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銀弾 ラス に 1人が投票した。
風刃 カルロス に 7人が投票した。
風刃 カルロス は村人達の手により処刑された。
次の日の朝、銀弾 ラス が無残な姿で発見された。
現在の生存者は、雷鳴天使 エリカ、傾奇者 ケイジ、闇金の猟犬 ブラウン、仕事人 スティーヴ、手品師 ディーノ、氷華 リディア の 6 名。
─湖畔傍・樹の上─
[何気なく向かった湖畔傍。戦いの気配に身を隠し、樹の上へと登る。そこで行われていた『デュエル』は既に決着がついていて。カードの移動を見るのみに留まった]
ぬーん、どうにもタイミングば悪かのぅ。
人んバトルばほとんど見れとらんき。
カードマスターもだいぶ減って来たのぅ。
ワシも横着しとる場合やなかかね。
さぁて、どっちばやりおうたろうかいのぅ。
[目的とするは二人。真っ直ぐな意思を持つ『審判』か、寡黙な『隠者』か]
[意識を失ったラスが『魂の檻』に囚われる様を見やりながら、偽りの光を宿す『月』は隠された裏側で*ほくそ笑む*]
……勝ったのは、氷華ちゃんの方、か。
[戦いの行く末に、小さく呟く。
飴色には思案のいろ]
さて、と。
やり難いのがひとつ潰れてくれた所で、ボクも動いてかないとね……。
[呟きながら、ひょい、と枝の上に立ち上がり、空を見上げる]
にしても、厄介なのしか残ってないなあ。
手の内の読みにくいオジサンたちとか、『手品師』さんとか、狐のおにーさんとか。
余力のある内に当たるとしたら……狐のおにーさんなんだけど。
[殴りたいし、という呟きを漏らしつつ。
ばさり、と翼を広げ、拠点と定めた*廃墟へと*]
―屋外―
[集音機に意識を向けていた様だが、不意にポケットからカードを取り出した]
へぇ。
[今や6人しか居なくなったカードマスター。
その中に男は入っている]
…そろそろ頃合いかねぇ。
皆が働き者だから、俺も楽が出来たが…今はあまり動かないだろうな。
負った傷を治したり、消耗した身体を癒したり…
なら。今を逃すと、不利かねぇ。
[頭を掻きつつ]
距離をつめるのが大変そうだからな。残った面子は。
…狐面も。役者が減って動かないはずがないわなぁ。
[く、く、小さく苦笑した*]
─廃墟・どこかの屋上─
[樹の上で一休みした後、男は廃墟へと舞い戻る]
『審判』か『隠者』か。
エイキチ、おまんはどっちがよかね?
[『デス』と『ザ・ムーン』のカードを手に情報を眺めやりながら小猿へと訊ねる。声ならぬ鳴き声は「ウキッ」と奏で、その返事に男は笑いを漏らす]
かかか、そげに悩む必要ばなかね。
持っとるカードば見ても、あん嬢ちゃんと一番やりおうたか。
[片や偽りの光を、片や真なる光を]
ワシが真なる光を掴めぇか、向こうに下されぇか。
まっこと興味深か。
[標的を定め、男は愉しげに声を漏らした]
[ふ、と
風が変わる気配に目を開ける]
あぁ…なるほど、ね…
脱落者は「特別室」にご案内、ってか。
[自嘲気味の笑い。
聞こえた声にそれを更に濃くして]
……うっせーよ。
[一言だけでそれを片付けた]
[感じた気配にすぃ、と視線をずらすとこちらを見る女。
自身がカードを奪った、元「世界」のカードマスター]
よぅ。また会ったな。
んな顔すんなって、見りゃわかんだろ…
俺にも「世界」は手に余った、って事さ。
[何を望むのか。と問われてへらりといつもの笑みを浮かべ]
さぁね、叶わねぇ望みなんざ言ってもしょうがねぇだろ?
少なくとも、あんたにゃ無理だな。
[それだけ言って女から目を逸らす。
暫くして女は側から離れていく]
[外側の傷はもう殆どが「消えて」いる。外傷の酷いのは軸足に受けた火傷と左肩の裂傷。それももうすぐに消えるだろう]
治りが早いからって痛くねぇ訳じゃねぇんだぞ、っと。
[少し大きめな声を出せば背が疼くように痛んで。軽く顔を顰めて利き腕を動かす]
こっちはもうちっと掛かるかねぇ。
[めんどくせぇ、と呟いて]
…あぁ?
[聞こえた声にどこか不機嫌そうに返したのは、声の主に対してか問われたことに対してか]
「おまはん『も』」って…
あぁ、そういうことさ。死にたいのに死ねない、厄介なもんさ。
[それを肯定して、どこか苦いものが混じった笑みを浮かべる。
向こうには見えないだろうけど]
色々、無茶やってみたんだけどねぇ…
そのうちそれが楽しくなっちまって、今じゃこの通り。
[言葉に混じるのは自嘲。
軽く声を立てて、笑って]
[強張った身体から放たれた短い言葉。
それが解けた後の微妙な表情]
[矢張り蒸し返すべきではなかったか。
脳裏を掠めた後悔は、乱れ咲く花々に掻き消える]
……、
[彼女にとっては残念なことに、耳は良い方だった。
壁越しの『隠者』の発動を聞き取る程度には]
[さあ、どうしたものだろう。
気付かれたらまた不機嫌になられてしまうだろうか。
けれど、どう足掻いても。
*弛む頬は止められそうにない*]
[この声の主ならば笑うだろうと思っていたから、ただ苦笑を返すだけで]
俺の望み、なぁ…
会いたい奴が、居るんだ。でも、ここに居たら会えないから、さ。
こんな体じゃ、一緒に居られないから…そいつは「俺が「治る」まで待つ」って言ってた。
俺はそいつに「必ず帰る」って言ったけど、もう、ね。
[その相手はもう「会えない所」に居るのだ、とまでは口にしないが]
「管理者」か…こんなもん管理してるんじゃただモンじゃないのは解るけど。
難儀な人だね、あの人も。
[立場が違う故に、管理者の気持ちまではわからないが]
こんなんじゃ、愛だの恋だの人並みなもんは無理だろ?
欲しいもん手に入れるには…なぁ?
寿命、ね。どうなんだろ。
まだ寿命で死ぬほどは生きてないからなぁ。
いくつ誕生日過ぎたかは忘れたけど。
[二十代後半、というのは外見に合わせただけ、らしい]
どうにもね、「運命の輪」は俺のためには回ってくれなかったみてぇだ。
[相変わらずの笑いを浮かべたまま]
「定め」ねぇ…俺も遠慮するね、そんなもん。
どうせ生きるなら「楽しいこと」やっていてぇし。
[あっさりと本音を吐いて、その後の言葉にまた、笑う]
先立たれんのも嫌だけどさ。多分その前に怖がられるんじゃねぇかなぁ。こんなんだし。
そういう日が来るなら嬉しいねぇ。
まぁ、期待しないで待ってようかねぇ…風が止まる時、ってのを。
[気休めでしかないけれど、と付け加えて声を上げて、笑った]
―川岸―
だーるー。
[水から上がった虎の姿がぶれて人らしき形になる。霧のよな何かが晴れると木に寄りかかって休む姿が見えるようになった]
やっぱ、殺しておくべきだったかなー。
でもなー。約束だしなー。
[はふりと大きく息を吐く]
生かしておいたら次は殺されるかも、だよね。
うー。
[狂った笑いと呪詛の言葉が木霊する。
帽子のない頭の上、三角耳はへちょりと伏せられた]
[風が髪を乾かしてゆく。
暫く吹かれていたがおもむろに懐からカードを取り出した]
風刃のおにーさんまで退場しちゃったんだ。
もっとごはんのお裾分けほしかったなー。
色々見つけておいたのに。
[最初に抱く感想がそれなのもどうだろう。
干物魚の味を思い出してぺろりと唇を舐めた]
で、勝ったのは手品師さんか。
狐と犬のオジサンたちに仕事人のオジサン。
やー、見事に戦いにくそーなヒトばかり残ってるー。
雷鳴のおねーさんはおねーさんで……だし。
[隠し札まで切ることになりそうで厄介だった]
も少し身体休めてからにしたいけど。
どっちにしろ先では連戦だろうしなー。
[人数が減れば当然の流れだろう]
とにかく様子見にいきますか。
[カードをしまい直し、ひょいっと立ち上がる。
木の枝に引っ掛けてあった帽子をいつものよに被り、気配を探りながら歩き*始めた*]
ま…生きてりゃそのうちどうにかなんだろ。
っと、初めて意見が合ったかねぇ。
仲良くなれっかは別だけど。
[相手の様子を探ろうにも風は届かない]
俺は小心者だぜぇ?
弱い犬ほどよく吼える、って言うだろ?
大胆にでもやらねぇと舐められるしなぁ。
あんたには通じないみたいだけど、さ。
[届いた気配に含まれたものには別段感情が動くこともない。むしろ虚勢を張る必要がなくなったとばかりに笑うだけ。
笑うしかない、と言う気持ちなのかもしれない]
あんたには他に気になる奴も居るだろうしなぁ。
そりゃ、いつまでもここに居るような人じゃないだろうなぁ、あんたは。
[からかうわけでもなく、単に相手の性格からそう思っただけのこと。言葉の真意に思い当たりながらそれは避けて]
あんたがそういう奴だ、ってのはわかってるさ。
俺もあんたのそう言うところ、否定する気ねぇし。
俺はさぁ、風なんだよ。
相手のいい様に風向き変える小心者。
つまんねぇだろ?そういうの相手にすんの。
[言葉に混じる気配が薄くなっているのを感じて、そうしてまた、笑う。誰かに興味を持つ事も持たれる事も慣れていない]
……執着できるもんでもあれば、もうちっと違ったかもなぁ。
[独り言のように呟いて]
……あんたが真面目に仕事してるところが想像できねぇんだけど。
[恐ろしく真顔である]
あん時は目的があったからなぁ。
「最後のお楽しみ」を持って行かれたらそりゃ腹も立ったさ。あんたの実力も知らなかったし。
ま、俺じゃ「管理者」には勝てなかっただろうけどなぁ。
今は、さぁ、目的もないし、な。
あんたに噛み付く理由もない。理由もないのに勝ち目のない喧嘩売るほど馬鹿じゃない。
風だってたまには凪ぐこともあるさね。
[目的を失くして気が抜けているとも取れる、そんな風な言葉を吐いて]
俺に執着する気がないからねぇ。
[とだけ零して]
ん?あぁ、悪ぃ。
[真面目に返されて謝罪を返す]
得られないのがショック、って訳じゃないぜ。得られるとも思ってなかったし。
ただ、早く会いたかっただけ。カードよりそっちの方が悔しいねぇ。
腑抜けに見えるなら上等。誰もそんなのに突っかかってこようとは思わないだろ?
「興味がない」「面白くない」ことは「面倒」だろうし。
だから死にてぇんだって。
あ、俺が執着してんの、あいつかもなぁ。
[相変わらず笑うだけで]
そうしときな。
俺より面白い奴なんかいっぱいいるだろ?
[それだけ言うとその声の主から意識を逸らすようにして。多分無駄なことだろうけれど]
[男の気配がこちらから逸れたのを感じ取って、もう一度怪我の状態を確認する。
深呼吸をして、利き腕を動かして。
そして手の内にロッドを呼ぶ]
…ん、完璧。
[くるりとそれを回転させて消滅させ、そのままそこに座り込む]
……余計なお世話だ、ってーの。
[誰にだかしらないが、一つ、毒づいて。
浮かべるのは先程とはまた違った、*笑い*]
……。
[ビルの中で、休息をとりつつ、カードに触れる]
……。
[ケイジと出会った後に、更に人数は減り、残りは6人となった。
『管理者』を真っ先に落とした『傾奇者』そして、牙を剥いた『猟犬』
『御令嬢』を下した『天使』
『風刃』を跳ね除けた『手品師』
『銀弾』を弾き返した『氷華』]
……。
[誰も彼も、一筋縄では行かない猛者揃いだ。
そこに相対するのは、『聖職者』を受け入れることの無かった自分。
果たして、どこまで渡り合えるのか]
……。
[だが、やるしかない。
うまく潰しあってくれたとしても、最低でも後2戦は勝ちあがらなければ、勝利者となることは出来ない。
その為には]
……。
[男の体がゆっくりと闇に消えていく。
完全な気配の消し方。
それを見つけるのは、中に何が入っているのか分からない箱に手を入れるようなもの。
傍から見れば、逆に気配が無さすぎて違和感を覚えるような状態になり、男は行動を開始した。
やるべきことを*やる為に*]
[背中を向けたままだったから、その表情に気づくことはない。
どちらかといえば、振り向けなかったのかもしれないが。
折り取った紅の薔薇を軽く撫でれば、宙を舞って。
ドレスにいざなわれるかの如く、定位置に収まった]
…まだまだ足りませんわね。
[常の口調に戻すのは、「お嬢さん」の在りようの方が、今は必要に感じたからこそ。
黙々と2輪目の紅薔薇を生み出そうとして、けれど。
連続した力の行使の弊害か、成長も開花も遅々として]
[どこからともなく届けられる声に、また新たに誰かがこの檻に囚われたと知って。
けれど、集中を切らさぬよう、紫紺は紅の色に注がれる]
ふぅ……。
[ようやく咲いた紅薔薇へ、愛おしそうに触れる指先。
2輪目の薔薇をドレスに飾り。
外していた髪飾りもまた、深緋の髪へと戻して。
それから改めて、辺りに視線を*巡らせた*]
[暫く自身の体の様子を確かめていたが、手の内に小さく風の渦を呼ぶとへらりと笑う]
ん、どうやら元通り、ってとこだなぁ。
ここじゃあんまり風は使えなさそうだけど。
[そう言って手を軽く振って風を散らす]
しっかし、回復中はやっぱテンション下がるよなぁ。突っかかる気力もありゃしねぇ。
そうじゃなきゃ…あんな余計な事言わなかったんだけどなぁ。
しかし暇だね、どうも。
[そう言うと、傍らにいつの間にかしっかりと置かれたいつもの袋から携帯食を取り出して齧る。
いつ持ち込んだとか訊いちゃいけません]
─廃墟・中央近辺ビル内部─
[拠点と定めた廃墟に戻り、一つ息を吐く。
先に交わした言葉の影響か、どこか、鎮まらないものを抱えつつ、見つけておいたチーズとクラッカーを少し齧って]
まずは、気を静めないと、かな。
[小さく呟き、足を向けるのはホールの一角に設えられたピアノ。
奇跡的に生きていたそれの蓋を開け、鍵盤に指を落とす。
紡がれる旋律は、やや、たどたどしいもの]
そういや……
[袋の中を覗き込む]
こっちに来ちまうんなら、魚置いてきてやればよかったなぁ…猫娘に。
[少しばかり酷い例えである]
―回想 森近くの廃ビルの上―
ほほーう…『異形殺し』を退けましたかぁ〜
女性は強いですねぇ〜。ロザリー嬢も天使さんと戦わねば残れたのではないですかねぇ〜
[カードのぶつかり合う光景。その後の結末をみつつ先程勝負を終えたばかりの手品師は、人がいないのをいいことに。でもいうのか。そんな感想を抱きつつ、ゆっくりと体を休めた
どこからか出した七輪でとうもろこし焼いて食べながら]
─廃墟・どこかの屋上─
[手にしていた二枚のカードを懐へと直す]
……気ぃば合うか思うたが、ありゃ合わん。
自分ばたばかっちゅうだけじゃろに。
[ぽつりと、詰まらなそうな声で紡いだ]
向こうはどうなってんのかねぇ…
[もくもくと携帯食を齧りながら、風を飛ばそうと試みるもやはり阻まれて]
やっぱ閉鎖空間だよなぁ。当たり前だけど。
どういう仕組みなんだろうなぁ、これ。
[吹かせた風はそのまま檻の中を巡る。清涼とまでは行かないが]
[閉ざしていた目を静かに開ける。体を軽く動かせば、ある程度回復しているのがわかるが、一応もう一度。と
トランプのクローバー。そこより溢れる薄緑色の光を浴びる]
ま、こんなもんでしょ。さてさて。残ってるのはぁ〜
私を抜いて五名ですか。
ふむふむ。ただのしがない手品師には怖いもんですねぇ〜
[そんな言葉とは裏腹に余裕すら感じさせるであろう暢気な声音で。廃ビルより周囲を見渡す。
ペロペロキャンディー片手に]
さぁーて。
ほんじゃあ嬢ちゃんばデートん誘うかいのぅ。
[建物の上で伸びをして。不意に、たどたどしいピアノの旋律を耳にする]
……んむ。
もしかしちょーかね。
[あの時も旋律に誘われたか、と思い出す。因縁めいたものを感じ、男は小猿を四翼の狼へと転じ、その脚に掴まり宙を舞った。旋律に誘われるように、エリカの居るビルへと向かった]
─廃墟・中央近辺ビル内部─
[旋律が思わせるものなどは、知る由も無く。
幼い頃に数度聴かされた音色を紡いで行く]
Obwohl ich sage, das ich in Winter kalt bin.
In der Tat bin ich sehr warm.
Die Warme einer wichtigen Person.
Es wird so nah empfunden….
[旋律に合わせて零れるのは小声の歌。
が、それは途中で途絶え]
……なんか……くる?
[代わりに零れ落ちたのは、小さな呟き。
飴色が、僅かに険しさを帯びた]
…あら?
[咲かせていた色とりどりの花々が、風に揺れる。
囚われてのち、感じなかった風が頬を、髪を掠めて、擽ったそうな表情を]
今のは…。
[あらためて思い返せば、こちらに来たのは確か]
カルロス、さま?
[不意に聞こえてきた声に一瞬携帯食を詰まらせかけ。だけど言いたい事だけ言ってすぐに気配が途切れ]
あいっ変わらず突っかかってくるな、あんたも。
手負いで突っかかる趣味はねぇ、っての。
相手が「個」だけじゃねぇってのもとっくに承知済み!
まさか、俺が狙われたことねぇって思ってるわけじゃねぇだろ?
ったく、死なないってのがそんなに羨ましいのかねぇ?
[先程までとは違う反応は、だけど向こうには届かない]
死にたくても生かされる、ね。今とどこが違うんだか。
それを何とかしたくて足掻いてんだよ、一応なぁっ!
[無為に生きてるかの様な言われようには流石に腹が立ったか声を荒げ。
最後に残された言葉に僅かに眉を上げる]
あんた、そういう側の人間かい…なるほど、ねぇ…
俺が簡単にモノになると思うなよ…っ
─廃墟・中央近辺ビル外部─
[近付くにつれてはっきりと聞こえて来る旋律。その音色に仮面の奥で口端が持ち上がるか]
エイキチ、窓ば近付けぇ。
[指示を出すとエリカが居るらしい場所の当たりをつけ、その窓へと近付き。ぶら下がるままに手を伸ばし、コンコンと窓を叩いた]
やー嬢ちゃん。
デートばせんかいねー。
[物凄くにこやかな雰囲気の声、それも大声で窓越しに声をかけた]
[ぺち]
[随分軽い音を頬と掌が上げる。
その衝撃で何とか常の表情を取り戻して]
[僅か流れる大気に頭を垂れる。
青の髪の先が揺られて、さらさらと音を立てた]
[が]
…元気だなあ。
[『声』に喚く様子に薄らと苦笑。
そういう感想を持つべきではないのだろうが、意識をしていなければ会話の内容など認識できるわけでもなくて]
……あいつに会うまでは…誰の手にも落ちるわけにはいかねぇんだよ!!
[吐き捨てるように言葉を投げる。
そうしたあとで大きく息を吐いて髪をかき上げる]
参ったね、こりゃ…ああいうのが先を握ってる、とか。
……籠の鳥になる気はねぇ…風は、誰のもんにもならねぇ。
絶対に、な。
[近づく気配に手を止めて、窓の方を振り返る。
そこにいる姿、特に銀色の影に飴色はしばし奪われるが]
……ふぇ?
でーと?
[窓越しに投げられた言葉に、思いっきりひっくり返ったような声が上がった]
―屋外―
さぁて…狐面はデートに行っちまったようだしねぇ。
[く、く、と小さく笑えば]
じゃあ、デバガメする気力のあるヤツでも追いかけようかねぇ。
犬の名に恥じぬように。
感じ取ったら逃がしはせん。
[口元を軽く吊り上げながら、集音機に指を当てた]
デートじゃデート。
屋上ば来んね?
待っとるけぇ。
[窓越しの相手に聞こえるように、大きな声で繰り返す。親指で上を指し、屋上を示すと男は先んじて上へと消えて行った]
[トランプをめくって目を細め]
ほほーう…不意打ちできたら幸せですかぁ〜
[つまり、戦え。ということね。と把握したところで、ゆらりと体がゆれ、指し示す方向屋根伝いに移動する。]
[あの声がもたらした感情が大きくて、だから周りに人が居ることをほんの少し忘れていた]
ん…?
[名を呼ばれて、ようやく意識をそちらに向けて]
っと、お嬢さんと…「聖騎士」、かぁ。
やなとこ見られたね、これは。
って、なんか言ったか、「聖騎士」さん?
[視線の先に居た二人に、笑顔を作って見せて。
だけど上手く笑えていたかどうか]
……どっから、そーゆー発想が……。
[思わず、突っ込みが口をつく。
もっとも、この状況での『デート』が何を意味するのか、くらいは察しがついた。
むしろ、『そういう』経験の方が多いかも知れない]
……ま、好都合って言えば、好都合、かな。
殴る、って決めたんだし。
[物騒な決意を口にしつつ、ロザリオを軽く、握って。
ちら、とピアノを見やると窓を開けて翼を開き、自身も上へと舞い上がった]
こっちか、ねぇ。
[顔を上げれば、ゆっくりと足を動かす。
ポケットに手を突っ込みながら歩く様は、隙があるようにも見え、隙がないようにも見える。
最も、耳にある集音機は未だ生きているのだが。
何がおかしいのか、く、く、と小さく笑った]
…元気なのは、良いことですわ。
[常に似せた口調で、大声を出す青年を見遣って。
向こうがこちらに気付いたようなら、軽い会釈を]
大丈夫ですか?
[戦闘の傷とも、先程のこととも明示せずに問い掛ける。
立場上、紫紺の瞳は作り笑いを見慣れていて]
─廃墟・中央近辺ビル屋上─
おーし。
エイキチ、おまんそのまんまで居れ。
落ちた時ゃあ頼むど。
[屋上へと舞い降りると小猿へとそう指示を出し、エリカが現れるのを待つ。やや後に翼にて現れたエリカを見やると、笑む気配を漂わせた]
応じてくれおうたか、あんがとさん。
口上やらなんやらは要らんじゃろ。
しばらくお付き合い願うけぇ。
[そう言って、男は自然体で立つ]
―廃墟―
[元住宅だった屋根を音も立てずに浮遊して、お目当てであろう。指し示す方向にいた『猟犬』を見つけて]
ふふ。あれですかね
[口の端を吊り上げながら言って。そして指を鳴らすと。
特に危険度も低ければ、殺気も闘気もない。あたっても単に地味に痛いだけであろう。金ダライがブラウンの頭上に現れ、落ちていった。
不意打ちっていうかまるっきり悪戯である]
ご尤も。
[「お嬢さん」に立ち戻ったロザリーに浮かべた苦笑をそのままに小さく返して]
戦ったばかりなのに元気だな、と思って。
怪我は平気?
[戦いの後に怪我をしていないはずがないだろうと。
話題の摩り替えも考えて、こう問いかけた]
[作り笑いなど、自身も慣れたもので]
そう、そのアレですよ、っと。
[す、と手を挙げ…]
[――ごぱぁん]
[金ダライはクリーンヒット。
綺麗に凹んで地面に落ちる。
…上げた手は集音機をオフにしていた]
――。
[そして、眼鏡を中指で直す]
―廃墟―
[路地の一つに足を向けたら背筋がゾクリとした。
何の気配も無い。だが今ここに踏み込むのは良くないと、本能的な何かが感じ取る]
…やめとこ。
[もう一度意識を澄ませる。
耳に届いたのは鍵盤の奏でる旋律]
んー、余裕あるんだなー。
[誰の手によるものかまでは分からない。
そちらに足を向け始めてすぐに]
にゃっ!?
[響いた別の音にぴくりと動きを止めた]
─廃墟・中央近辺ビル屋上─
[ふわ、と舞い降りた先。
飴色はやはり、一瞬だけ銀へと惹かれるが、すぐに狐へと向き直る]
……そーだねー、やること決まっちゃってる状態だし。
それより何より……。
[やや低くなる、声。
左手が、右手の銀の蔦をつい、と撫でる]
……殴る、って。決めたから。絶対、殴る。
……Sturm,Anfang!
[言葉と共に、銀の蔦は銀の戦輪へと形を変え、右の手に。
直後、低い体勢で駆け出して距離を詰め、横に構えた刃の輪を左から右へ向け横一文字に薙ぎ払った]
[屋根の上にいるため、見下ろす形で一部始終をみていたまま営業スマイルで]
こうして、面と向かって会うのは初めてでしょうかねぇ〜。ブラウンさんですよね。
私なりのおもてなしはいかがでしょうか〜?
[一切悪気はない笑みである]
嗚呼。噂には聞いていたがねぇ。
初めまして、と言うべきかな。
『ザ・フール』のマスター、ディーノ君?
[瘤が出来てそうな頭には触れずに]
こうしてみると、おじさんの方が『愚者』に見えるねぇ。
[く、く、と小さく笑う]
[二人から同じようなことを言われて、あぁ、と零して]
まぁなぁ、元気だけがとりえだから、俺。
[言葉の内容までは知られていないかと、少し安心したようで笑みは少し柔らかくなり]
あ、怪我なら平気。
久しぶりに派手にやられて骨が折れたけど。
[さらっと言ってへらっと笑う。
嘘は言っていない、だからどう取られるかは気にしない]
[銀狼は屋上の隅へと待機させ、『デュエル』の邪魔にならないようにする]
おっふぉ!?
なんぞ怒っちょおか!?
[急に距離を詰められたことよりも、殴ると言われたことにわざとらしく驚きの色を出す。そんなことをしながらも、足元の影がせり上がり両腕へと纏わりついて。現れる幅広の刃を備えた男の得物、トンファーブレード。己が右から迫る戦輪に対し右の得物を持ち上げ打ち合わせるようにし。次いで左の得物の鋭い先端を、脇の位置からエリカの腹部目掛けて突き出した]
おやおや、噂になるようなことをした覚えはなかったのですがね〜。
[笑みを浮かべるそれはむしろ白々しさほど感じるだろうか]
ですがしってらっしゃるなら光栄といったとことでしょうかねぇ〜…ま、普段とは違って、今はなんの不思議でもないでしょうけど
いえいえ、あなたは愚者ではございませんよ〜。あなたは…人の負の部分をたくさん浴びて生きていながらも良くも悪くも人間的に見えますしねぇ〜。
私の適当さには到底及びませんよ〜
[と、くく、と小さく笑うブラウンへやんわりと否定の言葉を投げて]
では、お互い目的も同じことでしょうし、やりましょうか
[屋根の上。そこより更にゆらりと浮き上がり。片手の中にある銀縁のトランプを十五枚。
それをブラウンの体中に特にこだわるほどの狙いもなく一斉に放つ]
元気なのは良いことですよ。
元気がなくちゃ何にもできないもの。
[青の花を手にしたまま伸び上がろうとして。
一瞬痛みに強張り、脱力する。
ある程度の治癒を受けたとはいえ、完治に遠ければ当然だが]
まあ、カードマスターとして集まってる人たちだし。
苦労するのは当然だと思うけど。
[そして、思いっきり認識間違い]
[実際、男には傷一つない]
[が]
[服があちこち破損していては、どうにもおかしいことになるのだが。
特に足元の焼け焦げと、左肩の大きな破れは]
…骨が、って。
そ、それは痛そう、な…?
[けれど、言葉と反する様相に首を傾げ。
念のため、と、いった風情で]
…治療は、必要でしょうか……?
そうかい?
"此処"でなくても、裏でお前さんの名前を聞いたんだがねぇ。
[良い意味か、悪い意味でか。
それは言わずに奇術師を見上げる]
テキトーに見えて、ソレが適当って事もあるモンだ。
クソ真面目に生きたって、たった一つの"破滅"でどう転ぶか分からない。
なら…お前さんのような生き方が一番"賢い"のかも知れん。
[否定の言葉には疑問の言葉を投げかける。
答えを期待しているわけではないのは、右手をポケットから出して『ジ・タワー』のカードを軽く見せたので分かるだろうか]
だろうねぇ。
ま。俺程度の"障害"で、そう簡単に崩れてくれるなよ?
[かぁん。
金タライを蹴り上げると左手でキャッチ。ソレを盾にディーノとの距離を縮めようと前屈みで走る]
[横薙ぎの一閃は受け止められ、動きの勢いが削がれる。
急制動にバランスを崩しつつ、後ろに飛びずさる事で突きの一撃は避けた]
怒るもなにもっ!
乙女の純真、惑わした罪は、重いっ!
[翼の生み出す揚力で体勢を整え、手にした輪をびし!と突きつけながらきっぱりと言い切る。
きっちりしっかり、目はマジだった]
さって、と。
近接戦のレンジは、同じくらいかな……Sturm,Teilung!
[銀を二つに分けながら宙へと舞い。
左手の一本は残したまま、右手の一本を、勢いをつけて投げつける。
念の込められた輪の軌道は、直線ではなくジグザグ不規則。それが狙うのは、狐の右の肩]
あー、びっくりしたー。
[金属製の何かが落ちた音らしいと遅れて認識する。
音の跡を追おうとしてたせいで酷く大きく聞こえたようだ]
向こうの音も消えちゃった。
でもってこの気配は、動き始めたってことかなー。
[近くのビルに空色を向け、外壁をひょいひょいと駆け上る]
あの翼は雷鳴のおねーさんだね。
でもって今の音は、手品師さんたちか。
[少し離れた場所と、すぐ先で始まった戦闘を交互に見た]
空元気かもしれないけどなぁ。
[へら、っと。
マイルズが辛そうにしてるのには僅か顔を顰め]
あんたは相当酷そうだなぁ…あの瓦礫の中じゃ無理もないけど…よく生きてたな、あんた。
お互い、挑んだ相手が悪かったかねぇ。
本当はお前さんから色々奪うつもりだったんだけどなぁ、俺。
[さらっと。不穏だが多分深い意味はない、多分]
あ、いやいや、ほら「物の例え」ってやつ?
骨は折れてないから大丈夫だぜ?
[治療を申し出るロザリーに、申し訳なさそうにそう返して、大げさに腕を動かしてみる]
[実際、骨は折れていない
今は]
さてさて、何が賢いか。何が賢くないかは。各々の判断するところでしょうねぇ〜
いえいえ、人間なんて塔でなくても石ころでもつまずく生き物ですよ〜
[暢気な口調でありながらも、目は猟犬より離さないで]
そんな使いかたしますかぁ〜。まいっちゃいますねぇ〜
[タライを盾に前進されたことで的を失い突き立つカード。それを見もせず、両手を前に突き出し力なく垂れさげると、鈍く輝くトランプが滝のように落ちて一つの形…針山の壁を形成する]
手品にはこれはつき物ですよねぇ〜
[暢気にいいながら、その壁をは向かってくるブラウンへとのしかかるように傾いて倒れこむ]
はっは、参るのはこっちだと思うがねぇ。
頭に瘤は出来るし…
[針山の壁を見やれば小さく笑い]
カードを使わされるんだからねぇ。
――『破滅の塔』!!
[倒れてくる壁よりもカードが光を放つ方が早いか。
男の足下から針山の壁よりも高い塔がそびえ立つ。
そして、頂上に立つ男は小さく笑った]
ほれ。追いついたぜ。
[とん、と塔から屋根へと飛ぶと同時に、左手の甲から銃身が出てきて。
特にねらい打つわけでもなく、ディーノに向かって乱射した]
…そういえば、カルロスさまは、どなたと…?
[怪我や傷の種類から、闘った相手の力や得物を知ろうとして。
焼け焦げはあるものの、火傷のない傷口に、不思議そうな表情を。
実戦経験が少ない分、そのわけには思い当たらず、]
既にどなたかに治癒されたのでしょうか…?
本当に、ものの例えならば良いのですけれど。
さあ。空元気でも俺にはわからないから。
[少し首を傾げて、薄らの笑み。
自身の怪我のことになれば笑みは苦いものへと転ずる]
潰れる前にここに飛んだから、それは平気だけど。
銃の乱射はともかく、爆弾まみれはさすがに。
[僅か、肩を竦めて]
そういえば、貴方は誰と戦ったんです?
[『檻』に在れば『場』の状況は見えない。
『声』が伝えてくれないとなれば当人に聞くしかなく]
[不穏な台詞はお流れに]
そげなこと言われてものぅ。
ワシゃあ事実も言うとるんじゃがの。
[そう言う問題でも無い。相手の体勢は崩せたが、追撃は見事に躱され。離れた相手から戦輪を突き付けられ、得物の握りで後頭部をぼりぼりと掻いた]
ま、理由はどうあれ、やることにゃ変わりはなかね…と!
[零した直後に向かい来る二つの戦輪。不規則なそれを完全に避けるのは難しく、狙われた右肩を戦輪がざくりと駆け抜けて行く。右の得物が手から離れ、地面へと落ちた]
全く以てじーちゃん譲りじゃのぅ!
[毛皮を紅に染めながらも声は楽しげに紡がれる。空となった右手を下から大きく振り上げると、取り落とした得物が影へと戻り、槍状となって宙へ舞うエリカへと迫った]
[銃の乱射に爆弾まみれ、と、なんだか痛々しい言葉に思わず、そちらを見て。
紫紺が、その苦い表情を垣間見る]
…。
[何か声をかけるでもないけれど。
同じ質問が出たことに、驚いた風情で少しだけ瞬いた]
おや、これはびっくり
[言葉通り聳え立つ高い塔に虚をつかれたため、飛び降りてくる様子には反応が少し遅れる。
銃による乱射を避けるため、左へと浮遊しつつトランプを扇状にして防ぎ。そらし。全て防げるはずもない。いくつも体を掠め。左足を撃ち抜かれる]
…っ…いったいですねぇ〜
[それでも間合いをすばやく離しながらも痛みに目を細めつつ。両腕を振るうと。そこより発射された十枚のトランプが剣へと変わり。旋回しながらブラウンへと迫る]
わかんないならそのまま受け取っとけ。
[笑うも、その後に続いた闘いの様子に呆れたように]
それはよかった、けど……爆弾、かよぉ。
俺あいつに挑まなくてよかったぁぁ。
[かなり本気である。次いで二人から同時に問われたことに]
んー?あぁ『手品師』。
面倒な相手だったぜぇ…
[そういう風に簡潔に答えて。ロザリーの疑問にはまたへらっと軽い笑みを見せて]
ん?俺。自分で治した。
大丈夫だって、このくらいの怪我は慣れてるし。
[一応、嘘は言っていない]
そういう問題じゃないっ!
[やっぱり突っ込んだ。
ターゲットを捉え、軌道を捻じ曲げた輪を文字通り呼び戻し、再び一つの輪へ戻す。
そこに聞こえた、楽しげな声]
……んな事、言われたってわかんないやいっ!
[平静を装おうと試みつつも、やや、揺らぎを帯びた声。
その揺らぎは影の槍への対処を遅らせ、穂先が右の腕をかする]
いった……もー、ボク、自分治せないのにっ!
傷残ったら、どーしてくれんのっ!
[場違いな文句を言いつつ、一度、地上に降りて。
距離と、仕掛けるタイミングとを計る]
そういや、ここって外の様子わかんねぇのな…
今も誰かがやりあってんのかねぇ…
[二人が感じた疑問に、改めてここが隔絶された場所と認識する]
[振り返るロザリーの様子に朽葉色が瞬く。
何か妙なことを言ったろうかと思考は巡り]
[同じ問いをかけたことに、僅かな苦笑。
巡り落ちた視線は青の花を持つ手の甲に張り付いたままの塊に留まる。
指先で突けば剥がれて、その下から緋色が滲んだ]
煙と何とやらは高いところが好き、ってねぇ。
[そんな事を言いながら屋根へと降り立つ]
…足を封じても、距離を縮められるワケじゃないのがキツイねぇ。
[痛い、と言う奇術師に、小さく笑いつつ。
飛来する剣に、ち、と舌打ち一つ]
物騒なモン飛ばしてくるねぇ…全く!
[先ほどの金タライは針山の壁に飲み込まれている…
左腕を大きくテイクバック、そして]
高速射出槌《パイルバンカー》。
[左腕の内部にある大きな釘。
腕から生えれば釘もまた大きく引かれて。
左腕を前に出すと同時に、釘もまた前へと射出される。
釘が飛ぶ事はないが、其の腕の速度は目で追うには厳しい。
その速度が生む結果は…一つの剣をはじき返し、他の剣をも巻き込んだ。
しかし、巻き込まれなかった剣…ど真ん中よりも大きく外れた剣は飛来する]
っつー…たく。
[大きく体を刻む事はないモノノ、剣は其の身体に鋭い傷を付ける。
…鋼鉄で出来た左腕以外。
服もズタボロにされ、男は悪態をついた]
まあ、ビルが倒壊する前も散々天井は崩落して。
あちこちぶつけはしたけど。
[骨まで影響がなければ大したことは無いとでも言うように。
けれど、挑まなければ良かったと思うのは確かで。
苦笑が滲んでしまうのはどうしようもなかった]
『手品師』…通り名からして面倒そうですね。
予想が付きにくい分、『仕事人』よりつらいかも。
[少しゆっくりとした動作で肩を竦めて]
恐らくは。
闘わなければ、カードは手に入らないから。
あぁ、ディーノさま、でしたか。
それは確かに面倒で…さらに言えば面妖な相手だったでしょうね…。
また見てみたかったのですけれど…この場所でも。
[社交の場で見たそれとは違うと知っていても。
楽しみを期待するよう弾む声]
…ああ、なるほど。
うふふ、私もまだまだ想像力が足りませんわね。
[恥じ入るように微笑んだ]
傷ば気ぃするんじゃったらそん稼業ば止めぇ!
そん程度の覚悟でこん場所ば立たれとぉ方が迷惑じゃ。
[場違いな文句にはいつになく厳しめの言葉。相手の腕を掠めた影槍は役目を終えると霧散し、再び男の足元へと現れる]
ちなみんワシも治療ば出来ん!
[要らんこと言った]
[床へと降りた相手を見、影を再び右腕へと纏わせ。得物を握ると、床を蹴りタイミングを計っているらしい相手へと迫る。懐目掛け飛び込んだなら、左右の得物にて斬り上げの連撃を放とうと腕を振るった]
えー、っと……
[マイルズが戦闘の様子を語るにつれ、それを思い浮かべて軽く頭を抱える]
まぁ…おかげで他の奴らが対策立てやすくなってよかったんじゃねぇ?
って、血ぃ出てる、血!!
[マイルズの手の甲に滲むそれに慌てて、治療をしたものかと視線を送り]
いやもう、足元から焔は出るわ、上から鉄球は落ちてくるわ至近距離で剣が出てくるわ…最後には壁に叩きつけられたし。
[手品師とのそれが如何に面倒だったかを語ってみる]
だろうなぁ。
誰が落ちてくるのかね、今日は。
最後まで見届けるためなら、伝わってもおかしくはなさそうですけれど…。
実際、見えませんね。
[闘っている確信はあるけれど]
向こうまで移動するのは、ちょっと難しそだな。
[途中にある通りの上を無防備に跳ぶのは躊躇われた。
それならと、近い方の戦場を空色に映す]
うーわ。威力高そー。
あのカードもどれだけあるんだろ。
[こくりと息を飲みながら戦局の流転を見つめていた]
あなたこそ。なかなか物騒な腕をお持ちですよ
[笑みを浮かべつつもそれは嘲笑ではなく賛辞の意を持つ
ゆらりと中空を浮かびながらも、弾き返されてこちらへと来る剣を手で翳すとなんなくトランプへと戻り主の手中へと戻って]
では私も、カードを使ったあなたに礼を尽くして。使いましょうか
[ぴっと人差し指と中指の間に現れるは、己の最もお気に入りの『愚者』のカード]
さぁ。いきましょうか。私の大一番の手品をね
[薄く光りだす『愚者』のカードを手に客に対するような営業スマイルをブラウンへと向けたところで、最初に放ったトランプ。倒れこんだ針山の壁。弾かれた剣。はては金ダライまでが元のトランプへと戻り。自分と、ブラウンとの間で徐々に一つの形へとなる]
面妖って言うかさぁ…
攻撃当たっても笑ってんだぜ?やり難いったらありゃしねぇ。
[言いながらも笑っている。自分も楽しんでいたのは確かだから]
言えば見せてくれるんじゃね、あいつ。
結構サービス精神旺盛っぽいし。
まぁ、本音を言えば、お嬢さんみたいに綺麗な人に癒して欲しかったりもしたけどね。
[最後の一言は軽く、冗談めかして]
『全てを知らぬ愚者』
[言葉少なく。ただその中身は常識外れの愚者の脳と力の結晶を具現せんとする強い意志がこもっている
トランプが幾重にも重なってできるのは、精巧なる竜の形
竜にしては小さく。また火をふけぬ紛い者なれど、まるで生きてるように脈動し。咆哮をあげる周囲の建物を震わせ。あるいは壊し、吹き飛ばす。
そして飛翔するように翼を動かす]
[朽葉の色から逃れるように、すぐに紫紺は逸らされて。
けれど、蒼の花の囁きに。
そしてカルロスの叫ぶ声に、慌てて紫紺は戻る]
血…って、
何なさってるんですか!
[少しばかり慌てた風情で真白のハンカチを取出し、傷口を圧迫しようと]
乙女の心理と、仕事の心構えは、次元が違うんだいっ!
[厳しい言葉に返すのは、どこまで本意か読めない言葉]
って、自慢になんないよ、それっ!
[要らん事には突っ込み入れつつ。
飛び込んでくる姿に、舌打ち一つ。
元より、防御は得意ではなく。
避けきるには、相手が速い]
っ、っの!
[左の一撃はタイミングよく輪を合わせて弾くが、右は間に合わず、紅が散った。
痛みに顔を顰めつつ、翼に力を入れて空へと舞い、距離を取る]
……やっぱ、厄介だなぁ、もうっ……。
ここは、出し惜しみしないで、行く、か。
[呟いて、手を触れるのはカードを収めた胸ポケット]
相手のテリトリーに不用意に飛び込むのは愚の骨頂。
…わかりきったことを体言しただけですよ。
[あの時は。裏を掻くより早いと思ったのだけれど。
甲に滲んだ紅には小さく溜息を吐いて舐め取った]
治して貰ったから剥がしても平気かと思ったんですが。
覆った皮膚ごと剥がしたかな、これは。
[何でもないような風情で、カルロスの視線の意図も認識せず]
…それは面倒だなあ。
剣はたとえば、
[予備動作も口調の変化も一切無い。
けれどカルロスの眼前には一本の十字短剣が浮遊して]
こういう感じで?
無限に湧き出る泉と、俺の片腕。
どっちが良いよ?
[皮肉ではなく、素直な賛辞に苦笑した]
やれやれ。
大一番、か…なら。
[中指で眼鏡を直す。
奇術師の出した全てが集まっているのを見やれば、其の表情は渋く変わる]
やばい、な。
[男は大一番の手品を見つつ、後ろへと跳躍…
屋根から飛び降りた]
高速射出釘《パイルバンカー》。
[先ほどは剣に向けた高速の突きを、今度は迫り来る地面に放つ。
地面はへこみ、男に衝撃が走る…]
[舐め取る前に緋色は白に奪われた]
え、あ。
[治して貰ったのを、再び傷付けてしまったのだと。
認識するのに一拍の間が空いた]
…ごめん、なさい。
[緋色の滲む手は預けて。蒼の花は逆の手に移して]
[飛翔し。天へと舞い上がる竜がおこしたカマイタチは、塔を盾にするブラウン目標とする精度もない。ただ無作為に放たれ周囲の建物だけにとどまらず破滅の塔をも破壊し]
……っっはぁっ!
[それを見届けたところで、制御の辛さに耐えかね。隙を作ることとなるとわかっていても大きく息を吐き出す]
…本当に、笑っているイメージがすぐに浮かびますわね……。
きっと、プロの意地なのでしょうけれど。
[言葉と裏腹に笑う顔を見て、微苦笑を返す]
今の私に、本気で講演して下さるかはわかりませんし…。
[はたり、紫紺の瞳は瞬く。
それはちょうど、傷口を圧迫した時のことで。
僅か嬉しそうに、それでいて恥じらった笑みを形作って]
綺麗、とは…天使さんのような方のことをいうのだと思いますけれど。
世辞がお上手ですのね。
ほんにおなごはようけ分からん。
……次おなごばなってみぃかいのぅ。
[乙女の主張には溜息一つ。続いて呟かれた言葉は極々小さなもの。剣戟の音により聞き取ることは難しかっただろう。一番最初の『記憶』がそうなのではと言う突っ込みはきっと受け付けない]
[初撃は弾かれるも、二撃目が入り。仮面の奥で小さな笑みが浮かぶ。けれどすぐさま相手が宙へと舞い、現状では攻撃が届かなくなる]
かかか、ワシも出し惜しみして勝てるたぁ思うては居らんしのぅ。
[そう言って懐から取り出すのは『ザ・ムーン』のカード]
堕ちよ、『月闇の帳』。
[相手が使う前にカードは輝きを、否、漆黒なる闇を生み出し屋上全体を包み込もうとじわじわと広がって行く。フィールドへの干渉、闇は男の極彩色や白き面すらも覆い尽くしそうな勢いだ]
影と闇は似て非なるもの。
じゃが今なら同等として扱える。
さぁ、どぎゃんするね?
[相手を試すような口調。その間も闇は広がり、まずは男をすっぽりと覆い隠した。男を包み込んだ場所を中心に、闇は広がり、エリカをも飲み込もうと侵食して行く]
うおっ、この塔も壊すか…
[塔を盾にしていた矢先、上から落ちてくるのも、塔。
慌てて塔から離れ…]
しかし、今を逃したらぁ、面倒だからな…やってみるか…!
[左手を大きく後ろに引き。
きりきり、と歯車は回転し、釘も後ろへと引かれた]
高速歯車駆動《ハイスピードギアワークス》…
[左腕の内部構造の歯車を高速回転させ、本来以上の力を拳に伝導させ]
高速射出槌《パイルバンカー》ァァァッ!
[左腕を前に突き出すと同時に釘を射出。
力を込めた拳に速度が上乗せされ…
ドガァ。
崩れた塔はひび割れながらも大きく放射線を描いて。
『塔』を崩した『愚者』へと瓦礫を降らせた]
まぁなぁ…向こうが出てこないんじゃしょうがねぇけど。
[淡々と語るのにはそれだけしか言えずに。滲むそれを舐め取るのには肩を竦めて]
治療しても簡単には治らねぇだろ、普通の奴は。
下手に弄ると跡が残るんだろう?そういうのは。
[どこか引っかかりそうな言葉を、だけどさらりと口にして。
そのあとに、なんでもないように発せられた言葉にまた視線を向け]
ん?何…って、ちょっ!
[目の前に突然現れた短剣に、思わず仰け反って]
……喧嘩売ってんのかぁ、聖騎士さんは。
んにゃ、こんな感じ。
[と、風でそれをくるくると回転させてみたり]
[大きく息を二度三度吐き出していたことで生まれた隙。
また周囲が崩壊するように崩れていたことにより状況把握が困難であったのも。
天に竜がまっており、影となっていたのもあるだろうか。
どっちにしろ]
…おや、詰めが甘かったですか
[放物線を描き現れる瓦礫に。両の手にトランプを持ち盾にして受けるも防ぎきる力は既になく。弾かれるように墜落し]
…っ……はっ
[笑みをそれでも浮かべた。
だが余力がないことは天に舞っていた竜が霧散したことが明確に示しているだろう]
[呟く声は届く事はなく。
広がる闇に、飴色が厳しさを帯びる]
……月の闇……それなら、ここは、素直にコレ、かな!
[言葉と共に引き出すのは、月と対成すものの描かれた『サン』のカード]
『陽光の剣』……闇、切り払え!
[かざしたカードが光を放つ。
生み出されるのは、闇を退けようとする、真白の光。
真白の光は剣となり、そして]
……いけっ!
[凛、とした声。
銀の輪が、剣を導くように、闇の中心へ向けて投げつけられた]
お身体は、大事になさって下さい…。
[流石に今度の謝罪には、気にせず、とは言えず。
黙殺もできず。
ハンカチ越しに握る右手はそのまま、左手でまた一枚、柔らかな葉を生み出す]
…。
[ハンカチの下、僅かな癒しの力を持つそれを滑り込ませ]
[左腕を前に突き出したままの態勢で固まっていた。が。
ブシュウ。
左腕が白い煙を吐くと、ようやく、其の口を開いた]
何とか、なるモンだねぇ…
[『愚者』が移ったみたいだ。
そう、呟くのは竜が消えるのが見えて。
そのディーノの姿も見えないため]
生き埋め…か?
おーい、大丈夫かー?
[頭を…掻こうとして、瘤がある事に気付き、そっと撫でながら瓦礫の方へと]
呻き声でも上げてくれりゃ面白か…
[言いかけて、相手が相手だけに自重して]
案外普通に見せてくれたぜ?いきなり帽子から鳩出したり。
っていうか、あいつはそうやって驚かせるのを楽しんでるみたいだし、大丈夫だと思うぜ?
[そう言って、ロザリーの手がマイルズの治療に動くのを眺める。目の前にはそのマイルズの短剣がくるくる回っているのだが]
お世辞でこういうことは言うもんじゃないと思うけどなぁ。
まぁ、世の中渡る上で美辞麗句は必要だろうけど、俺はそういうの好きじゃねぇし。
うっかり言って、本気になられても困るし、さ。
[最後の言葉には苦笑いを沿えて]
意地でも引きずり出すべきだった。
そう思いますよ、今なら。
引きずり出す方法が思いつかないんだけどね。
[片手は捕われたまま。だから片方の肩だけが竦められる]
痕くらい、幾ら残っても構わないけど。
[引っ掛かりを僅かながら感じて。
だから、少し言葉がつっかえたけれど、何でもないように]
こんな身体で喧嘩売るほど馬鹿じゃないつもりだ。
…回転してる方が面倒臭そうだなあ。
[くるくると回る短剣は風車の如く。
そして、吹き散らされるかのように端から崩れ去った]
大丈夫ですよ〜…一応ね〜
[瓦礫の中を歩きながら声をかけるブラウンにそう応える。
上手く瓦礫と瓦礫の隙間に挟まっていたのか。体をもぞもぞと動かしてゆっくりと這い出て、一度膝を突きながらも、瓦礫に手を当てて立ち上がり]
少々力にあまるお茶目もありましたが、これにて此度のショーは閉幕とさせていただきます。
[周囲の瓦礫の山とか。ぼろぼろに崩れた建物とかをお茶目で済ますのかとか突っ込まれそうだが。それでも自然と帽子を取って礼をして]
さて、名残惜しいですがご観覧いただきましたあなたには景品をさしあげますねぇ〜
[言って取り出したるは『ザ・フール』『パワー』『ホイール・オブ・フォーチュン』『ワールド』のカード…各種十枚ずつ]
おまけの手品です。どれが本物でしょ〜
[悪戯っぽい笑みをこめていう。
見た目も気配も全部そっくりなカードを見せた]
[突如現れた短剣を、横目に見つつ。
治療を優先して、傷口を強く握る]
治療されたいがための、喧嘩とかは、流石に無しでお願いしますね?
[有り得ないと分かっているけれど]
[闇穿つ光。それに抗おうと闇は浸食の足を速める。けれど戦輪に導かれた光の剣が男へと到達する方が速く、蝕まれた闇の中から弾かれるように後ろへと吹っ飛んだ。仮面の額には戦輪が、男の腹部には光の剣が突き刺さっている]
……っ!
…あー。
結局結果ば一緒かぁ。
[あの時も彼の放つ光に敗れた。そして今、同じように彼の血を引く者が放つ光に敗れてしまった]
勝てん運命なんじゃろの。
[負けたにしては、妙に清々しい気分を抱く。それも直ぐに腹部の痛みにより掻き消されてしまうのだが]
[大事にと言われて少し困ったような表情に摩り替わる。
正直、この程度の傷であれば、普段は傷とすら認識しない]
…うん、
[白の下に滑り込む葉。
じわりと癒しの力が伝われば、僅かに頭を垂れて]
ありがとう。ごめんなさい。
[感謝と。謝罪をもう一度、重ねた]
…おう。
大丈夫なら良かった。
…運が良かったねぇ。
[自分で這い出てきたのを見れば、少し安堵。
そして…]
――ようやるわ。
[色々と言いたい事は山ほどあった。
が、こうも呆気なく幕を閉じられると、苦笑混じりの言葉しか出てこないらしい。
そして、景品を見れば]
はっは…どれだろうなぁ。
全部燃やしてみれば分かるんじゃないかねぇ。
[そう言いながらも、適当に五つのカードを手に取って]
…で、どうやって正解って分かるんだ、これ。
[傷口を強く押さえ込まれれば。
幾ら癒しの力が注がれていようと、
普段傷と認識しない程度の怪我であろうと、
痛いものは痛いわけで]
…っ、痛!
しない!しません!
どんな風だったんだろうって、興味だけですっ
[さっきの神妙な態度は何処へ消えてしまったやら]
うめき声…?
聞いてみたいかもしれませんね…演技でないなら。
[頬に左手を当てつつ、真顔で呟いてみる。
大丈夫と太鼓判をおされたのなら、後で頼んでみようか考えて]
……。
社交辞令でないのなら、余程タチが悪いかもしれません。
それこそ、本気にするかもしれませんよ?
[くすくすと、楽しそうに微笑んでみる]
廃墟とはいえ壊れまくり、だなー。
[決着がついたらしい一幕に、ホゥと息を吐いた。
近くの屋上から下を覗くよにして崩壊したビルを見る]
うーわ、まだ余力があるのー。
あんなの食らったら私なんてひとたまりもないよ。
どうしたものやら。
[瓦礫から出てきてカードを広げるディーノを認めると、呆れ顔になりながら呟いた]
私はカードマスター以前に手品師ですからねぇ〜
[苦笑交じりの言葉にも営業スマイルを崩さずに答えたが、閉幕への礼も終えたところで、手品師としての意地か。プライドも終了。瓦礫に背をつけもたれかかって]
さぁて。私も適当に引き当ててましたしねぇ〜
[そんな出鱈目そうだが本当のことを口にして]
ま、色々道楽ついでに試してみるのもいいでしょうが…どうせすぐにわかりますよ。私が舞台から退場すれば、ね
[と、自分が魂の檻に入った頃にはダミーは消えると暗に示して]
向こうは意地でも「自分の領域」に引き込みたいだろうしなぁ。
…竜巻起こしてビルごと潰してもいいんだが、面倒だしなぁ。第一、フェアじゃない。
[肩を竦める相手になんかとんでもない事を言って。お前が言うかといわれそうだが]
男の勲章、ってか?そういうのなら残してみたいねぇ。残らねぇんだけど。
傷が残ってりゃ思い出して反省も出来るだろうしな。おかげで俺はすぐ忘れる。
[僅かに言葉におかしいところはあったが聞き流し、目の前の短剣が崩れて消えるのに、ほっとしたように体勢を戻す]
俺も怪我人に手を出す気はないから安心しなって。
もっと軽傷なら、色々やりたかったんだけどねぇ。
[にやりと。だけどやっぱり深い意味はないだろう。多分]
では、私はここで舞台から降幡ですが、まだまだ役者としてブラウンさんはがんばってくださいねぇ〜。
[相も変らぬ暢気な声で、ふわりと浮き上がり、瓦礫の上に降り立ち休む
しばらくして眠りについたのか。魂の檻に囚われたのか。意識が落ちた自分では判断がつかないまま。ただブラウンの持つ36枚のダミーのカードは霧散するように*消えただろう*]
[銀と、剣。
それらが闇の源を捉える様子に、は、と息を吐く。
そ、と左手を差し伸べると、剣は狐を離れてその手へと。
それから、右手を上へと翳す。それに応じて銀の輪は、手へと戻ってきた]
……結果、一緒?
それって……もしかしなくても、じーちゃんの、こと?
[二つの煌めきを手に、ふわり、と降り立ち。
きょとり、と瞬きながら問いを投げた]
そりゃトランプとソウルカードは見た目が違うだろう。
[テキトー、という奇術師に半眼に成りつつ]
…じゃあ、全部拾っておいた方が良いか…これ。
[やれやれ、と中指で眼鏡を直した]
しかしまぁ、ほんと。
どっから出てくるんだ、コレ。
[そう、問おうとするも瓦礫に凭れるのを見れば、ふぅ、と息をつきカードを拾い集める]
すまんね。
おじさんはお前さん達のような力を持ってないからねぇ。
手当てする物も今は持ってない。
[緩く振り返れば]
…
[其処には瓦礫しかない。
気付けば、カードの束も薄くなって…]
7枚、か。これで。
[元々持っていたカードを合わせて7枚。
最も、休眠中のカードは5枚]
やれやれだねぇ…
いえいえ〜。気にせずに〜。少し休めば後は自力でどうにかなりますしねぇ〜
[と、ブラウンの手当てという言葉に、もとより戦いなので特に気に病む必要もないだろうというのもあって瓦礫の上よりそんな言葉を*投げかけた*]
[礼と謝罪の言葉に、少し躊躇いはしたものの。
何となく垣間見えた困った表情に腹がたったので、圧迫止血は続行]
うふふふふ…喧嘩は少なくとも血がとまるまで、待って下さいませね?
[それでいて、紡ぐ口調は常以上におっとりとしたもの]
はい、どういたしまして。
[ぱ、と、ハンカチごと、握っていた手を離した]
[ふと聞こえた声に其方を見やるも姿は見えない]
…奇術師、ねぇ。
根っからそうなのか、演じてるのか。
どちらにせよ。
奇怪だった。
[名前に違わず。そう、呟けば、首を回しつつ]
やれやれ。
デートはふられたのか?
それとも。
[指を集音機にあてると、息をついた]
4人、か。
[抜ける剣、滲む紅。痛む傷を押さえながら男は短く息を吐く]
それ以外何ぞあるとよ。
……まさかおんなじ光で負けるとはのぅ。
[くく、と言う声は苦笑染みたもの]
『サン』のカードば持つおまはん相手に『ザ・ムーン』ば使こて勝てるか、そこん興味ばあったけぇ。
ヒトは無意識に闇を滅するにゃ光を使う。
これで勝ちおうたら、あん時の敗北ば打ち勝てるか思うとったんじゃが、無理じゃった。
[悔しげな素振りも見せず、存外明るい声で言葉を紡ぐ。仰向けの状態から起き上がろうとして、皹の入っていた仮面が左右にパカリと割れた]
彼の闘い方を考えれば仕方が無いんですけどね。
でも、もう少し出てきてくれてもいいのにとは思った。
[ビルを潰すのも。場合によってはアリなのかもしれない。
密やかにそう思って、小さく笑い声を零した]
勲章なんて、そんな良いものでもないでしょう。
傷跡を厭う必要は無い、塞がっていればそれでいい。
…そう、思ってたん、だけ、ど。
[淡々と紡いでいた言葉は急に萎む。
そんな台詞を吐いたら怒りそうな人が其処に居たのを思い出した]
……生憎、打撲とか結構痛いから。
治るまでは待って欲しいかな、とか。
[明らかに戦闘としか認識していない言葉が返って]
あいつの場合、呻いてるのを心配してると「残念でしたね〜」とかやるのしか思い浮かばねぇんだけどなぁ。
[ある意味失礼な言い方である]
え?
あ、いやでもそういうつもりじゃなく…っ
[本気に、と言われて驚くほどにうろたえて、視線を泳がせて]
んー、まぁ…本気にされても、困る、なぁ。特に俺みたいなのには。
苦労するだけだと思うし。
[少しだけ声を落として、ぽつぽつと零して]
『愚者』と『運命の輪』は犬のオジサンの手に。
向こうの総計は7枚になるのかー。
[胸元を押さえながら首を引っ込める。
傷を塞ぐだけならともかく、他者をきちんと癒す能力は持ち合わせていなかったので下には降りなかった。『教皇』のカードを使えばやりようもあるだろうが、そこまでする余裕はもっと無い]
さて、もう一戦はどうなったかなー?
[くるりと身体の向きを変えた]
[続行される圧迫感にかくりと頭が落ちる。
痛かったり何だったりで薄らと涙目かもしれない]
やりません、って。
あちこちまだ痛いから、気が散るし。
[解放された手の甲に朽葉色が落ちる。
蒼の花を持つ手の指先でなぞるも、瘡蓋の引っ掛かりすらない]
俺には治す力がないから、助かります。
[己の無力さに苦い笑みを零した]
おんなじ、光。
……受け継いだ、もの?
[疑問系の呟きは、ごく小さなもの]
前に、負けてて。それに打ち勝つ……か。
それが、ボクにちょっかいかけてた理由なのかな?
もー、会った事もないじーちゃん越えるダシにされても、嬉しくないぞっ!
[明るい声で紡がれる言葉に、やや、むくれたような声を上げ。
ぱかり、と割れて新しく出てきた仮面に、思わず目を見開いくものの]
……と、それはそれとして。
カード。渡してもらう、よ?
[集音機が音を拾えば、頬を掻きつつ]
やれやれ。
俺の商売道具のタネも割れたかねぇ…
[面倒だな。
そう、小さく呟けば、傷の手当てと切れた服を縫うために彷徨い始める*]
普段やりあってる相手の違いかねぇ、あれは。
でもまぁ、そのうち戦場を選り好みしてる場合でもなくなるんじゃね?
[残ってる奴がそれを許すとも思えない、と笑って]
塞がってりゃ、って、治るまで結構時間掛かるし、それまで長いこと痛いんだろ?
化膿したりとかすることもあるんだろ?病気とか?
[心配するような言葉。だけどそれはどれも、自分を対象にしていないような言葉で。だけど不自然さに自分は気付かない]
そりゃ、ちゃんと待つさ。
怪我人とやって鳴かせてもあまり楽しくねぇし。
どうせならじっくり本気で時間掛けてやりてぇし。
でもあんた治り遅そうだし、我慢できなくて仕掛けたらごめんなぁ。
[いちいち言葉がおかしいが、戦闘の申し込みだ。多分]
[仮面はきっと剥いでも剥いでも出て来るのだろうが、それは置いといて]
いんや、ダシにしたつもりはなか。
試せる思うたんは、おまはんに『サン』のカードば移ってからじゃき。
おまはんがカードば持っとらんかっても、ちょっかいば出しとった。
[それも迷惑な話だ。カードを、と言われれば素直に懐から取り出し]
ほいよ、持ってけ。
……あー、あん子にも負けた気分じゃ。
それだけはいけ好かん。
[カードをエリカへと渡した後、そんなことを言ってまたばったりと仰向けに倒れた。そこでようやく悔しそうな声になったとか]
建物の中に居る人間なら…文字通り、燻り出しが宜しいかと思いますけれど。
[屋外で待っていた自分のような時の場合には使えないだろうけれど。
首の向きを変えぬまま、紫紺の眼差しだけが朽葉の色彩に向けられる]
…痛みに怯えぬ人間は。
他の誰かの痛みにも鈍くなると聞いたことがありますわ。
[僅かに曇らせた声は、複雑な感情を孕んで]
……それはそれで、すっごく、メイワクなんだけど。
[思わずジト目になって突っ込みつつ、三枚のカードを受け取る。
内一枚、輝きを失した『デス』に触れた時にはやや、手が震えたりもしたが]
……ふぇ?
それ、誰の事?
[悔しそうな声に、不思議そうに瞬いて首を傾げつつ。
数の増えたカードを一枚ずつ確かめ、ポケットへと入れた]
戦い方から自ずと標的は絞られるんじゃないかな。
そうして依頼の内容も偏っていく。
…俺の仕事もアンデット討伐ばかりですし?
[表向きの仕事だけを上げて、首を傾げる。
そろそろ引き摺り出されるだろうとはこちらも思っていることで]
確かに時間は掛かりますし、塞がるまでは痛いし。
夏場は膿みやすいですけど。
そうならないように、いつもはちゃんと薬使ってますよ。
[今回は忘れました、と付け足して]
…仕掛ける前に治してください、せめて。
[自分で治療できると言っていたのを思い出してか。
あくまで、本当にあくまで、戦闘としか思っていない]
[かくりと落ちた頭は、どうやらしばらく*上がりそうに無い*]
…ありありと想像がつきますわね…。
心配するだけ損、とまでは申しませんけれど。
[こちらもさりげなく酷い発言を。
くすくす、小さく微笑んで]
大丈夫ですわ。そこまで自惚れてはおりませんもの。
…、……?
[ふっ、と。声のトーンが落ちたことに、疑問の眼差し。
ついでに直線的な質問を]
それは、何故?
[最初の突っ込みは聞き流した。聞き流したったら聞き流した]
んー。
多分。
おまはんのばーちゃん。
[それは本当に予測に過ぎない。けれど共通点があるためにそんなことを言って。その言葉を残し男の身体は掠れ行く。離れた場所に居た銀狼と共に、男は『魂の檻』へと送られて*行った*]
んー、雷鳴のおねーさんが勝ったんだ。
狐のオジサンもかなり厄介そうだったけど、流石ってトコかなー。
[カードの委譲による結果を確認する。
距離があれば会話などは聞こえない]
戦い易さからすれば犬のオジサンよりはおねーさんだろうけど。
さて、姿を見ないオジサンはどうしてるのやら。
[残るは4人。出会ってしまえばもう戦いは避けられない。
避けている場合でもない]
……ま、いっか。
なるようになるしかないよねー。
まずはその前に。
[そのままその場に座り込んで。
ポーチから取り出した猫缶をぱっかん!と*開いた*]
戦闘中じゃなきゃ可愛げがあると思うね。
でも戦闘中にやりそうな辺りが、ねぇ。
[肩を竦めて、どこかおどけたように笑って]
そうかぁ?
お嬢さんなら色々言い寄ってくるのも居そうだけどなぁ。
ん?
[向けられた眼差しに首を傾げて、問われた言葉にやはり笑顔で]
追われてっからさ、俺。
いろいろと。
[何でもない事のようにさらりと告げて]
……ふぇ?
[向けられた言葉に、きょとり、と瞬く。
言われた意味が掴みきれずに戸惑っている間に、狐の姿はその場から消えうせ、しばし、呆然とその場に立ち尽くす]
ボクの、ばーちゃん?
あれ、でも?
え?
[何やら呟きつつ、しばし、困惑して立ち尽くしていたものの。
ふと、ある事に気づいて]
……あーっ!
…………殴り損ねた。
[大声を上げた後、ぽつり、と小さく*呟いた*]
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