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―夜/一階・浴室―
[服を脱ぎ終えて、戸口の前に立つ姿にも気づかず扉を開けて]
……
[突然のことに一度固まり、向こうは何一つ身に纏わない状態ですべて見てしまった。
逆に向こうにもすべて見られたことになるのだが]
いやぁぁぁっ!
[思わず悲鳴を上げて、多分ここにきてから一番女らしい姿だったかもしれない。
そのまま一方後ろに下がり、そこで固まって動けなくなっていた。
バスタオルをかけられて、辛うじて要所は隠れたり隠れなかったり、よく見ればまぁ見れたかもしれない。
赤くなって震えていて]
あ……あの……
[羞恥とか申し訳なさとかいろいろ混じって、震えてしまい声が続かない]
―夜/一階・浴室―
[少しして自分の悲鳴を聞きつけたアーベルがやってきて、なんじっくりと見られてしまった。
そしてかけられた言葉に、赤くなって俯いて完全に何も言えなくなった]
え……ああ………
[続いてやってきたエルゼリートがヴィリーに怒る様子に、誤解を解くべきは自分だったのだろうけど先のショック状態のままで声が続かず、
そのままアーベルに押し込まれるように隣の部屋に]
う、うん……ごめん…
[礼より謝罪の言葉が先に出ていて、その様子は妹と瓜二つだっただろうか。
その日はそのまま結局お風呂には入り損ねて、自分が落ち着いた頃エルゼリートとアーベル二人に事情を説明した。
ヴィリーにも謝った後は、アーベルに連れられるようにして部屋に戻ることになった]
―夜/→二階・双子部屋―
[部屋に向かう途中、大人しく俯いてアーベルの横を歩いていると不意に頭を撫でられて]
アーベル……
[ぎゅっとそのまま横からすがりつくようにして、普段の様子は完全になかった]
ごめん……それと、ありがとう……
[それだけぽつりと、今はこうしているのがとっても安心できたから。
そのまま部屋に送ってもらうと、先に寝ていたエーファをぎゅっと抱きしめて、二人仲良く同じような寝姿で寝ていた]
―朝/二階・双子部屋―
[目を覚ますとエーファとは並んで寝ていたか、下の方で騒ぎが起きてるような気がしたけども]
エーファ、おはよう…
[その頬をつんと突付く、そっと指をそのまま顎までなぞる様に滑らせ首筋へ、
服の上からそのまま鎖骨、肩へとその形をなぞる様に。
自分と同じ、変わらないラインをなぞりながら]
ごめん、昨日、見られた……。
[別にエーファの裸を見られたわけじゃないのだが、なんだか謝らなきゃいけない気がした。
それから、エーファが寝ている隙に少しだけ甘えるように胸元にすがり付いてみた。
もし二人の役割が逆だったなら、日常にありえたかもしれない光景。
そのまま気づくと二度寝を*してしまっていた*]
―朝/自室―
[疲れていたのか寝不足のせいか酒精の力を借りることなく
寝台に横たわりぐっすりと眠ることが出来た。
目が覚めるのは何時もと同じ時間。
夜が明けるか否かの頃、寝台から起き出して身支度を済ませる。
神への祈りを捧げてから、胸元に掛かる十字架を両の手で握り締めた]
双花支えしは見出す者たち。
神より授かりし力持て。
闇に潜みし、月のいとし子たちを見出さん。
[菫の眸は閉じられて謡うように紡がれる言の葉。
神の見せる其れが女の瞼の裏に映る]
――…っ
[ぴくり肩が揺れた。
心は神の見せる其れを拒絶するのに身体は歓喜に打ち震える]
―朝/自室―
[気だるさを感じながら重い瞼を持ち上げた。
菫色はぼんやりと手許の十字架へと注がれる]
…………神は私に何をお望みなのでしょう。
[紡がれる声から感情は感じられない。
――長い長い沈黙。
考えることにも疲れ果ててしまった]
私は、何も、視なかった。
[其れが誰であれ告げる事で齎される結果を知るからこそ
女は其れを誰かに言うことが出来なくなる。
思い悩んだ末に出した結論を口にして
それを一人抱えることを選んだ]
[女はヴェールを被らずにゲルダから贈られた銀の細い髪留めをつける。
鏡の中に映る己の耳の上の方には銀と真珠で出来た花が咲く。
ゲルダは似合うと言ってくれたけれど
やはり自分には過分なものに感じられる。
綺麗で可愛らしい花の贈り物があるだけで鏡の中の自分が別人に見えて
気恥ずかしさを感じながらもヴェールを纏おうとはしなかった。
やがて聞こえくるのは叫び声>>153
何かがあったらしい事が知れるけれど直ぐに動く事は出来ない。
それでもずっと此処に居続けようとも思わず
女は遅れて階段を下り広間へと足を運んだ。
其処で知れるのは自衛団長の訃報――。
柳眉を寄せて震える両の手は知らず銀の十字架を握り締めていた**]
― 自室 ―
あいて…!
[すぐに外の様子を覗く事はせずに、ベッドから降り、夜の間に伸びた髭を剃ろうかと剃刀を当てた所で、顎の痛みに声が漏れた]
あーあ、痣になってるな、こりゃ。
[壁面にかけられた鏡を覗き込んで苦笑する。昨夜、浴室で殴り掛かって来たエルザを、最初の内は躱したのだが「変態」の話が彼の口から出た時にまた思い出してしまったのだ]
『あー、そういや、酔って素っ裸でお前を押し倒した、にーちゃんも居たっけな』
[ぽん、と手を叩いて言った途端に、前より勢いのある拳が飛んで来て、一発、顎にヒットした、というわけ]
― 自室→広間 ―
[エルザはまだ起きてきて居なかった。集まる人々の不安と苦悩は、男の隻眼にも用意に見て取れて]
血の匂いがするな…誰か、死んだか?
[笑みは消して、問いかけた**]
―回想(昨夜) 広間―
とりあえず頼んでみよ。
話してみないとはじまらないしね。
[と迷惑でないかと案ずるブリジットに>>127にいったところで、アーベル>>126がこちらへ来る。理由はブリジットの調子を心配してということだろうが、理由を知っている...は特に気にせず、ただ自力で説明するだろうなんて思っていたのだけれども]
いや、そりゃまあ大したことじゃあないけども
[とこちらを助けを求めるように見上げるブリジット>>130に言わないと多分伝わらないぞ。と言おうとして、いう間はなかった。
案の定ブリジットの額に手を当てたりするアーベル>>133に]
あーっとだな。アーベル、本当に何もないぞ。
ブリジットから入浴の可否について聞かれていただけだしな。
[たどたどしい説明をするブリジット>>136だけではと思い、端的に事情を説明したところでアーベル>>137も合点が言ったらしい]
ぁあ、俺らがいくわけにもいかんもんな。
[思考としてはブリジットの感情は捨て置いた薬師的視点が大部分を占めているがそれを強制するきもなく。もしも何かあったならば、初動という点では遅れるし、とほぼアーベル>>137と同じ思考をしつつ]
やっぱそうなるよな。ってことでいこっか。ブリジット。
[よって結論はやはりそうなるよな。ということだったらしい。
踏ん切りのついたブリジット>>140とともにナターリエの元に説明のためにと向かう。]
[ナターリエに用があると察すると場所を空けてくれた、ライヒアルト>>145へと軽く会釈してブリジット>>141がナターリエに頼んでいるが、明らかに言葉が足りないぞと内心突っ込みつつ]
ブリジットは生まれつき体が弱いので、入浴にも注意が必要なのです。ですが、さすがに俺やアーベルが一緒に居るわけにはいかないですし、それだと何かあったらとブリジット一人だと不安なので、できればブリジットが入浴する際、傍にいてもらえないでしょうか?
[とナターリエ>>144に説明。請け負ってくれるとのことにありがとうございますと感謝し頭を下げた。
そしてすかさず注意点を聞いてくるナターリエに]
えっとですね。できるだけ身体を冷やさないように…そして長風呂も厳禁。
難しいかもしれませんが急激な温度変化を与えないように気を遣っていただけるとありがたいです。
また、様子が変だと感じたら無理をさせずに、呼吸が苦しそうになったら、ブリジットは緊急用の発作の薬を持っているでしょうからそれを飲ませてください。
[過保護ともいえるほどの説明に感じたかもしれないが、最悪の場合なんてものが来るよりましという考えのもと、ナターリエに説明を終え]
一応俺は広間にいますので何かあったら呼んでください。
[と最後に締めくくったところで、悲鳴>>180が聞こえた。
それにアーベル、続いてエルゼ、そしてナターリエ向かっていったが...は向かわなかった。もしもブリジットが残ったならば悲鳴の後一人にしておくのはまずいだろうし、そうでなくとも、悲鳴の質が、なんとなくだが、ブリジットがGではじまる黒いやつを見てしまったりな悲鳴だとか、なんだかそういう種類のように感じたのもあった。
クレメンス>>160が仲裁したりやらなんやらで、やはり人死にのような事件でもなかったらしい。
その後もしばらく、少なくとも二人が入浴を終えるまで広間へと…偶然というでもないがライヒアルト>>177や、他にも広間へ居た面々と過ごし、夜になると部屋へと戻っていった]
―回想終了―
─外→厨房→広間─
[立ち尽くしていた時間がどれくらいかは、わからなかった。
足元にすり寄る真白の猫が、しきりと鳴くのも上滑りするようで。
唐突過ぎる、三度目の、肉親の喪失。
それを、どう捉えればいいのかがわからなくて、呆然としていた所にかけられた、声>>162]
……にい、さ……。
[背を撫でる手の感触が僅かに感覚を繋げて。
数度、瞬いた。
中に、という言葉に同意するよに、真白の猫が高く鳴く]
…………。
[それでも、すぐには動けなくて。
翠は虚ろに、赤黒く染まったひとを、追って。
それがそれたのは、再度の呼びかけ>>164と、直後の、猫の哀しげな声が耳に届いてから]
……わか、った。
[短く答え、促されるままに中へと戻る。
途中、ゲルダとクレメンスのやり取りをぼんやりと聞いて。
撫でようと伸ばされた手>>176は、避けなかったのか、避けられなかったのか。
理由がいずれであるにせよ、触れた手に外気に晒されていた金の髪の冷たさが伝わるのは変わらない。
広間まで連れられ椅子に座らされると、真白の猫が膝の上に飛び乗り、いつもの澄まし屋らしからぬ様子で身を摺り寄せてきた]
……ん……だいじょう、ぶ。
[短い言葉は、猫に向いたのか、それともホットミルクを差し出すゲルダへのものか>>179
カップは両手で受け取るものの、すぐに口をつける事はなく。
ぼんやりと、温かなしろを見つめていた]
─朝/広間─
[問うた後、ゲルダが何か微妙な目で見て来た>>179。
何だよ、何でそんな目されなきゃならんのだ。
ちなみに悲鳴で起きはしたが行動に移すのが遅かっただけだぞ。
お互いの間に妙な間が空いたが、ゲルダは近付いてきて事情を説明してくれた]
………は? 爺、が?
え、ちょっと待て、それマジかよ。
[声を落として告げられた内容に、オレはどこか呆けたような声を上げた。
少し声がでかくなっちまったから、ゲルダに目で怒られたかもしれない。
…あ、エーリッヒ居たのか…。そりゃ怒られるわオレ、うん。
済まなそうな表情になりながら、小声でゲルダに爺がどこで殺されたかを聞いた。
……うげ、ゲルダの部屋の真下って。
オレの部屋からも近ぇじゃねぇか。
そうか…、とゲルダに返すとアイツは厨房へと入って行った。
んー、どうすっかな、見に行ってみるか否か。
つか、殺されたって、誰に?
結局オレはそれを確かめるために外へ行ってみることにした]
―朝/二階→広間―
[どうにか着替え終わると部屋を出て下に降りた。
昨夜の広間は穏やかだった。苦手としているゼルギウスといても、特に何を感じることもなく。談笑すら出来て。>>193
冷めても美味しいお茶を片手にした平和な時間が流れてから、まだ一晩しか経っていないのに。同じ場所の空気が、今朝は重く感じる]
……ギュンターさんが。
[丁度ゲルダがエルゼリートに説明をしているところだった。>>197
真っ先に見たのはクレムの姿で。
それから恐る恐るというようにエーリの方を窺った]
─広間─
[階段付近で交わされるやり取り。
他に音のない空間では、遮るものもなく。
届いた言葉に一瞬、肩が震えた。
ぎ、と唇を噛み、それから]
……なんで……なんだよ。
[零れ落ちたのは、掠れた呟き。
やや伏した翠は、先ほどよりも、暗い──否、冥い]
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