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わ、…と?
[降って来た声に、見つかったかと身を竦ませるも、
それは聞き覚えのある声で。
数歩下がって仰いで見れば、僅か、覚えのある姿]
………んー。
[人差指を立て、しぃっと言うように。
それから、雨どいに再び手をかけて、
木登りか何かのように身軽に登り始める。
とは言っても、少々危なっかしくはあるが]
ヨウコがいたような気がしたが、気のせいだったようだ……( ヨウコは村を出ました)
ヨウコ が参加しました。
[人差し指を立てる様子に、ん。と口を噤み。
腕を組んだまま手摺りに寄りかかり、雨どいを登る様子を見守る]
…あーぶないッスよー? ダイジョブっすか?
[しかし闇から垣間見えるその少々危なっかしい動きに
コソ、と出来る限り目立たないように
先程よりも声を落として、再度声を投げる。]
[それでもたまにはいいかと、誘われるようにベランダへと出て。
視界の隅に動く影を見つけてしまった]
…誰っ!?
[鋭く通る声で影に向かって誰何する]
[大丈夫だって。
そんな風に暢気に声を返そうとしたのも、束の間。
何処からか飛んで来た鋭い声に、]
うわゎゎっ!
[びくんっと反応して、傍のベランダ―――
ちょうどアズマのいるそこへ手を伸ばしていたのに、
バランスを崩してあわや落ちかけて。
手摺に手はひっかかったものの、宙ぶらりん状態。]
…ぅわっ!?
[ベランダへと伸ばされる腕へ、念の為手を添えようかと腕を伸ばし。
と、鋭く響く声にこちらまで思わず反射的に身を竦ませる。
…自分が悪い事をした筈では無いのだが。
と、バランスを崩し落ちかける相手に思わず目を見開いた。
2階とはいえ、其れなりに高度もある。]
って、センパ…ッ!危な…っ!
ちょ、誰だよ突然大声掛けたのーっ!?
[確かに怪しいけど、幾らなんでも危ないって!と、独りごちながら
手摺りから身を乗り出して、ぶら下がる相手の腕を捕まえる。
女子部屋の方角から聞えたかな、とぼんやり考えながらも
実際はそれどころではなく、とりあえず引き上げようと]
[片手でベランダにぶら下がった影。
それが生徒であることがようやく分かった]
何やってるんですか!
…じゃなくて、大丈夫ですかっ!?
[宙ぶらりんの状態に動揺して、更に声を上げる]
[ひとしきり電話の向こうと話した後、パチンと携帯を閉じる
ここは彼女の部屋。同居人の先輩はいつもの先輩のところに遊びに行っているのだろうか、部屋には彼女一人
全開にした窓枠に凭れ掛かって電話をしていた彼女はスッと空を見上げる。そこには満天の星空]
こんなに月の蒼い夜は……不思議な事でも起こるかもね
[その時響く夜の空気を切り裂く鋭い声。声の聞こえた方を見遣るとそこにはヨウコの姿。そして対面の男子寮の方を見ると]
あー、ちっこい先輩だ。あんな所にぶら下がって、背伸び運動かな
[冗談めかしてそう呟く。そして、改めてアズマとショウに対して]
やっほー、アズマもショウ先輩もそんな所で何してんの?
[そう声をかける]
[アズマの手に捕まえられて、助けを借りつつ、
ベランダの中に入ろ
―――うとして、また、大声。
びっくーんと目に分かりやすい程に反応して、
手から力が抜けかけた。
その分、負担は相手にかかる訳で。
下手すると二人して落ちる。]
だー、
ちょ、ま、本気で勘弁っ!
[気力を奮い立たせて、火事場の馬鹿力といわんばかり、
思い切り腕に力を込め自分の身体を引き上げて、
やっとこさ、内側に転がり込んだ。]
大丈夫じゃないから、手伝え…ってのは無理だろーから、
せめて頼むから大声上げんなって…!せめて小声で…!
[大事になるから、とショウの腕を掴みながら
一応声を落として、やはり誰とも判らない相手に言い返す。
…にしても、ベランダに出ている生徒には、
既に気付かれた可能性が高いのだろうが。
と、更に投げられる聞覚えのある声に、更に反応。
落ちかける身体をギリギリで堪えながら、僅かに視線を向け]
…水月やっほー、って暢気に声を返したいトコなんだが
それどころじゃねーから、頼む大声を上げんなって!
俺まで死ぬから!
[何とか内側へとショウをベランダ内へと引き込んで。
荒い息と共に思わずその場にへたり込む。]
[纏めて落ちそうになったのを見て、息を呑む。
勿論、邪魔をするつもりがあったわけではないのだ。
二人の様子をハラハラしながら見ていると、同じ棟で軽い口調の声が響いて]
水月先輩。
[一瞬そちらを振り向き、だがすぐに顔を戻す。
二人がどうにかベランダに転がり込むのを見て、大きく息を吐いた]
あー………
[座り込んで、胸に手を当てる。鼓動が早い。
新記録樹立しそうなくらい。何のだかは、不明だが]
…ロープ、買お。マジで。
[しかし口を突いて出たのは、何処か場違いな台詞]
つか、なんで、
みんなして、外見てんだよー…
もっと遅くにすりゃよかった。
[ぶつぶつ、反省の色のない文句を零す。
荒い呼気の合間のため、聞き取れたのはアズマくらいかもしれないが。]
…そのロープ、俺の部屋に置いとくんスか。
[ぜぇ、と肩で息をして数十秒。呟かれた言葉にぽつりと言葉を返し。
…部活でさえ、こんな息切らせた事ねーな、と頭の隅で考える]
…つーか。フツーに、門限内に帰ってこれば。
……こんな死に掛ける事は無いんですって。
[漸く落ち着き始めた息に、手を胸に当てながら
零れる文句に、やはり小声で言葉を紡ぐ]
[勿論、そんなことをしていれば様子を見に来る人がいるわけで]
「何の騒ぎかしら?」
[懐中電灯を片手に出てきたのは寮母の御堂皐月。
各ベランダへとその明かりを向けた]
「葉子ちゃん、どうしたの?」
え、あの、その…。
[流石に自分のせいで危ない目に合わせたのは分かったから。
真相を言うに言えなくなってしまい、口篭った。
灯りは更に動いて東棟の方も照らしてゆく]
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