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[森の入口にある、それなりの規模の公園。
戦場にもかかわらず、木陰の揺り椅子の上、花纏う娘は深き眠りの中。
蔦で編まれたそれこそが、娘を守る盾となるのだが。
傍目には、心地良さそうな午睡に見えるやも知れず]
…お、とうさま。
ロゼは……、
[幸せそうに呟いて、身じろぎひとつ]
―廃墟中央部ビル屋上―
ん〜…さぁて。そろそろ第二幕の開始でしょうかねぇ〜
[高き地より周囲を見渡し変わらぬ呑気な声色で呟く]
……。
[ゆっくりと深く煙を吸い込み、一気に大きく吐き出して、辺りをぐるりを見渡した]
……。
[仕込みは終了した。
次に誰かがこのビルに入り込んできたとき、それが戦いの合図となるだろう。
男は、その手にサブマシンガンを携えると、進入口の全てを見渡せる場所に、警戒を解かぬまま立ち尽くした]
……。
[その相手が1分後に来るのか、それとも1時間後か、はたまた1日後か、それは分からない。
だが、男は焦らない。
血気盛った獲物が罠にはまりにくるのをじっと待つだけだ。
もしも、罠と知り、それでも男の力量を上回る強さで男を凌駕するものが来るのならば、それ以上男に出来る事は無い。潔く負けを認めようと思った]
[夢を見た。
まだ自由に姿を変えることのできなかった幼い頃の夢]
『おめでとう、リィ』
[揺れていた三つの蝋燭。
けれどそれを消すよりも前に。
くらくらするような空気に気分が悪くなってゆく]
『逃げろ!』
[紅色に染まった父の姿。
その向こうには年若い長身痩躯の男。
滲んでゆく二つの影に背を向け、窓から飛び出して――]
─廃墟・ビルの屋上─
[ばさり、と音を立てて翼を数度羽ばたかせる。
ぴょい、と立ち上がって右腕を伸ばしつつ、思いっきり身体を伸ばした]
さぁて、と。
上手く、どっちかに会えるかなぁ。
……途中で、横槍はいんなきゃいいんだけどー。
[そんな事を呟きつつ、ふわ、と舞い上がる。
日差しを浴びた真白の翼は、柔かく風をはらんだ]
取りあえず……森の方、いってみよかなっ。
―廃屋―
[小さな身体が震えていた。
深く刻まれた恐怖は、極稀にこうして浮かび上がってくる]
―!――!!
[苛立って近くの柱を掻き毟る。
疲れて爪を収めたところに漂ってきたのは、焼いたのとはまた違う魚の匂い]
……ちょっとだけ。
[不明瞭な呟きを落とすと、潜り込んでいた廃屋の外に出る。
腹が減っては戦が出来ぬ、なんていいわけをしながら]
[物陰に隠れつつ辿り着いた先にあったのは干物の群れ。
何とも手の出しやすい位置に並べられていた]
…んー。
[罠?と考えるのは状況を考えれば当然のことか。
周囲を何度かうろうろとして、とりあえずの危険はなさそうだと見た]
……よし。
[おもむろに一つを口に咥えた。
軽く引っ張る。何も起きない。
ぱたりと尻尾を揺らすとしっかり咥え直し、ぴゅっと走り去った]
[気流を捉え、高い位置まで舞い上がる。
風の感触の心地よさに、ふと目を細めた]
……そいや、最近は思いっきり高いとこまで行ってないなあ……。
[そんな呟きを漏らしつつ、眼下に広がる場を見下ろす]
……そいや、ここって何でこーなったんだろ。
[今更のように呟いて。
それから、何かに惹かれるように森の近くの開けた空間──公園へと、舞い降りた]
─ →公園─
[カードを手に取り情報を得る。
今のところ動きはないらしい。もしくはその真っ最中であるのか。]
ふむふむ…三枚一度に得るか。二枚ずつか…静観のどれですかねぇ〜
[わたがしをもふもふ食べつつ考える
とはいっても、考えたところで、その考えがだいたいにおいて行動に反映されないのだが]
―何処かの一室―
――安眠妨害、って言いたいところだな。
[軽く首を回す様子は、少し不機嫌なようで]
同じ所に行ったら真面目にぶん殴るぞ…
仕事以外でストレスが溜まるのはゴメンなんでねぇ。
[誰に言うでもなく、欠伸をすると左腕を回すと鍵を開ける。
ポケットからカードを出し、集音機を調節しながら外に出た]
―公園―
…私は、姫ではないよ。
[その寝言に反応した、というよりは、気配がそのタイミングに舞い降りた、という方が正しいだろう。
ゆらゆらと揺れていた揺り椅子の動きが、ぴた、と止まった。
それと同時に薄く開かれる紫紺の瞳]
――…あ。
ああ、夢か。
[改めて現状を思い出しつつ、けれど、椅子から立ち上がりはしない]
…お客様、でしょうか。
─廃墟・建物の上─
風んにーちゃんは今揶揄ったけぇ、もうええの。
孫ぁ気になったば自分から来るじゃろし。
手品んにーちゃんは揶揄い甲斐ばなかかねぇ。
鳥ば連れたにーちゃんも微妙じゃの。
教会ばにーちゃんと表ん嬢ちゃんはおっとりしちょって反応ば鈍そうじゃ。
残っちゅーんは氷んねーちゃんと仕事人のおっちゃんかねぇ。
猟犬ば揶揄う必要ばなかし。
[何だか色々と失礼なことを言いながらターゲットを絞る]
じゃけぇ、戦う邪魔ば出来んしの。
ちょいと様子ば見ん行くか。
[結局特定せず、また建物の上を飛び回ることに]
─公園─
[ふわ、と舞い降り、最初に目に入ったのは蔦の揺り椅子]
……なぁーんで、こんなのが……って、あ。
[惚けた声を上げてそーっと近づくと、耳に届くのは『興味』を向けていた二人の内の一方の声]
お客っていえば、お客なのかなぁ?
……もしかしたら、歓迎されない用事かもだけど。
[しばしの空白を挟み、投げかけたのはこんな言葉。
紡ぐ声は、常と変わらず軽めのもの]
[やれやれ。と、肩を竦める。
其処に誰が居るわけでもないのだが。
屋外に出て、ゆっくりと歩き始める]
せいぜい逃げ回るか…それとも。か。
出来れば見学したいがねぇ。
生憎、あの狐面の様に軽々と飛び回れるほど俺は軽くないからなぁ。
[ぶつくさ言いながら歩きつつ]
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