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ゼルマさん、飯あるか?
[木こりは女将ではなく老婆の作る食事目当てで顔を出します。
もう覚えてもいない母の味を思い出す気がするのでした。
女将さんは年が近くて母の味とは二重の意味で言えません。]
そうだな。
長く旅をしているが、こんなにきれいな月を見たのは初めてかもしれない。
[感心したように言って、旅人は空から目を戻しました。
ちょうど、宿に入っていくだれかの姿が見えたでしょうか。]
[声をかけては見ましたけれど、返事はありません。]
まったく、もう……。
[ため息をついていると、ゼルマを呼ぶ声が聞こえてきました。]
あら、ドミニクさん。
お食事の準備は、できているようですわ。
ご用意しましょうか?
おや? ドロテアにドミニクもやってきたのか。
[いつの間にか宿屋は、随分と賑やかになっていました。
テーブルを見れば、神父が舟を漕いでいる様子です]
ホホ、みんな狼が怖い訳でもなかろうに。
[しかし、肝心のホラントの姿は、そこにはないようです]
[木こりが宿に入ると、ドロテアが牧師を見ているようでした。
そして片隅にゼルマがたたんでくれたらしい、上着が一つ置いてあります。]
……爺さんの上着、だっけ。
かけてくれたんだったかな。
[後で返さないといけないと思っていると、後ろから声がかかります。]
[ゼルマが宿に人が来たのに気づいたのはヴァイスが居なくなってしまったからでした。それほどに掃除に集中していたのです。]
あら。誰か来たのかしら?
[階段をえっちらおっちらと降りて遅ればせながら出迎えます。
入口には幾人もの人がやってきていました。]
まあ、こんな時間に勢ぞろいして、しかも組み合わせが珍しいわね。まあともかく入って頂戴。
おやおや。
牧師殿はお疲れかな。
[メルセデスが眠っているのに気付いて、旅人は口許を緩めました。
それからとんがりぼうしを脱いで、宿屋に来ていたひとたちに、ぺこりと頭を下げます。]
おう、ドロテアさん頼む。
[申し出に木こりは頷きます。
調理器具を壊したら怒られそうだと思っているのです。]
狼より、ゼルマさんの飯を食いっぱぐれる方が怖え。
あら、御隠居様。
それに、皆様お揃いですのね。
[やって来た人たちに、丁寧にお辞儀をします。]
ゼルマ様、食事の準備をするなら、お手伝いいたしますわ。
牧師様も、お休み中ですし。
[それから、降りてきたゼルマに向けてこう申し出ます。]
おや、ドミニク。
改まってどうしたね。
[頭を下げるドミニクに、おじいさんはのんびりとした調子で言いました。
そして、頭を上げてというように、肩をぽんぽんと叩きます]
ま、これに懲りたら、お酒はほどほどにするんじゃぞ。
[他人の事は言えないおじいさんです。
そして、顔はニコニコと微笑んでいましたが、その奥にはどうも含むものがあるようでした]
…おう。
牧師さんはちょこまか動くからなあ。
ゼルマさんの飯、食べに来た。
[頭を下げるルイに、短い挨拶を返します。
余計なことを言うのはいつものことです。
ゼルマが降りてきたのを見て、木こりは手を洗うのでした。]
[老人や旅人と連れ立って宿までつくと、羊飼いは、羊毛とチーズを倉庫と食料庫に仕舞いました。女将さんが留守の時は勝手に置いていけばいい約束になっているのです]
やあ、にぎやかになったね。おいらにも食事を頼むよドロテア。
[倉庫から戻ってきて、人の姿が増えているのを見ると、羊飼いは顔見知りに挨拶しながらテーブルにつきました。もちろん子羊も一緒です]
そりゃあ同感じゃなあ。
[狼より食いっぱぐれが怖いというドミニクに、深く頷きを返します。
そして、ドロテアやゼルマが食事の支度をするのを、いつもの席でのんびりと待っています]
[入ってと言ってもルイ以外は村の人ですから、案内を請うまでもなく、てんでんばらばらにロビーや食堂におりました。]
うん、構わないわ。食事はすぐ準備できるけど、その前にみんなに聞いてほしいことがあったから。
女将さんの行方が、知れないの。牧師様が食事を上がっている間に最後の報せが届いてね。あたしの思い当たる場所のどこにも尋ねあたらなかったの。
[いつしか賑やかになった宿。
人々の話し声が聞こえて
眠りかけていた牧師は目を覚まします]
……あれ?
[牧師はきょろきょろと周囲を見回して
ばつの悪そうな表情を浮かべるのでした]
まるでこまねずみだな。
[ドミニクの物言いに返した旅人のことばを、ちょうど起きたようすの本人は聞いていたのやら。
ともあれゼルマのことばにうなずいて、旅人も近くの席に座るのでした。]
[ドロテアの小さな笑いとベリエスの同意を受け、木こりは椅子に座ります。
酒ではなく水を杯に注いだのはちゃんと懲りた証拠でした。
ゼルマの話にはいかつい顔を顰めます。]
女将さんが?
……まさか、狼か。
明日の朝にでも、オイラ森を見ておく。
……え?
[ゼルマの話す、女将さんの話にきょとん、と瞬きます。
けれど、続いた言葉に、違う驚きが浮かびました。]
……ツィンカ、行ってしまったのですか?
あ、はい……わかりました。
[頷く様子は、誰が見てもはっきりわかるくらい、しゅん、としたものになっています。]
おや、そうだったのかい。
[おじいさんは、ゼルマの言葉に驚いた後、自分も悲しいという顔をします]
ふうむ。手掛かりもなく消えてしまったんかのう……。
[そう呟くと、今度はドロテアへ声を掛けるゼルマを不思議そうに見詰めました]
ツィンカ? 昔この村に住んでいたとかいう……。
[けれどどうして今、そんな事を言いつけたのでしょう。
気にはなりますが、聞いて良いものかわからないと、困ってしまいました]
行方知れずだって。
[座ったところで聞こえたゼルマの声に、旅人は眉を上げました。]
宿屋の主人が長らく不在だなんて、おかしいとは思っていたが。
どうしてしまったのだろうな。
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