
[ライヒアルトには、笑ってこう返して。
エーリッヒの言葉には、僅かに苦笑する]
どこ行っても、って。
……俺はもう、ここを離れる気はありませんけどね。
ああ、今の処遇は納得いかないな。
[ライヒアルトの言葉に同意するように返しながら、
口にする食事は暖かく、心もゆったりとした気分になっていく。
広間にダーヴィッドが入ってくると]
さっきは世話かけて悪いな。
[そう声をかけた]
まァね。
どうせ暇そうだったし、使わにゃ損だろう?
[本当に暇だったのかは兎も角、にやりと笑ってみせる]
そうするといい。
足りなかったら、また沸かさせりゃいいさ。
[などと言いながら、相手に合わせて歩みを再開した]
― →一階・浴室―
―浴室―
そうね。
あんな話でこんな扱いをするんですもの。
その位はしてくれてもきっと罰は当たらないわ。
[そして浴室に着いてから]
…あ、拭く物を持ってこなかった。
[普段ならばしないような失敗に額を押さえた。
使えるように置いてあるなら一枚借りようと脱衣所の中を*探す*]
─広間─
[もぐもぐもぐ。何も言わず食べ続けたのは、食事の場の雰囲気を必要以上に悪くしないため。家事をする側として、食事時に険悪な雰囲気が漂うのは避けたかった。その代わり、目で訴えていたけれど]
あ、ダーヴさん、ご飯出来てるよ。
[姿を見つけて、手を振った。猫に餌をやるオトフリートには]
オトさん、これすっごく美味しい!
今度レシピ教えて貰っても良い?
[レシピが知りたいと、強請るよに言った]
―少し前・台所―
[戻って来たらオトフリートとイレーネが食事を作り始めるようだった。
邪魔をしてはならないと、早々と退散することにした。
フォルカーの掃除には大変感謝をし、転ぶ心配までさせてしまった心の神には、何度も何度もお礼を言った。
騒ぎはよく知らぬままに、誰かと会えば挨拶を。
一度部屋に戻り、体をほぐすストレッチをして、身だしなみを整えた]
―広間―
よう、丁度いいタイミングみたいだな…ぶ!
[運ばれる料理に、機嫌よい顔をして中を見たら雪だるまならぬ服だるまがいたので吹いた。]
誰だお前!?ってユリアンかよ!
部屋の中でそんな格好熱くないのか?
[暖炉のある部屋だと、汗でもかいてんじゃないかと思いつつ。
イレーネに手を振られると、おーと返して空いた椅子に腰掛け、盛られた皿から自分の分を適当によりわけた。]
ありがとなー嬢。作ったのも嬢か?
[と尋ねたりしながら、エーリッヒの声が聞こえると、いんやと手を振り返して。]
騒ぎに担ぎ出されるのも仕事のうちだからな。慣れたもんだし気にすんな。ただ…いやいいや。うん。あんまり団員を刺激するような真似はしないでくれると助かる。
[詳細を語らなかったのは、蒸し返すのはどうよというのと、食事の途中で口にする話題でもなかったからだ。
気を取り直し食事を前に置いてから。]
いただきます。
[きちん手を合わせるのは習慣だ。]
確かに、飯を食う事くらいしかやることがないってのは事実だな。
[オトフリートの言葉に、しばしの間考えてから、そんなことを返した。
新たにやってきた自衛団の青年――ダーウィッドの様子には、相変わらずだなと口元を緩めたりしてみる]
─広間─
ううん、作ったのはオトさん。
ボクは食器並べたり運んだりしただけだよ。
[ダーヴィッドの問いに、ゆるりと首を横に振った]
オトさん、手際良いし料理も美味しいの。
羨ましいなぁ。
[料理を食べる度に目が輝いている]
―浴室―
…おや、珍しいねェ。
[エルザの上げた声にはそんな言葉を。
自分の抱えたものを捲ってみるものの、当然ながら一枚しか無い]
確か備え付けのやつが無かったかな。
[そう言いながら自らは身に着けているものを脱いで、一足先に浴場の方へ]
─広間・暖炉側─
[広間にやって来たダーヴィッドには、どーも、と短く挨拶をして]
ん、レシピですか?
正確な分量とかはない適当ですけど、それでもよければ。
[レシピを知りたがるイレーネの様子に、くすり、と笑う。
先ほど、手元を覗き込んでいたのも、その辺りかな、と。
過ぎったのはそんな考え]
―2階・個室―
[机の上には広げられたまま、所々マーキングされた数枚の地図。
それから砕かれた鉱石と、数本の試験管に少量の試薬。
それと…少々荒い文字で所見の記されたノート。
しかし地図にマークをし、鉱石を砕いて試薬を使い…
それらの所見を記した人物の姿は机の側にはなかった。
ではどこにいたかというと…ベッドの上に大の字になって大いびきをかいていたわけで。
きっと、そのいびきはかすかに廊下にも漏れていたのだろう]
……まあ、そうですよねぇ。
[ライヒアルトの言葉に、肩を竦める。
考えるような間は、特に気にした様子もなく]
それでもまだ、夜に晴れてくれれば、俺はマシですが。
他の皆さんは、そうも行かないでしょうし。
[ユリアンに律儀に突っ込むダーヴィッドの姿には、さすがなと思ったとか]
ああ、悪い。
変わりに向こうにも、同じこと言っておいてくれると助かる。
[ダーヴィッドが容疑者でありながらも、自衛団員であることから、
そんなことを頼んだり。
他の自衛団員と違い、まだ好感が持てるのはその人物ゆえか、同じ容疑者の立場からだろうか。
オトフリートからの返答があれば]
そうだな、オトフにはここで天文学者やってるのが、一番あってるのかもしれないな。
ああ、悪い意味じゃないぞ。
―2階・個室―
…ぐかっ………んぁ……あ?
[自分のいびきにびっくりして目を覚ます。
ある程度見当をつけてベッドに倒れこんだのは一体何時頃だったのか。
そもそも、倒れこんでから今の今まで夢すら見ないままだった]
っあ…今何時だ?
[薄ぼけた視界を巡らして髪をぐしゃぐしゃとかく。
ある場所にない時計を探しながら、そこが自分の部屋でも、
慣れていた宿の部屋でもない事を思い出した]
あー…そうか。
[よろよろと立ち上がって大きな欠伸を一つ。
ぱちん、と頬を叩いて何度か瞬きをくりかえした]
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