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─ →廊下 ─
[促せばエーファは廊下へ出ただろうか。]
これで終わったかどうかがわからないんだよね……。
正直に言うと、終わっていればいいなと思ってる。
あのふたりも…ぼくには疑えないので…。
旅人を死なせたとき、すごく怖かった。
イヴァンたちが彼の部屋に入っていくのが見えて、もし、名前も知らないあの男が人狼だったらどうしようと焦って。
それで自分の荷物から裁ちばさみを……。
何かあれば身を守れるかもと、そう思って、いただけなのにね。
[俯いて目を閉じる。]
─ 広間 ─
正確かどうかは分かんねーな。
こうだ、って証明出来るものがあるならその限りじゃねーけど。
本人にしか分からねーもんだったら確かめようがねーよ。
俺達に同じような力がねー限りは、確証にはならない。
[ユリアンの疑問>>108に返すのは実際に思っていることを告げる]
だから視てもらうのも手かな、って思ってるぜ。
もし違うことを言われたら、正確じゃねーって分かるからな。
[己が身を使っての証明。
人である絶対の自信を乗せての言葉]
あれ、ユリアンの夢にも意味あると思ってたんだが、違うのか?
[例の夢に意味がないと言うユリアンに問いかける]
カルメンが人狼とは思って無かったぜ。
おかしいな、って思うところも無かったし。
つーか誰が人狼かとか全然分かんねーしよ。
こん中にまだ居るか、って言われてもさっぱりだ。
[肩を竦める様子はいつも通り]
……ただまぁ、旅人さんが人狼だったらな、って思うところはあるけど。
けどそうなると、まだ人狼が居ることになっちまう。
[村人としての願望を口にしながら、そうだとすれば持ち上がってしまう問題を口にして苦い顔をした。
オトフリートはどう答えたか、話をするならそれを耳にして]
[一通り話をして、ユリアンがエーファを探しに>>113行く前に]
……エーファさ、そろそろ限界ってか、多分じっちゃんが死んだ辺りからだいぶ安定を欠いてると思うんだ。
アイツ意地っ張りだから表面上は何でもない風を装うけど……その裏でどうなってるのかは分かんねぇ。
…下手すっと、俺らの知らねーうちに崩れちまってる可能性だってある気がするんだ。
アイツのことは信じてやりてーけど……場合によっては正しい判断が出来なくなってる可能性がある。
そこが不安だ。
[紡ぐのは、信を置きながらも案ずる言葉。
その裏に置くのは信を崩すための疑惑の欠片。
それをユリアンがどう判断するかは、彼次第]
エーファのこと頼むな。
[そう言ってビルケのことを引き受け、ユリアンを送り出した*]
[顔を上げ、旅人の部屋の扉を見やると、話を続けた。]
ぼくは怖かったんだ。
でも、相手も怖かったと思う。
人狼だったとしても、人間だったとしても。
最後に彼の力が抜けて、とても安心した表情になったよ。
何か、とてつもなく重く苦しいものから、やっと開放されたかのような感じで。
……ぼくがそう思いたいだけ、なのかもしれない、けれど。
[エーファが何か話すならば、否定せずに頷きつつ歩く。]*
─ 二階・客室 ─
……そ、だね。
疑う理由、俺にもない。
あのひとだって……力が、示さなかったら。
刃、向ける必要なんて、ないくらいだったもん。
[けれど知ってしまったから、そのままですますわけには行かなかった。
その事自体に悔いはない──あやまらない、と決めたから]
……ん。
ありがと、ユリさん。
[疑っていない、という言葉に浮かぶのは笑み。
少年の安堵を感じてか、黒猫が喉を鳴らした]
……そっか。
[二人とも疑っていなかった、という言葉>>128に小さく息を吐く。
ただ、昨日のやり取りを思えば、何かしらあるのでは、という疑問は拭えないから。
廊下へと促されて小さく頷き、それから、ライヒアルトの方を振り返る。
泣きそうな揺らぎはほんの一刹那、少年は再び前を向いて部屋を出る]
─ 廊下 ─
[歩きながら語られる話は、黙って聞いた。
疑えないという言葉、死なせたときに感じたもの。>>129
それは、どちらも共感できるものだったから]
……あのひと……ゼルギウスさん。
最初にここに来た時も、凄く怖がってた。
[旅人の部屋の前。
ユリアンの話>>135に、思い出したのは最初にここに保護された時の事]
よくわかんないけど、何かに怯えてて、手当ても出来なくて。
んで、じっちゃんがしばらく話してたら、落ち着いたんだけど……今度は、引きこもっちゃって。
じっちゃん以外のひとの話はほとんど聞いてくれなくてさ……俺も、手当てしたりご飯食べてもらうの、凄く苦労した。
……実際にどうなのかは、わかんないけど。
あのひと、何かから、逃げてきたのかもね。
それこそ、おおかみか何かから。
[その辺りも聞く事ができたなら、と。
今更のように、祖父とちゃんと話さなかった事を後悔して]
ただ……何か抱えてて、すごく、苦しそうにしてたから。
……それから解放されて……嬉しかったのかも知れない。
みてないから、なんとも言えないけど、さ。
[死が救いなんて思えないし、思う事もない。
そも、少年が志しているのは人を生かすための存在なのだから。*]
─ 広間 ─
……エーファからなんか聞いてるか?
[オトフリートと二人になり、腰掛ける姿勢を変えぬままに問いかける]
エーファが今まで視たのは侍祭さん、ユリアン、カルメン。
俺とお前は恐らくまだだ。
次にエーファが視るとしたら……
[それはどちらなのか。
どちらにせよ、やることに代わりはないのだが]
俺らも選ばなきゃなんねぇ。
[誰を人狼として殺すか。
誰を残し、誰を襲うか]
始まったもんは終わらせねーとなぁ。
[そう紡ぐ表情は無に近かった*]
─ 回想・広間 ─
[エーファの力について質問すると、
「俺達に同じような力がねー限りは、確証にはならない」>>130
との返事。
イヴァンも同じように考えていたとわかり、
「もし違うことを言われたら、正確じゃねーって分かる」>>130に頷いた。
自分の夢の話には緩く首を振る。]
ぼくの夢は、演奏会前から風邪の引き始めで、気分が悪かったせいだと思う。
月から来たというくだりも『幻燈歌』のまんまだし。
結局、その日のできごとを悪夢に変えてるだけなんだろうな。
イヴァンが出てきたのも、寝込んでからずっとイヴァンに助けられてたせいだと思うよ?
他の人とは挨拶した程度で、思い出さなかったんじゃないかな。
[夢の時系列はあやふやで、自分でも現実のどの時点で見たものかがわかっていない。]
[「今まで死んだ人の中に、もしかしたら居るかもしんねー」>>131
と言われれば、なるほどと思い。]
ああ、そうか。
でも、亡くなったひとが誰かそれらしい話をしてた?
『幻燈歌』に歌われてる役割が、全部振り分けられるんじゃない…よね?
[詳しそうなオトフリートへも視線を向ける。
イヴァンの「こん中にまだ居るか、って言われてもさっぱりだ」>>132
と肩を竦める様子や、普段と変わらぬ口調に安心するが、]
そういえば、人狼の数はどうなってるんだろう。
カルメンさんがそうだとしても……最初に何人だったかは……。
[考えながら顔を曇らせた。]
[イヴァンに「ユリアンがそう思うのも無理はねー」>>133と言葉を添えられ、]
…でも、あの遺体は…。
ぼくが勝手に怖がっていただけなんだろうね……。
[今さらではあるが、ライヒアルトに申し訳なく思い項垂れた。
広間を出ようとすると、イヴァンの口からはエーファを案じる言葉が続く。]
「アイツ意地っ張りだから」>>134には、よくわかると言いたくなって強く頷いた。
うん、わかってる。
エーファが『場』の中で、どういう力だか役割だかを持たされたにせよ、
肉親を亡くして平静ではいられないと思う。
ギュンターさんの前にも……確か、両親も。
[庭園での様子>>3:11を思い出し、「安定を欠いてる」>>134にも、そうだろうなと思った。]*
―廊下―
[黒猫が喉を鳴らし>>136ている。
この館へ来るときは大抵ビルケも連れているので、モリオンには嫌がられてばかりだ。
苦笑しつつそう思い、扉を開けて待った。
エーファが何かの決意とともにライヒアルトの部屋を出>>137たことには気づいたが、
問い質しはせず。
歩きながら語られる旅人の話>>138には、小さく何度も頷く。
「ゼルギウスさん」>>138という名前に、ようやく相手の正体を知った気がして、]
そうだね…。
逃げてきたけれど、やっぱり逃げ切れなくて、
あれは絶望だったのか、な……。
[イヴァンと揉み合っていたときは、どこか錯乱していたふうでもあったなと思い出した。
後悔は苦い。
あのとき、自分に今の冷静さがあれば、彼を死なせるようなこともなかったのだろうか。]*
─ 廊下 ─
……どう、なんだろうね。
でも。
もし……あのひとが、何もかもなくなって、自分だけが残っちゃってたなら。
少しだけ……気持ち、わかるかも知れない。
[絶望だったのかな、という言葉>>145に落ちるのは、重いため息]
独りぼっちで残されるの、辛い、からね。
[ぽつり、と落とせば黒猫がにぃ、と鳴く。
ひとりじゃないよ、と訴えるような声に、ほんの少し表情が和らぐ]
……あの、さ、ユリさん。
俺も、さ。
やっちゃった後だから、ユリさんがきついの、わかる、つもり。
ユリさん優しいから、色々考えちゃうとすごく、きついと思う、けど……えっと。
その、優しさ、自分にも向けて、あげて。
[どう言えば伝わるかわからないから、思いつくままに言葉を綴る。
言いたいのは結局、旅人との事で自分を責めないで、という事なのだけれど。
それから、今度は少し小さく息を吐いて]
……それから、ね。
俺は、ユリさんの事、信じてるから。
[一度足を止め、真っ直ぐに見上げて静かに告げる]
力が示したから、じゃなくて……いや、それもあるんだけど。
ユリさんがさ、俺の事心配してくれて、一緒に歩いてくれて。
そのおかげで、今、こうやって立って、歩けてる。
……だから、うん。
この、わけわかんない状況、終わりにするために。
俺は、俺に出来る事を、全力でやる、から。
ユリさんとビルケが……ちゃんと帰れるよう、に。
[自分が生きるために、とは口にしない。
勿論、生きるのを諦めているわけではないけれど。
何より、この事態を終わりにしたいから。
思いを告げる蒼の瞳に揺らぎはない。*]
─ 廊下 ─
[「独りぼっちで残されるの、辛い、からね」>>146
その立場になったばかりのエーファが言うと、重く。]
そうだね。
[短く答えながら、自分も近い状況だと思った。
にぃ、と鳴く黒猫>>146モリオンを横目で見て、ビルケはもう長くないだろうと改めて覚悟する。
エーファが不器用に慰めの言葉を綴る>>147のへも微笑み、]
ありがとう、心配してくれて。
ぼくのほうが歳上なのに、ちょっとみっともないね…。
[「俺は、俺に出来る事を、全力でやる、から」>>148
と宣言されると、真剣な顔つきで頷いた。
生真面目なエーファにはその決意が生きる力になるのだろう。]
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