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[初撃打ち払われ、]
[高く振り上げられた木刀を、踊る相手の腕と見立てたように、その場でくるりと回る。
そのままの流れで、返る一撃へ、下からすくいあげるように受ける。木刀であれば、撃ち合った場所から斬り跳ばしてしまおうと強く。]
[振り下ろしへの返しの一撃。
ほんの一瞬、危惧が掠めるが、既に勢いは止まらず。
鈍い音と共に打ち合った二振り、そして、強靭な材質で作られたとはいえ、木の刃は白の刃に敵わず。
斬り飛ばされた先が、蒼天へと舞い、力の均衡が崩れる。
均衡の崩れはそのまま身体の均衡をも崩してよろめくが、舞う風がその身をぎりぎりで支え]
……このっ!
[苛立たしげな声と共に、手に残った部分を投げつけて]
[蒼天へ向け目一杯に伸ばした右手
振り抜いた白刃。]
[マコトの動きをなぞるように振り下ろし、
投げ付けられた木片を斬り伏せる。]
[獰猛に嗤い]
[更にもう一歩踏み込む、返す太刀で胴薙ぎ]
[踏み込みと共に放たれる胴薙ぎ。
避けるのは容易いが、ここで距離を開ければ、アズマが、と。
そんな思いは動きを止める]
……っ!
[伝わる衝撃。身体に刃が食い込み、白の剣道着を紅に染めた。
伝わる傷みと熱さに顔を歪めつつ、手を、空へ翳して]
……集え!
[凛、と響く声。それに応じるように風が舞い、その手に透き通った刃を形作る。
現れた風の刃を確りと握り、それを肩口へと向けて振り下ろし]
[切っ先から血の軌跡を引いて
更に追撃、刃を突き込もうと強く握り直すが]
[咄嗟に、刀身を倒して
司の力による刃を受ける。]
[ぱき]
[骨の折れるような軽い音がして、刀は中程から砕けた。
肩口へ斬り付けられ、背後へ飛び退く。]
[ちらり、傷口へ視線を向ける。それなりに深く斬り込まれたようだが、動けないほどではない。
一つ、息を吐きつつ、視線を正面へと戻し]
風が……なん、だよ?
風は、俺の、力。
俺に応えてくれる、森羅万象の、理、だ。
あの時……?
[予想外の言葉に、一つ、瞬く。
そんな言葉が向けられる心当たりは、一つしかなくて]
まさか……お前……。
あの時の……コトネが、死んだ時の憑魔かっ!?
[鋭い、声。消えていた感情が、怒りという形で蘇る]
元々……容赦なんか、するつもりは、なかった、けれど……。
[低い呟きがもれ、呼応するように風がざわめいた]
そういう事なら……何としても、浄めさせてもらう!
[叫びと共に、横薙ぎに振るわれる、風の刃。
刃自体が届く距離ではないが、その軌跡から生じた疾風の刃が、唸りを上げて、飛ぶ]
[騒ぎ始める風]
く……
[再び形成される白刃。
唸り、飛来する疾風。
受ける。
想いの込められた風と
拮抗し、弾かれ、宙を舞い
榎本芙由の身体はフェンスを超える。]
貴様に刻まれた傷
器は変われど、
魂に、存在に刻まれた瑕
奪われたこの片目の痛み
遺された隻眼の思い
必ず果たしてくれる……ッ!
[フェンスを蹴り、後方、中空へ跳ぶ。
下は裏庭。]
勝手な、事をっ……!
[苛立たしげに、吐き捨てる。
フェンスを蹴り、中空へ跳ぶ所への追撃の一撃を放とうとするものの、それは痛みに遮られ]
……くっ!
[その場に、がくり、と膝を突く。痛みがしばし、その動きを止めた]
[地上へ降りて行くのを、睨むように見届けた後、一つ、息を吐く]
……と……とにかく……アズマ君を……。
[還さなければ、と。荒い息の合間に、呟く。
振り返り、見やれば凄惨な亡骸が目に入り、唇をかみ締めた]
…………。
[クラスメートで、ウミのサボり仲間だった、と誰かから聞いて。
様子を知りたくて、話しかけた事も何度かあったっけ、と思い返す]
……ごめん……。
[小さな呟きは、何に対するものなのか。
風の刃を拡散させ、その傍らに膝を突き。
穏やかな風を巡らせ、大地と天空へと還すための*言を静かに紡いでゆく*]
[どれだけの時間が経ったのか。
永遠のようでもあり、一瞬のようでもあって。
周りが視えない。
音が聴こえない。
ただ、感じられるのは]
―――…ぁ、
[徐々に、
けれど確実に、
下がっていく体温。
力の抜けた相手の身体。
力の入らない自分の腕]
スケさ、…洋亮、
[声は返らず。命は還る。
完全に喪われた時、躯が地へと傾いだ]
[世界が、動く。
緩やかに、自らの手に、視線を落として。
聞えるのは己の息遣いと、
早鐘を打つ心臓の鼓動。
見えるのは唯ひとつの色、
生命の滴を受けた掌。
ソレは、緋色に染まっていた]
[痛みは今はなくて、
悼む事も出来なくて、
震え始めた自らの身体を、
抱くようにして、押さえつける。
目を見開いて、
赤を見詰めたまま、
涙は零れない。
哭く事は、赦されず]
う―――…
ぁぁあぁあああああぁぁぁあああああぁっ!!!
[*絶叫。*]
[絶叫。遠く近く聞こえる。]
[そちらへと冷めた瞳を向ければ、同級生の彼の姿が見え。]
彼は……どうするのだろ?
その現実の重さに壊れる?
あの彼女みたいに……。
それとも……。
まぁいっか、それはこれから見れるでしょうし。
それまでに今の私すら消えなければ。
[絶叫に耳を塞ぐ。
力の交錯に目を瞑る]
や、いや…
[このままでは何も変わらない。
どうにかしなければと思う心はあるものの。
今はまだ、それを認めることが出来なくて]
[校舎の壁に背をつけた。
そのまま地面に腰を降ろす。白塗りの壁に、血の跡が一筋べたりと残った。
片腕を地面に垂らし、出血の続く肩口を押さえる。
力なく垂れた腕の先で、痙攣するように指が少し蠢いた。]
…………。
[傷よりもいまは、疼く心を押さえ付けようと、爪が食い込むほど強く力を込めた。]
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