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おうか、あのね。
みずねえちゃか、ももおばちゃ、しらない?
[問うも、姿無き娘から答えが返るはずもなく。]
……しらないのかなぁ。
じゃ、つかさと、ひょーまって、どこにいるか知らない?
[その問いにも、童女が現れ答える様子はなかった。
だが。]
………ぁっ。
[ぱたり、桜色に霞んだ視界に目を瞬かせると、すぐ傍に黒江の姿があった。]
………くろえねえちゃ?
[呼ぶと、黒江はほんの少し微笑んだようだった。]
くろえねえちゃ。
[じっと、見上げる。]
あのね、くろえねえちゃ。
ねえちゃは、つかさ?ひょーま?
[首を傾げて問う。彼女は違うと答えたか。それとも何も言わなかったか。
彼女にかまわず、絵本を自然と後手にもち小首を傾げ問い続ける。
うさぎもきょとん、まんまる赤い目で見上げ。]
ちえ、つかさとひょーまを『かえし』て、おうちにかえりたい。
だからいっぱい『かえさ』ないといけないの。
うささんは『かえれ』たかな?
[お守りは、後手に。]
ねえちゃも 『かえる』?
[かえしかたは、知っている。
ててっと、いつもの仕草のまま、黒江に近づいて足元に飛びつく。いとこにするのと同じように。
ただその手には、血塗れたぺティナイフが握られて。
うさぎ人形のような瞳で、ナイフを黒江のいのちのしるしめがけてずぶりと突き立てた。]
――――――――――!?
[突き立てた、黒江の体から流れ出たのは、血ではなく桃色の花弁。
まるで覆うように、黒江の体を包み込む。
黒江の唇が動いたような気がした。
だけど声は聞き取れずに。
きょときょとと戸惑っているうちに、包み込んだ花弁はゆっくりふわりと散ってゆく。
全部が風に吹かれて飛んでいったその跡に、黒江の姿は消えて無くなっていた。]
響く、ひびく、鈴の音。
舞い散る、舞い散る、薄紅。
風の巻き上げた、花弁の一部を。
枝の上、差し伸べられた、小さな手がそう、と掴む。
「おかえり。
おかえり?
泡沫なる子。
さくらのいとしご」
手にした花弁に呼びかける、その声は静か。
「おやすみ。
おやすみ?
刻の巡りのその先へ。
輪転が開かれるときまで」
歌うよな言葉。
桜の瞳は、穏やかに。
口の端には、微かな笑み。
ふわり、花弁を撫でた後。
桜の小袖は、同じ色の、帳の内へ──**
─中央広場─
[従妹は手を離し、見える範囲で母親達を探し始める。
必死に捜すその姿を、オレは何もせずただ見遣るだけにした。
不意に桜へと視線を向ける。
何もせず、ただそこに座す桜。
何もせず、ただ見守り続ける童女。
それらが望むものは何なのか。
疑問に持ちはしたが、オレは考えるのを止めた。
無意味だと、そう思ったから]
[そうしているうちに、背後から近付く気配を察する。
振り向くと、最悪の印象を抱く男がそこに居た]
…………。
[オレは何も言わず、不快そうな表情で男を見遣った。
男の反応はどうだったか。
オレの反応よりも、その先に居る従妹の行動に気を取られていたようだった]
[隙を見せた男に、オレは好機と見て空気を圧縮した球を、男の目の前で弾かせた。
男の顔に軽く擦過傷が走る]
…アンタさ、司だったりすんの?
[相手に囁く様に言葉を紡ぐ。
両手はショートコートのポケットに突っこんだまま。
男は何をされたのか、オレが何者なのかに気付いただろうか。
素早い身のこなしでサバイバルナイフを繰り出して来る。
位置が近すぎて、オレはその一撃を完全に躱すことは出来なかった。
避けきれないと思い、左腕を犠牲にする。
ナイフが食い込んだ状態のまま、傷口を閉じ、抜けないようにした]
アンタ、ムカつくんだよ。
殺したいほど憎いんだよ。
だから、目の前から消えてくれ。
[我儘のような言葉。
ハンチング帽のつばから覗いた瞳は憎悪に満ち、口元には歪んだ笑みが張り付く。
抜けないナイフを無理やり抜こうとしたか、諦めて距離を取ろうとしたのか。
離れようとする仕草を見せる男に、オレは右腕を突き出した。
左腕に刺さるサバイバルナイフのように圧縮させた空気が男の腹部を貫く。
それを差し込んだまま、オレは掻き回す様に腕を動かした。
肉が抉れ、潰れる気持ち悪い音が鳴る。
男の意識はどこまで保たれていたか。
最期の力だったのか、左腕に刺さっていたサバイバルナイフを回転させるように捩じられ、オレは流石に苦悶の表情を浮かべた]
ちぃっ…!
さっさと逝きな!!
[低く唸り、腹部から抜いた右腕の圧縮ナイフでサバイバルナイフを握る男の腕を斬りつける。
ナイフから手を放させると、左腕からナイフを抜き、男の左胸へと突き立てた。
そのままの勢いでオレは男を押し倒すようにして地面に倒れ込む。
それに乗じ、突き立てたナイフで男の心臓を抉り取り、隠した状態で一口に生の塊を飲み込んでやった]
[この一連の行動は傍から見れば正当防衛にも見えるものだっただろうか。
けれど、オレが男を殺したと言うことだけは、見紛う事なき事実となった]
─住宅街/死せる前の刻─
[百華の見せる、明るい表情。
過ぎる一抹の罪悪感は、飲み込んだ]
……いや、他者の手を借りてどうこう、ってものではないから。
さて、ここでいつまでも立ち話していてもなんだしな。
俺は、桜の所にいく。
あそこは、色々と集中するのに都合がいい。
[交わすのは、そんな言葉。
無邪気とも言える様子に、このひとは違うかな、などと考えつつ。
途中の道で別れ、公園へと向かった]
あ、っ。
おうか!
[姿を見たのはこれで二回目。
でもおうかはこちらを省みる事はなく消えてゆく。
さくらのいとしご おかえり おやすみ
意味は分からなかったが、なんとなく、黒江の事だろうかと思った。
輪転、泡沫、難しい言葉は分からない。]
いっちゃった……。
[言葉を考えているうちに、勝手に消えた童女に、がっかりした。]
[消えてしまったものは仕方がないので。
気を取り直すように、幹につき立てたナイフを取ろうとしたが、どういう理屈か、深くささったそれが抜けることはなかった。]
ぁぅ……おばちゃのおまもり……。
[お守りはだいじなものなのに、取れないのはちょっと困る。
伽矢なら抜けるかなと、そこでようやくいとこを捜すものの、近くにはいないよう。
代わりに、少し離れた場所で声がした。]
……かやにいちゃ?
[誰かと話しているようだったので、ててっとそっちに近づいていった。]
─中央公園/死せる前の刻─
……って。
あれは……!
[たどり着いた公園。
最初に目に入ったのは、黒江と、千恵と。
そして、舞い散る桜の花弁。
現れた、童女]
何が、起きて……っ!
[一連の出来事に逸れた意識は、少年の動きへの対応を遅らせる。
弾けた空気。
向けられる、問い]
……は。
そう聞かれて、素直に返すと思うか?
[『憑魔』が人ならざる力を操るのは知っている。
判断は、早かった。
躊躇いなく、繰り出すのは潜めておいた刃。
刃は最初の狙いを僅か逸れ、少年の腕を捕らえる]
……はあ!?
わけ、わかんねぇな……ガキのわがままに、付き合ってられるかよ!
[そも、ここまでの憎悪を向けられる、その理由など知る由もなく。
抜けぬ刃に舌打ち一つ。
一度、距離を取ろうした所に入る──追撃の一撃]
……てめっ……一度、死んだ人間……。
二度目、ただで逝くと思うんじゃ、ねぇ!
[血と共に、唸るような声を吐き出しつつ、力を込める。
抉る感触。
だが、人の身で叶うのはそれまで。
引き倒され、刃を奪われ──]
!?
にいちゃ!?
[視界に入ったのは、丁度伽矢が礼斗に倒れ込んだ時。
何をしているのかは分からなかったが、周囲に再び血の匂いが漂うと、ひくりと息を飲み込んだ。
大量の血の匂いは、恐怖と直結する。
黒江を殺しにかかり、子猫の死体を潰した子供と同一とは思えないような怯えた様子で、かたかたと震え始めた。
それでも、手からナイフを抜き、尻餅をついたいとこがとても心配なのは真実で。
震えながらも、伽矢の傍に近づいた。]
かやにい、ちゃ。
いた、い?だいじょう、ぶ?
[いまにも泣き出しそうな顔をして、伽矢の手と顔を交互にみやる。
うさぎは逆に礼斗の方を、じーっとじっと眺めていた。]
─中央公園─
[途絶の時間は、さほど、長くはなく。
気づけば、自分を見下ろす自分がいた。
しばし、瞑目]
……とりあえず、時間稼ぎには、なった、か。
[零れたのは、小さな呟き]
……神楽……史さん。
あと……頼むぜ。
……けど。
頼むから。
……二人とも……死ぬな。
特に、心は。
……ころさないでくれ……。
[呟く声は、二人に届く事はない、けれど。
声には確り、*祈りの響きが込められて*]
[雪夜の姿は見つけることができない]
死んだ人同士も見えないのかな?
[最後に自分がいくのを避けていた中央広場に向かうことにした。
自分が伽矢に殺された場所。
中央広場にいくと礼斗が倒れていた。
尻餅をつく伽矢とそれに駆け寄る千恵。]
伽矢くん……。
[本当に大切に思う相手ならば止めてやるのも一つの手だったんじゃないか、浮かぶのは自責の念]
…………。
[相手を殺したことに罪悪感などは浮かばない。
司では無かったことに対して悪態が出そうになるくらいだ。
しばらく何も言わないオレは、従妹にどんな風に映っただろうか]
── 千恵、離れとけ。
オレは、だいじょうぶ。
[いやに冷静な声が紡がれる。
右手にナイフを握ったまま、左腕に抉られた傷を残したまま。
今にも泣きそうな、震える従妹を抱き締めることもせず。
オレは司を喰らえなかった腹立たしさを、周囲へ零さぬようじっと*堪えた*]
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