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『いえ、構いませんよ。
祝っていただける気持ちが何よりうれしい』
ちっさいのをちっさいっていって何がわるいんだよ。
玲(リョン)のがお前より大きいもん。
[それは主に重たい帽子の高さゆえ。
べえ、と、後ろに隠れたままの小さな竜に舌を出す。
さすがにそろそろ長子も見かねたのか、帽子の上からゆっくり拳骨を落とした]
『夏玲。
ごあいさつをいただいたらどうするのだっけ?』
[ぽふぽふ、と帽子をたたくと中に仔龍の頭が埋まってしまいそうな勢いであった。
布に埋もれた袖でたたかれた帽子に沈まないようにそれを押し返し、不満そうに名乗る。
名乗ってから、やっぱり、べえ、と舌を出した]
[氷竜の長は次々に挨拶され、少しだけ気恥ずかしそうに微笑む。
見知った顔のザムエルとユーディットにはお久しぶりですね、とお辞儀し]
「……命竜のガエデ殿、機竜のエーリッヒ殿ですね。
こちらこそ、どうぞよしなに」
[新たな顔ぶれには、また丁寧にお辞儀を交わした]
[竜王への挨拶の後、エルザにも竜王達への挨拶を促し。
はしゃぐ声が聞こえると、ふと顔を綻ばせた]
久しいのぅ、ティルや。
ここに居ると言うことはお主が嵐竜王の随行者と言うことかの。
どれ、少しは大きくなったかの?
[近付き頭をくしゃりと撫でる。
そこに近付く馴染みの気配。声をかけられると同時に肩を叩かれた]
生きとるとはまた随分な挨拶じゃの、クレメンス。
だーれが相方じゃ!
あやつは今頃里で留守番しながらハンカチ噛み締めとるわい。
[ふん、とどこか勝ち誇ったような表情へと変化。セットにされるのは不満のようだが、周りはいつもセット扱いだったりする]
まぁな!
[酷い言い草も事実だからショウガナイこれが。
ティルの返事にああーと納得したような間延びした声を返しながらも。]
そっちはそっちの伸びのがいいっちゃいいか。
んでもあんま過信すんなよ?
あの時みたく死にかけても、今度は運良く俺が居るとは限んないわけで。
[けらりと笑いながらも、目の奥は流石に少し真剣ではあった。]
[常日頃は感情を抑えているのに、生命の竜に向かっているときはそれが現れるという事実は、本人が目をつぶっている場所である。
エーリッヒをつつく機械の竜に和む様子ではあったのに、酷い呼び方で動きを止めるのだった。]
もういいです。
あなたには言っても無駄だということが判りました。
[諦念。]
誰が照れていると。何が愛情表現だと。
だいたい何か特別な仲だというような言い方は止めてください。
[ブリジットは、ザムエルの姿を見かけると]
あら、お久しぶり、ザムエル。静謐の樹海でばったり会った以来かしら?
[人気者の老地竜へ、ひらりと手を振って]
今回は、ザムエルの番だったのね。
[エーリッヒの困惑には気づいているのかいないのか。
頭を撫でられ、嬉しそうに目を細める様子は、いつになく子供っぽく]
へへ、爺ちゃん、元気そうだねっ。
んー、今回はねーさんの代理。
兄貴、こないだ喧嘩してから仲直りしてないらしくてさー。
つか、身長は伸びてんぜ、ちゃんとっ!
[そこだけは主張した。しっかりきっぱり]
『主も、仔を儲ければよかろうに雷撃殿。可愛いぞ、仔は。
――と、皇竜殿の随従か。
畏まらずとも、暫くの間此方こそ頼む。』
[雷撃の竜王へと笑みををくつりと零す彼の王に、思わず溜息を零して。
そこへ姿を現した天竜に、視線を向ける。
ふと、突如動きを止めた様子に、ゆるりと身体を揺らめかした。
幼子も気付いたか、不思議そうに相手へと視線を向けた。]
…?
[幼子には理由すら判らなかったか。一度振り返り。
光竜の仔を見、父を見、影を見て、最後に私を見てから
再び、天竜へと視線を向ける。
嗚呼、王、笑っている場合では無かろうに。]
そっか、ティルさん、会いたい方に会えたんだ。
[小さく呟いて、肩の機械竜と顔を見合わせる]
良かったねえ。
[にこにこと、興味深そうに会話を聞き、時々は口を挟みながら、やがて挨拶も一段落すれば控えの間に移動するだろう**]
[会釈を返す電撃の竜達から翠樹の竜達へと視線を戻し、樹竜王の説明に青年は納得と非礼を詫びる眼差しを随行者達に向けた]
……それは、失礼いたしました。
ベアトリーチェ殿と…お名前を窺っても?
[記憶から滑らかに樹竜王末子の名は引き出せたが、黄蛇の名は出てこずに尋ねる。いぶかしむ気配は完全に消え失せていた]
んー、それはわかってるってー。
[クレメンスの言葉に返す言葉はやっぱり軽い。
軽いのは、多分性分なのだろうが]
痛い思いはしたくないし、気はつけてるって。
[落石トラップを力技で叩き潰すヤツがいう事ではない。
かも知れない]
[そうしていると、さらに新しい参入者。
検索──該当。]
こんにちわ、ザムエルさん。
今日も変わらず立派なお髭でございますね。
[待て。それは褒めてるのか。
ちなみに、深々と挨拶された虚竜王だが……廻りながら寝ていた。]
ある程度は教養も必要だとは思いますが。
特に人間界ですと。
[クレメンスに対しては諦念しかなく、ティルを見たオトは、少し疲れたような様子だった。]
今回お会いできて嬉しく思いますよ。
おーおー、エーリッヒも来ておったか。
お主も随行の任を受けたのかの?
[ティルやエーリッヒを相手する顔は、孫へと接するそれに変化し。教え子に会った時とはまた違う嬉しげな表情となる]
全属性の竜が集まるからのぅ。
まさかこんなにも知る者が集まるとは思わなんだが。
[その場に居る者達の顔を見回し、良く話を聞きに来ていた月闇の竜の姿を見つける]
オトフリートも久しいの。
なに、お主には教育係と言う任が与えられたのじゃろう。
光栄なる任を放ってまで訪ね来るものでもあるまいて。
気にするな。
[ゆるりと否定するように手を振り、オトフリートに笑いかけた。その後にようやく動きを止めるエルザの姿に気付く]
エルザや、どうした?
[オトフリートの疲れたような様子、その原因はわかっているのかいないのか]
何でも屋やってる分には、計算だけできれば何とかなるからなぁ。
[それはいくらなんでも極端すぎます]
ん、そだなぁ。
久しぶりに知り合いに会えて、オレも嬉しい。
[嬉しげな様子のまま、こくりと頷いて]
あは、期待しといてよかったっぽい。
[エーリッヒにも、こんな事を言って笑って*見せた*]
いやーそろそろ頃合かなと思ってたんだけど。
まだまだ先は長そうで嬉しいわ。
ぶははははは!やべ、そいつは見てぇ!
[ハンカチ噛みしめるザムエルの相方の姿を想像し、腹を抱えて笑ったり。
ひとしきり笑った後で、爺さんの背後に居た少女の方へとひょいと近づいてみた。
名はさっき聞いた。出会うのは初めて、だが。]
ん…随分大きくなったな。
何より、何より。
[ぽすりと、頭を撫でた。
その様は200年前、いつかの卵をなでた時と同じ。
だがそれを知るのは、おそらく焔の竜のみだろう。]
[ご機嫌斜めな光竜王末子の様子にも青年の笑みは変わらない。文字では得られない発音も刻みながら会釈する]
明 夏玲(ミョン・ハリョン)殿、よろしくお願いいたします。
[月闇竜の名も得れば、青年はまた他の場所へ*移ろうのだが*]
そう言っていただき、ありがとうございます。
[微笑みを大地の竜へと向ける。]
未だ若輩者ですが、立派な子になるように精一杯がんばらせていただきます。
老君となかなかお話が出来ないのは、私にとってとても哀しいことですから。
は、はい。
[樹竜王の言葉に頷きを返しつつも、あまりにも幼すぎると見える仔竜に戸惑い、お見合いに状態になってしまう]
そう、このような仔でも立派な随行者として…。
[独り言が漏れているとも気付かずに]
[翠樹の仔龍の言葉に、ぴしと引き締めた表情が思わず少し緩みかけ]
有難う御座います。
呼びにくければ、ミリィと呼んで下さい?
[今やいう事を聞かない蛇をちらり、横目で見て。
精神の竜にも目を向けてから仔龍の様子に眼鏡の奥で目を少し細めた**]
久しいの、ブリジット。
そうじゃな、あそこで会って以来かのぅ。
儂の番と言えばそうじゃな。
あやつなぞ毎度留守番をしておれば良いと言うに。
地竜王様は何故か交互に随行の任を与えなさる。
儂一人でも良かろうもんに。
[ブリジットに挨拶を返してから、随行の任の順番の話にやや眉根が寄る。
ティルの頭を撫で身長を確認すると]
そのようじゃな、大きくなったのぅ。
儂ゃいつでも元気じゃよ。
お主も元気そうで何よりじゃ。
ほむ、喧嘩とはまた穏やかではないのぅ。
何が原因かは分からぬが、早う仲直りして欲しいものじゃな。
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