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[雅詠が運ばれていくのを見送り、ひとつ息を吐いて、座敷へと入る。縁側に並ぶ二人の様子に、僅かに首を傾げて、少し離れた場所に腰を降ろした]
なんも違わんに
[それはそうだと信じたいと]
[願いが多く含まれて]
みんなわらっとったら、きっと幸せじゃに
[呟きと、草を食む音]
……やっぱり、 。
[返りし答えに、琥珀はひとつ瞬いて。
首振る姿にあわせるように、ゆらりと揺れる。]
逃げて……そうか。
…怖いものでもあったのか。
[怯えることなきように、そうと目線合わせてかがみこむ。
優しく触れもせず、宥める笑みもない。
されど琥珀は真摯に紅緋と向かい合おう。]
あ。待って!
[うさぎがぴょこぴょこと跳ねていく]
[その後を追う]
[だけれど、どこかそれはゆっくりと]
[やがて兎は草葉に隠れ]
[そばにあった樹に登る]
[館まで戻るのも可能なのに]
[*あまり戻る気にはなれずに*]
〔髪を梳く手はいつしか背へと下ろされて、
撫ぜるは母が子をいつくしむのと同じやう。
朱唇から零れしは懐かしきこもりうた、
風に乗りて聞こゆ笛の音も途切れれば、
微かな鈴の音と合わさりて静かに響く。
涙零す蜜色が閉ざされれば眠りに落ちしか、
身体を離して童子らに寝床の用意を頼む。〕
[真直ぐに向き合う琥珀に。
紅緋は揺れて。
労るような様子がない事が、逆に、安堵を呼び込んだか。
ほろ、と。
紅緋から雫がこぼれ]
……逃げるものでは……たぶん、ないの。
こわがるものでも、きっと、ないの。
[でも、と。
掠れた声が、こぼれ]
風漣には……こわいことなの。
やさしいものは、こわいこと。
…涙零せるならば、泣くが良い。
心の澱を流してくれよう。
[紅緋から雫がこぼれるを、琥珀は静かに見つめたまま。
拭うことなく頬伝うに任せて、擦れた声に耳傾ける。]
…そうか、そうじゃな。
冷たいは怖いが、優しいも怖い。
[想うことでもあったのか、琥珀はどこか遠くを見やる。
ややあって紅緋へと視線戻せば、琥珀は僅か潤もうか。]
ただ冷たいなれば、こちらも心凍らせよう。
されど、優しゅうされれば情移り、離れられれば…何をやいわん。
…我も、未だ優しいは恐ろしきかな。
[ぽつりぽつりと言の葉零すも、涙の雫は零れはせぬ。]
[泣くが良い、と。
言われるまでもなく、というところか。
紅緋からは、先ほどまで堪えていた雫が零れ続けて。
それは、既に抑えるには至らぬ様子]
うん……つめたいの、かなしい、けど。
やさしいのは……あったかくても、いたくて……だからっ……。
だから、いらないのに……たくさんは、いらないのに……。
[ほろほろほろろ。
雫と共に、止め処なく。
零れ落ちるは、押さえしこころか]
ああ、まあ、ちょいとね。
おかげで、身体が痛い。
[くす、と笑って、首を回す]
坊達も、何やら困っているようでしたがね。
[視線は、未だ虹佩く空へと移る]
それは御疲れさんだね。
[手の甲を口許に当てて真似するように笑いを零す]
皆、惑い、迷っているのだろうね。
ゆくもかえるも、心次第とは言えど、
己があり、他がある以上、心揺れずには居られぬ。
[言うまでもなきことであったか。
雫はほろほろと零れ、ぱたぱたと藍白の小袖に沁みてゆく。]
あったかくても、そなたには痛いであったか。
なれば…つらかったの。
くれるというを拒むは難しや…。
[零れ落ちる涙も、こころも、琥珀はただ見守るのみで。
その場を動くことなく、零れ落つ言の葉に耳を傾ける。]
……なにも、かえせぬから。
やさしいことばにも、あたたかさにも、なにも。
風漣は……何者でもない子で。
ただ、あやかしの力を持つだけの子で。
[だから、と。
その後に言葉は続けられず。
ふわり、被せられた月白の陰。
ただ、ほろほろと雫を零して]
昔は、ですかい。
[答えを期待してはいなかったのか。ただ、そうとだけ繰り返して、男は童子の運んで来た茶に口をつける]
お前さまに惚れられる男は、そうそうざらには居そうにないやねえ。
[大人の丈であるそれは、風漣が被ってもまだ踝まであるだろう。
そは赤子を包むがごとく、母が子を抱くがごとく。]
こわいであれば、傍に居よう。
…我は、優しゅうはないからの。
[傍にあると言うた時点で、矛盾しているやもしれぬ言葉。
されど本人はいたって本気で口にしておる様子。]
……じゃがの、そなた返せと言われたか。
言われたでなくば、返さねばならぬではなかろ。
無理にかえそとしても、いらんと言われるやも知れぬぞ。
[紡ぐ言葉に耳傾けて、言うはどこかがずれたこと。
されど、それもまた真の一面やも知れぬ。]
…風漣は風漣じゃ。何者でもなくはない。
あやかしの力持つなれば、なおさら何かを出来る者であろ。
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