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─昨夜のこと─
……見ていて楽しいと思うけど。
[桜の樹の下での、二人の遣り取りをフユは知らない。]
…………。
(そもそも剣道少女自体がそんなに多く無いような)
おやすみ。
[意外と、と言うべきか
幾ら想像がつかないとはいえウミにもそういった可愛らしい時期があったのだと思いながら、照明を、枕元に置いたスタンドライトに切り替える。
そういえばウミから
こういった事を聞くのは始めてだ……][ページを捲る。]
[ショウのあげた声が、フユを回想から引き戻す。]
佐久間先輩もこんにちは。
そうですね、時間が丁度合ったみたいです。
[また新しく入ってくる先輩に麦茶を用意しながら挨拶をして]
それだけ食べられれば十分元気だと思います。
一之瀬先輩と舞ちゃんのを足すと丁度二人前というところですね。
[ショウにはそう言って麦茶のお代わりを注ぐ。
他にもコップが空いているようなら注いでゆくだろう]
[離れたところに座るフユには、軽く礼をしておくに止め。
ヨウスケには、こんにちは、と挨拶を]
え、いや、俺にはすごく元気に見えたんで。
お腹が空いてくったりしちゃってたのを、見た直後だったせいもあるかも知れないですけど。
[ショウにこう返しつつ、陽射しの話に一度、窓の外へ目をやる]
ん、確かに陽射しは強かったですねー、俺、さっき外から戻ってきたところなんですけど。
風もちょっと熱めだったかな……?
[独り言めいて言いつつ、マイコの量が少ない、という言葉にはひっそり同意していたり]
[味に慣れた頃に薬味を足し
それにも慣れたら違う薬味を足す、という
地道な作業でフユは素麺を消費してゆく。
ある程度食べたところで残すことも考えたが]
……。
[皐月の目がそれを許さなかった。
空いたコップに麦茶が補充される。]
ヨウコ、アンタ、
メイドじゃないんだからそんなにウロウロしないで
落ち着いて座ってたら?邪魔だし。
お茶のおかわりなんて自分でやらせれば良い。
そうかなぁー?
[ヨウコの声にも、やはり納得いかない様子。
足される麦茶を見ながら、芋の天ぷらを齧る。
まだまだいけると言わんばかりだ。
それだけの量が、身体の何処に行っているかは謎だが―――
エネルギーに変換されて、全て消費されてしまっているのだろう]
くったりしてた?
夏バテには辛い物って言うよなー。
[カレーとかキムチとか。
そんな話をしていたら、余計、暑くなりそうだった。
マコトの言葉を聞いて、窓の向こうを見やり、眉を寄せる]
げー、マジで。
オレ、帽子持ってないんだよなー。
せめて風吹きゃ気持ちいいと思ったのに。
ダッシュで行くか。
珍しいこともあるもんだね。
…と、ありがと。
[用意してもらったお茶を受け取り、集まっている皆の近くに座る。素麺の量は隣で高スピードで食して行く彼には敵わないものの結構多め。
少しだけ、離れた位置に一人いる少女にも目は向けたか。]
あ、そんなつもりは…。
[フユに言われれば驚いて動きを止め。
とりあえずショウ達とフユ、どちらが手を伸ばしても取れそうな位置にポットを置いた]
…私、使った食器を片付けてきちゃいますね。
[それでも何となく座ることができなくて。
食器がまだそのままだったと洗い場の方へ*向かった*]
珍しいって、何がー?
[ヨウスケに問いを投げかけ、3つ目の芋天を口内に放る]
んぁ?
どーしたんだ、九条のヤツ。
[割り箸を銜えつつ、首を横に倒した。
その場から逃げるようにも見えたのは、気のせいか。]
ええ、くったりと。
[言いつつ、ちら、と視線を向けるのはマイコなのだが。
先ほど笑いを堪え切れなかった事を怒っているのか、まだむくれているようにも見えたりする]
あー、辛いもの。確かに、そう言いますねー。
うん、帽子がないと、ちょっと辛いかもしれないですね。
これから一番陽射しが強くなる時間ですし、日射病には気をつけてくださいねー?
[ショウに言いつつ、食事を終えて。
麦茶のコップを空にし、立ち上がる]
ごちそうさまでした、と。
さて、それじゃお先に失礼しますね?
[言いつつ、食器を片付けに向かう。
一緒に片付けますかと、ヨウコに申し出られれば、自分の使ったものだから、とやんわり断って。
片付けが済んだら、*課題の調べ物のために図書館へ向かうだろう*]
や、こう一所に集まって飯食ってんのがさ。
いつもはもうちょいバラバラだった気がすんだよな。
[天麩羅を口に入れるのを横目に見つつ、麺を啜る。
食器を洗うと言って去る少女に対しては特に思うところもなかったのか、普通に見送った。]
[眉根を寄せ、残った素麺を口の中へ押し込んだ。
マコトの後に続き、食器を持って洗い場へ。]
……だから、アンタがそんなに世話焼く必要
無いって。
[素っ気なく言い
自分の分の食器を手早く洗う。
三年過ごした寮だけあって、何処も勝手知ったる様子
戸棚の扉のひとつの立て付けが悪いのも
その上手い開け方も知っている。]
[食堂から出る間際、ヨウスケを少しだけ盗み見た。]
……何かあったん?
[何だかむくれている様子の少女に首を傾げつつ、部屋を出て行く少年を見送り。
続いて出て行く少女には声は掛けないが、此方も何気なく見送る。視線を外した瞬時、彼女の目が此方を向いたような気がしたかも知れない。]
カガミ、お前、言い方が保護者くせー。
[同じように、ちらりとマイコに目をやる。
立ち去るマコトは、視界の端で見送って。
量は段違いなのに、食べ終わるタイミングはほぼ一緒。
つるん、勢いをつけて、最後の麺も綺麗に収められる]
ごっそーさまー!
[ぱんっ、と手を打ち鳴らした。
大量の素麺と天ぷらの乗っていた皿は、既に空っぽ。]
あー、確かに、そうだよなー。
授業ある時と違って、みんな適当な時間に来るし。
でも、たまにはよくねー?
[飛び散ったつゆをおしぼりで拭いながら、ヨウスケに答える]
[アーチェリー場で弓を引く。しかし、矢は散っており集中できていないことを暗に示す]
……はぁ。駄目だ、やっぱり調子出ない
[ちらりと時計を見ると昼過ぎ]
今日はこのままやってても仕方なさげだなぁ。はぁ
[そう言うと片付け始める]
て、早ぇ。
[早くも空になった容器を見て笑い。そういう自分も残りは底に少量と天麩羅を残すのみだが。]
ま、そだね。どうせ少ない人数、皆で固まってたほうが楽しいし。
…あいつらどうしてっかなぁ。
[実家に帰省中の友人を思い浮かべつつ、麦茶を一口。
さらに返された言葉には首を傾げ、本人に尋ねてみようとしたものの、何でもないと言われるだけだったようだ。]
そ?
いつものコトだろー。
スケさんも他人のコト言えねぇし。
[笑うヨウスケにさらりと答え、食器を手に立ち上がる]
あー、短期で講習受けるってヤツいたなぁ。
海に行くんだって張り切ってたのもいたケド。
そういや、スケさんも戻んなかったんだ。
妹も一緒だから、いいんかな。
[コップの中身を空にして盆に乗せ、洗い場へと向かった。
ヨウコは何か考え事をしている風でもあったが、
気にせず、食器を受け取られる前にさっさと自分で洗う]
[片付け終わり、寮へ帰ろうとアーチェリー場を後にしようとすると]
……ケン?
[そこには幼馴染の一人。何やら真剣な顔付きで立っていた]
…………どうしたの?
いやいや、イチ君程では。
[手をひらひらと振る。からりとコップの中の氷が鳴った。]
海かぁ…そいや一回、海が良いか山が良いかで言い争ってたっけ。
俺クーラーの利いた室内派っつったら怒られた。
[小学生並だ。]
ん。むしろ友梨残るから残ったよーなもんだし。
なかなか会えないけどねー。
[避けられてんのかな、と肩を竦めながら、僅か残る天カスを口に入れた。]
[戻って来ると、けらけら、笑って]
何だよソレー、スケさん、ヒッキーだなぁ。
オレは、海も山もいいケド、プールもいいなー。
ほら、流れるのとか波のとか、スライダーもいいし。
っても、あんまり行ったコトないけどさ。
[こちらもある意味、レベルが低い。]
あれ、そーだったんだ?
兄妹って、羨ましいケド、妹相手は大変そ。
大切にしろよー。
[軽く言って、身体を解すように、伸びをする]
[ケンは僅かに俯いていた顔を上げると]
「……ウミ。ひとつ聞きたいことがあるんだけど」
…………何?
[真剣な顔に、僅かに目を細め、短く促す言葉を返す。ケンは僅かに回りを気にした後、言い難そうに頬を掻くと]
「あー……えっと……その、ウミってさ。付き合ってる人とか……いるの、かなって」
…………はぁ?!
[あまりの想定外の言葉に目を丸くして声を上げる]
どーせなら現代っ子と呼んでくれ。
……確かにプールは良いかもな。しょっぱくないし。
[どっちにしろあまり変わらない。プール肯定の理由も。]
ん、お年頃って悲しいねぇ。小4くらいから全然構ってくれなくなってさ。
大切にゃしたいんだけど。
[ちなみに会えないからこそ一部――先程まで同じ場所にいた2年生の少年や、三つ編みの少女の義兄にいろいろ聞き込むわけだが。苦手とされている辺り、ついでに威嚇でもしているのかも知れない。
コップにもう一度麦茶を注ぎ、殆ど一気に飲み干した。片付けようと席を立ちながら、ふと]
…ってあれ、イチ君ひとりっ子だったっけ。
しょっぱくないケド、塩素臭くね?
[あの臭いだけは苦手、と表情を歪めた。]
小4って、…かれこれ8年くらいじゃん。
うわ、さみしー。報われないねえ。
[そんな彼の行動を殆ど知らないショウは、そう返すだけ。
被害に遭っている者からすれば、当前と言いたくなるかも知れず。
伸びに続いて腕のストレッチまでしていると、
流石に、寮母によそでやりなさいと注意を受けた。
はぁいと気のない声を返して、外に出ようかと身体を反転させ、]
んにゃ。違うよ。
[背を向けたまま、問いへの否定は、短い。]
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